更新日: 2022.04.20 その他相続
実家が空き家に。処分するにはどうすればいい?
今回は実家が空き家になったときにどうやって処分すればいいのか考えてみました。
執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)
夢実現プランナー
2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている
空き家問題の現状
総務省が5年に一度、「住宅・土地統計調査」を行っています。平成30年の最新のデータでは全国の空き家は848万8600戸、空き家率は13.6%となっています。40年前の昭和53年の空き家は267万9200戸、空き家率は7.6%と40年前に比べ平成30年の空き家の戸数は約3倍、空き家率は約2倍となっています。
空き家は今後も増加傾向にあると考えられ、日本の深刻な問題となっています。
※総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果より筆者作成
都市部では空き家になっても売却するという選択肢もあるでしょうし、相続した人が住むということも考えられます。しかし、地方に実家がある場合には、相続をしても誰も住むことなく老朽化してしまうというケースもあります。
不動産会社にそのまま売る
地域や場所、家屋の状態によっては、そのまま売るという方法もあります。
日本家屋の古い家は、古民家として購入したいという人もいますので、価格設定によっては、比較的早く購入希望者が現れるかもしれません。実家の近くの不動産会社に相談すると相場などが分かってくると思います。
また、家財などが残っている場合には、なかなか売れない可能性もありますので、費用はかかってしまいますが、買取業者に出してみると意外と買い取ってもらえる家財もあるかもしれません。
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リフォームをして売る
古い家屋であれば、いろいろな箇所が傷んでいる可能性もあります。特に風呂やトイレなど水回りは老朽化しやすく、古いものであれば嫌厭(けんえん)される可能性もありますので、リフォームを行って購入希望者が増えるような工夫も必要かもしれません。水回りのリフォームで費用もかかりますが、売り出し価格も高く設定できる可能性があります。
リフォームする際には、自治体の補助金がないか確認をしましょう。自治体によって改修費の一部に補助金が出ることもあります。せっかく使える制度があるのであれば、活用しておきたいですね。
空き家バンクに登録する
国土交通省の取り組みとして「空き家バンク」という制度があります。多くの自治体が窓口となり、家を売りたい人、貸したい人が登録をし、自治体のホームページなどで物件の掲載を行い、買いたい人や借りたい人に紹介するというものです。
空き家バンクでは、現状のまま掲載することも可能となっていますので、購入希望者が物件を確認し、家財などが残っていても購入する可能性もあります。
国土交通省のホームページに全国の地方公共団体等の空き家・空き地情報掲載サイトリンク集がありますので、参考にしてみるのもいいですね。
解体して土地を売る
もう古くて購入希望者も現れそうにない場合は、家屋を解体して土地だけを売るという方法もあります。その地域に住んでいる人が新たに家を建てて住むということも考えられます。
解体の費用が必要になりますが、家がない方が売れる可能性があるのであれば、検討してみるのも良いですね。
一般的には建物の延べ床面積に解体工事費用の坪単価を掛けることで解体費用が算出でき、木造建築であれば、1坪=3~5万円が相場となっており、延べ床面積が50坪であれば、150~250万円程度となります。
買取業者に売る
どうしても買い手がつかない場合には、不動産の買取業者へ売るという方法もあります。
不動産仲介と違い不動産会社が転売を目的に購入しますので、仲介に比べ売却価格は低くなる可能性も考えられますが、早く処分をしたいのになかなか購入希望者が現れない場合は、買取業者へ相談することも考えましょう。
まとめ
地方や郊外にある実家が空き家になってしまった場合、ニーズのある地域であれば比較的早く売ることができると思いますが、なかなか買い手がつかないというケースもあると思います。
少しでも早く買い手が見つかるような工夫も必要になります。状況なども把握している、空き家のある地域の不動産会社や自治体に相談してみることも考えておきましょう。
出典
総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果
国土交通省 全国地方公共団体空き家・空き地情報サイトリンク集
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー