更新日: 2021.12.11 相続税
親の死後「相続税についてのお尋ね」が税務署から届いた。相続に関係ない場合無視しても問題ない?
「相続税についてのお尋ね」が届いた場合の対応について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
「相続税についてのお尋ね」とは?
「相続税についてのお尋ね」とは、亡くなった方の名前や当時の職業や所有していた不動産などの財産状況の他、負債の残高など相続のうちお金に関する情報について簡易的に回答を求める書類です。
出典:国税庁 相続についてのお尋ね(相続税申告の簡易判定シート)
なぜ「相続税についてのお尋ね」は送られてくる?
「相続税についてのお尋ね」が送られてくる理由は、税務署が「相続税がもしかしたら発生するのではないか?」と考えたために送られてきます。
死亡届出が市区町村に出されるとその情報が税務署へ共有されるため、税務署は他の情報、例えばその亡くなった方の資産状況や固定資産税など、税金の納付状況などから総合して「相続税が発生するのではないか?」と考えられる人に対して送っているのです。
ただ、この段階ではまだ相続税に関して不正をしていると判断されているわけではなく、あくまでも確認を受けているにすぎないため慌てる必要はありません。
「相続税についてのお尋ね」は相続があってから半年程度で送られてくることもあれば、数年たってから送られてくることもあります。
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「相続税についてのお尋ね」を無視してもよいか
基本的に「相続税についてのお尋ね」が届いた場合、現在相続税の申告手続きを行っている途中で後日申告するという場合を除き、無視をせず書類に記載して返送し、回答をするようにしてください。
前述のとおり、亡くなった方の死亡届や資産状況から税務署はある程度見込んだ上で、未だ相続税の申告のない方に対して送ってきているからです。
「相続税についてのお尋ね」の書類自体に何か法的効果があり、回答しないことが直ちに罰則へつながるわけではないのですが、回答しないことで調査が進み、相続税の申告漏れが指摘され、無申告加算税などが発生し、通常より高い金額で納税することになる可能性もあります。
また、回答をしていく中で、自身で相続税が発生していることに気付ける場合もあります。
相続に関係のない場合無視してもよいか?
親の死後、「相続税についてのお尋ね」が届いた場合でも無視はしないでください。仮に自身は相続に関係ないと思っていても、気が付いていないだけで実は相続人となっている可能性があるからです。
相続に全く関係ない人に「相続税についてのお尋ね」が届くことは基本的にあり得ないことですし、基本的に子は親の相続において相続人となります。こういった場合、「相続税についてのお尋ね」に記入して回答するか、税務署に直接問い合わせて状況を確認するなどして絶対に無視をしないようにしてください。税務署側からの手違いを含め、無視をしても問題がないとは言い切れません。
また、相続財産が一切なかった、あるいは相続税が発生しないため自分では無関係だと思っている、という場合も同様に無視せず回答するようにしてください。
「相続税についてのお尋ね」が届いたら無視をしないこと
親の死後、相続が発生すると「相続税についてのお尋ね」という書類が届くことがあります。基本的にこの書類は相続に関係している人に送られてくるものであり、無関係だからと無視していると後から相続税関係のトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
もし、「相続税についてのお尋ね」という書類が届いたときは急ぎ書類に所定の事項を記載し、税務署へ回答をするようにしてください。
出典
国税庁 相続についてのお尋ね(相続税申告の簡易判定シート)
執筆者:柘植輝
行政書士