家族の葬儀、費用のために申請できる公的な給付・補助金の種類とは?

配信日: 2022.04.06

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家族の葬儀、費用のために申請できる公的な給付・補助金の種類とは?
家族が亡くなったときには、お葬式をあげるのが一般的です。葬儀の費用はどのような葬儀を行うかによって異なりますが、加入している健康保険などから給付金を受け取ることができます。
 
今回は、家族の葬儀費用の負担を削減するために申請できる給付金について紹介します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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国民健康保険加入者の場合

亡くなった方が国民健康保険の被保険者だった場合、市区町村の窓口に申請することで葬祭費が支給されます。
 
支給額は各市区町村によって異なりますが、例えば、東京都北区の場合は7万円です。
 
給付を受けるためには、葬儀を行った人(葬儀社が発行する領収書に記載されている名義人)が申請しなければなりません。さらに、申請の際には、以下のものが必要です。

・亡くなった方の国民健康保険証(返納する)
・葬儀費用の領収書(原本。ただし、確認後返還してもらえる)
・死亡診断書(写し)
・葬儀費用を支払った人の印鑑(シャチハタ不可)
・葬儀費用を支払った人の口座番号

申請後、葬儀代金を支払った人の口座に葬祭費が振り込まれます。申請には期限があり、葬儀を行った日の翌日から2年以内に行わなければなりませんので、注意が必要です。
 

健康保険加入者の場合

健康保険に加入していた人が亡くなった場合は、加入していた健康保険組合から埋葬料が支給されます。
 
支給される埋葬料の額は、加入していた健康保険によって異なりますが、全国健康保険協会(協会けんぽ)加入者であれば、上限を5万円として支給されます。申請する人の属性によって、埋葬料もしくは埋葬費と名称が異なる点が特徴となっています。
 
「埋葬料」は亡くなった方の家族に対して支給されるもので、「埋葬費」は亡くなった方に家族がおらず、埋葬を行った人に対して支給されるものです。
 
埋葬費の対象となるものは、実際に埋葬に関して要した費用となり、霊きゅう車の手配代や葬儀代のほか、僧侶への謝礼なども対象です。
 
申請の際には事業主の証明が必要ですが、それがもらえない場合は死亡診断書の写しなどで代用できます。また、家族が申請する場合は、生計を一つにしていたことの証明が必要です。
 
さらに、埋葬にかかった費用の領収書および明細書も必要ですので、準備しておきましょう。また、ケガや交通事故が原因で亡くなった場合は、「負傷原因届」や「第三者行為による傷病届」が必要になります。
 

■家族が亡くなった場合も支給される

社会保険の健康保険から支給される埋葬料は、本人だけではなく被扶養者である家族が亡くなった場合でも支給されます。
 
支給額は本人が亡くなったときと同じ5万円です。ただ、この場合は「家族埋葬料」という名目で支給が行われます。
 

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労災保険から給付を受けられる場合もある

亡くなった方が労災保険の加入者で、業務上もしくは通勤上の事故でなくなった場合、労災保険から葬祭給付(※)が支給されます。
 
葬祭給付は、原則として亡くなった人の遺族に支給されますが、社葬として葬儀を執り行った場合は、会社に対して支払われます。給付額は、31万5000円+(給付基礎日額×30日を超えた額)です。
 
もし、その額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額の60日分が支給されます。
 
請求は遺族が行いますが、その際には事業主の証明が必要です。そして労働基準監督署に対して請求を行い、支給決定通知を受けた後、厚生労働省から支払われます。
 
また、請求の際には医師の死亡診断書が必要になりますので、準備しておきましょう。なお、この請求にも期限があり、亡くなった日の翌日から2年以内となっていますので、当てはまる場合は早めに請求するようにしてください。
 

まとめ

原則として、生存中は必ず健康保険に加入しています。また状況によっては、労災保険に加入している場合もあるでしょう。
 
亡くなった原因や状況によって受け取れる給付や給付額は異なりますが、申請することで受け取れる給付金ですので、その内容を理解しておき、葬儀が終わった際には忘れずに手続きを行うようにしましょう。
 
逆をいえば、いずれも申請しないと受け取ることができませんので注意が必要です。
 
亡くなってから葬儀が終わるまでは何かと忙しく、そこまで気がまわらないこともあるでしょう。しかし、このような給付が受けられる点を知っておくと、安心できるのではないでしょうか。
 
また、亡くなった人が健康保険に1年以上加入しており、その資格喪失後国民健康保険に加入していた場合で、死亡日が国民健康保険加入から3ヶ月以内の場合は、健康保険から埋葬料が支給される点も覚えておきましょう。
 
さらに、交通事故などで相手方から補償を受け取れる場合などといったケースでは、国民健康保険からの葬祭費は支給されない可能性があります。
 
健康保険の資格喪失後3ヶ月以内であれば、健康保険からの支給となりますので、請求先を間違えないようにしてください。
 
出典
(※)
厚生労働省 葬祭料等(葬祭給付)について
全国健康保険協会
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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