更新日: 2022.01.28 その他相続

姉が母の連れ子だと発覚! 財産はどう分けるべき?

執筆者 : 新井智美

姉が母の連れ子だと発覚! 財産はどう分けるべき?
父が亡くなった後、相続手続きを開始するにあたって戸籍を確認したところ、姉だと思っていた人が実は母の連れ子だったことを知ったら驚きますよね。その際、遺産分割はどのようになるのでしょうか?

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新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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連れ子には相続権はない

民法上によって定められている法定相続人の範囲として、まず配偶者が挙げられます。配偶者は常に法定相続人としての権利を有します。
 
そして配偶者との子どもが第1順位となり、子どもがいない場合は第2順位として、被相続人の父母もしくは祖父母に。被相続人がいない場合は、第3順位として被相続人の兄弟姉妹となります。
 
ただし、これらの場合において法定相続人となり得るのは、直系血族に限られます。したがって、配偶者が再婚相手だった場合、その連れ子に相続権はありません。
 
残された家族が母と姉そして自分だった場合、母と自分の2人が法定相続人となり、父の財産は母と自分の2人で均等に分けることになります。
 

連れ子である姉も財産を相続するためには?

姉は法定相続人ではないため、原則として父の財産を相続できません。ただし、父が生前に以下の方法をとっていた場合は、姉は父の残した財産を受け取ることができます。
 

■遺言書の作成

例えば父が「姉にも遺産のいくらかを相続させる」旨の遺言書を残していた場合は話が異なります。このケースだと相続ではなく遺贈という形になりますが、法定相続人の遺留分を侵害しない範囲で、姉に父が残した財産を渡すことができます。
 
ただし、このケースだと、相続税の基礎控除額を計算する際の法定相続人に姉の数は入れることができないため、残された財産の額によっては相続税の負担が大きくなることが考えられるほか、姉に対する相続税額が2割増しとなるので注意が必要です。
 

■養子縁組を行う

父が母の連れ子である姉と養子縁組を行っていた場合、姉は法定相続人になり得ます。法定相続人になり得る養子は、実の子がいる場合は1人まで、実の子どもがいない場合は2人まで法定相続人になることができます。
 
姉と自分以外に子どもがいても1人までは法定相続人として認められるため、姉と自分の2人兄弟だった場合、父の財産は母が2分の1、そして姉と自分が4分の1ずつの割合で相続ができます。
 

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養子縁組を行う際の注意点

遺言書の作成をもって、姉に財産を相続させることは可能ですが、相続税が2割加算されてしまうほか、遺言書の内容によっては相続人同士でもめる原因になる可能性も否定できません。
 
したがって、このようなケースであれば、養子縁組を行う方法が多くとられています。しかし、養子縁組には2つの方法があり、内容をよく理解しておかないと後々トラブルになりかねません。
 

■養子縁組の種類

養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があります。
 
<普通養子縁組とは>
普通養子縁組は、親子双方の合意によって成立します。戸籍には実の親の名前と合わせて養子(養女)と記載され、上に記載したとおり、法定相続人の権利を得ることができます。離縁する際も原則として養親・養子双方の合意があれば成立します。
 
ただし、養子縁組を行ったからといって、実の親との血縁関係が切れるわけではありませんので注意が必要です。
 
<特別養子縁組とは>
特別養子縁組は普通養子縁組と異なり、手続きや要件が厳しく設定されています。まず、特別養子縁組が成立するには、新しく親となる人が家庭裁判所に対して請求し、家庭裁判所の決定を待たなければなりません。
 
また、養子となる子は原則として15歳未満でなければならず、その養子縁組が子の利益のために特に必要があると認められる場合に成立します。
 
成立までに6ヶ月間の監護期間を要するほか、養子縁組が成立した際には実の親との血縁関係は終了することとなります。したがって戸籍には実の親の名前は記載されず、養子の続柄は「長男(長女)」などと記載されます。
 

まとめ

連れ子である姉は、父が遺言や養子縁組などの方法をとっていない限り、財産を受け取ることはできません。しかし養子縁組であってもそれが普通養子縁組の場合、姉は実の父の相続権も持っている点に注意しておかなければなりません。
 
したがって、養子縁組の場合は、母親の元配偶者の法定相続人がほかにどのくらいいるのかを把握し、元配偶者が亡くなった際にどのくらいの財産を受け取るかを加味しながら、最終的な遺産分割協議を進める必要があります。
 
離婚・再婚後の相続の問題は、このように複雑な問題に発展する可能性もあることを知っておき、自分たちの家族関係に心当たりがある場合は、事前に関係者の戸籍および法定相続人を確認するなどの対策をとっておくことが大切です。
 
出典
(※)厚生労働省「普通養子縁組と特別養子縁組について」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員