更新日: 2022.05.24 相続税

3ヶ月過ぎても相続税の申告をしなかった場合、どんなペナルティーが課せられる?

3ヶ月過ぎても相続税の申告をしなかった場合、どんなペナルティーが課せられる?
遺産を相続する場合、相続税の申告をして税金を納めるまでの期限が法律で定められています。申告の期限を過ぎてしまうとペナルティーが課せられてしまうので、遺産を相続し、相続税が発生する可能性がある方は、気をつけなければいけません。
 
では、相続税の申告期限までにはどれくらいの期間があるのでしょうか? 相続の開始から3ヶ月過ぎると、ペナルティーが課せられてしまうのでしょうか? 相続税の申告期限について詳しく見ていきましょう。

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3ヶ月以内に相続税の申告をしなければならないわけではない

「相続税の申告は、遺産を相続することが分かってから3ヶ月以内に行わなければならない」と耳にすることがあります。
 
しかし実は、相続税の申告をする期限は3ヶ月ではありません。必要な書類をそろえたり、遺産を相続する親族と話し合いをしたりして、相続税の計算を済ませるには、さすがに3ヶ月では短すぎるでしょう。
 
では、正しい相続税の申告期限はいつなのでしょうか?
 

相続税の申告・納税期限は10ヶ月

亡くなった親族などから財産を受け取った場合、相続税の申告をして税金を納める必要があります。その申告の期限は、10ヶ月です。
 
具体的には、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行わなければなりません。死亡したことを知った日の翌日が、相続の開始になります。
 
例えば、4月10日にその事実を知ったのであれば、4月11日が相続の開始となり、翌年の2月10日が申告期限になるわけです。なお、申告期限が土日祝日になる場合は税務署が休日のため、翌営業日が期限になります。
 

遺産相続を放棄する場合の申告期限は3ヶ月

それでは、相続税の申告期限3ヶ月という情報は、全くの間違いなのでしょうか? 実は、「3ヶ月」は相続税の申告で重要な期限のひとつです。遺産の「相続放棄」もしくは「限定承認」を申告する期限が3ヶ月なのです。
 
親族などが亡くなった場合に相続する遺産は、お金や不動産などの資産だけではありません。遺産として借金が残される場合もあります。たとえ親の借金だとしても、高額の借金を相続してしまうと自分自身の生活が破綻してしまう危険があります。それを避けるために、遺産の相続人となっている人には、遺産を放棄する権利が与えられているのです。
 
遺産相続を放棄する場合、相続の開始から3ヶ月以内に相続放棄の手続きをしなければなりません。期限を過ぎてしまうと、たとえ高額の借金が残されていたとしても、すべて相続しなければならなくなってしまいます。3ヶ月という相続放棄の申告期限は、実はとても重要なポイントなのです。
 

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相続税の申告期限(10ヶ月)を過ぎた場合のペナルティー

相続税の申告期限である10ヶ月を過ぎても申告と納税が行われないと、ペナルティーが課されます。
 
相続税の申告が遅れてしまった場合のペナルティーは2種類あります。ひとつは、申告が遅れたことに対する「無申告加算税」、もうひとつは、納税が遅れたことに対する「延滞税」です。
 
この2つのペナルティーについて具体的な内容を見ていきましょう。
 

期限内に申告しなかった場合は、無申告加算税がかかる

相続税の申告期限が過ぎてしまうと、5~20%の「無申告加算税」が課税されます。
 
期限が過ぎたことに自分で気づいて自主的に申告する場合、無申告加算税は相続税の税額の5%になります。しかし、税務署から指摘されて申告する場合は、無申告加算税は、相続税の税額の15%。さらに、相続税額が50万円以上ある場合は、50万円以上の部分については20%という無申告加算税が課せられます。
 
このように、万が一相続税の申告が遅れてしまった場合は、自分から申告することでペナルティーをより少なくおさえることができます。
 

期限内に納付しなかった場合は、延滞税がかかる

相続税の申告期限までに相続税を納付しないと、延滞税が課税されます。相続税の申告も終わっていない場合は、無申告加算税と延滞税の両方を支払わなければなりません。
 
延滞税は、相続税申告期限の翌日から経過した日数によって税額が決まります。延滞税の税率は毎年改定され、令和4(2022)年は、期限の翌日から2ヶ月以内は2.4%、2ヶ月以降は8.7%となっています。延滞期間が長くなるほど、ペナルティーが大きくなっている点に注意が必要です。
 

遺産を相続することが分かったらできるだけ早く手続きを進めることが大切

遺産相続について、2つの重要な期限は次のとおりです。

相続税の申告と納税をする期限は10ヶ月

相続放棄や限定承認を申告する期限は3ヶ月

 
遺産相続には、相続分割の話し合いや書類の準備のためにどうしても時間がかかってしまいます。また、具体的な調査をするまで、遺産が資産なのか借金なのか判断できない場合もあります。
 
期限を過ぎてペナルティーを課されたり、借金を相続してしまったりするような事態を避けるためには、遺産を相続することが分かったらできるだけ早く準備をして、申告の手続きを行うことが大切です。
 

出典

国税庁 [手続名]相続税の申告手続
国税庁 No.4205 相続税の申告と納税
国税庁 延滞税の計算方法
国税庁 延滞税の割合
国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部