親の死後「相続税についてのお尋ね」が税務署から届いた。相続に関係ない場合無視しても問題ない?
配信日: 2021.11.22
税務署からお尋ね書類が届くと、税金逃れを詮索されているようで不安に感じてしまいます。実際にお尋ね書類が届いた場合に、相続に関係ないからといって無視しても問題ないのでしょうか? 今回は「相続税についてのお尋ね」の概要と回答方法についてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「相続税についてのお尋ね」とは?
相続税の申告と納税は、相続開始後10ヶ月以内に行うこととされています。「相続税についてのお尋ね」は、市区町村への死亡届の提出を受け税務署が被相続人の財産を調査した後に、相続人に相続税申告を促すために送られてくるものです。
つまり、相続税の申告が必要な可能性があると税務署が判断したために送られてきます。相続税の申告書ではないため注意が必要です。
「相続税申告の簡易判定シート」が入っているので、必要事項を記載して税務署に提出しましょう。「相続税申告の簡易判定シート」にわかる範囲で記載したうえで、税務署で相談も可能です。
回答する項目は、次のとおりです。
●被相続人の情報
●相続人の情報
●被相続人の不動産の状況
●被相続人の金融資産の状況(株式、公社債、投資信託、預貯金など)
●被相続人の生命保険金、損害保険金や死亡退職金の状況
●相続時精算課税を適用した財産の贈与を受けた人がいればその財産
●亡くなる前3年以内に、相続時精算課税以外の財産の贈与を受けた人がいればその財産
●被相続人の債務(未払いの固定資産税など)や葬式費用
●相続税の概算(概算をもとに相続税がかかるか判定)
不正や税金逃れが疑われているわけではありませんので、心配しすぎず回答することが大切です。
相続税なしでも「相続税についてのお尋ね」に回答すべき
相続税なしにも関わらず、「相続税についてのお尋ね」が送付されてきた場合は回答すべきでしょうか?
相続税なしとは、「遺産に係る基礎控除額の範囲内」という状況が1つ考えられます。相続税には、次の計算式で求められる基礎控除が設けられているのでおさえておきましょう。
●遺産に係る基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人の数)
原則、遺産に係る基礎控除額の範囲内であれば、相続税の申告も納税も必要ありません。
相続税なしの状況で「相続税についてのお尋ね」が送付されてきた場合には、回答すると良いでしょう。多少の手間はかかりますが、将来的に税務調査の対象とならないためにも、回答して相続税が「0」との理解を明らかにすることが大切です。
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相続税なしでも申告が必要なケースとは
相続税には、「特例」が設けられています。申告して特例が適用されると、相続税がなしになるケースがあるので特例の存在を覚えておきましょう。逆に言えば、申告しないと特例が適用にならないため、相続税の申告期限に十分注意してください。
相続税の申告書を提出することで適用になる特例は、以下のとおりです。
●配偶者の税額軽減:被相続人の配偶者の課税価格が1億6000万円まで、あるいは配偶者の法定相続分相当額までの場合は、相続税が「0」円になる
●小規模宅地の特例:被相続人と一緒に住んでいた自宅の土地、事業用地、賃貸用地を相続した場合、一定の面積の範囲内で評価額を最大80%減額できる
お尋ねが届いたら提出しておいたほうが良い
被相続人の財産の内容や相続税の基礎控除を計算した結果、相続税はかからないと判断している方もいるでしょう。ただし税務署から相続税のお尋ねが届いた場合には、面倒がらず回答するのがおすすめです。
税務署は被相続人の財産をある程度把握しているため、お尋ねに回答して「相続税がかからない」見解を示すと良いでしょう。お尋ねに回答する時は、資料を集めて求められる情報に対して正確な回答が大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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