更新日: 2022.05.25 贈与
【非課税】「配偶者間?」「財産分与?」贈与税のかからない見逃しそうなあんな財産、こんな財産
一方で保険金の負担者以外が保険金を受け取った場合は贈与財産とみなされ贈与税の対象財産となります。
ここでは、贈与税のかかる財産、かからない財産について説明します。
執筆者:宮本建一(みやもと けんいち)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
贈与税って何にかかるの?
個人が個人から財産の贈与を受けた場合、財産の贈与を受けた個人に対し贈与税がかかります。贈与に際し注意したいケースのひとつとして、保険金の受け取りがあります。
保険金の受け取り
保険金の受け取りについて、次の2点が考えられます。
自分以外の人が負担していた生命保険の満期金を受け取った場合
保険料を被相続人や自分以外の人が負担していた生命保険の死亡保険金を受け取った場合
国税庁の見解では、保険料を負担していない人が、満期または解約、あるいは被保険者の死亡により生命保険を受け取った場合、保険料を負担した人から生命保険金の贈与があったと考えます。したがって、受け取った保険金は贈与税の対象となります。
また、被保険者の死亡により受け取った生命保険金のうち、被保険者が保険料を支払っていた場合は、相続税の対象となります。
その他
注意したいケースとして、
借金を免除や肩代わりしてもらった場合
著しく低い金額で財産を取得した場合
その他経済的な利益を受けた場合
があります。
贈与税の対象外には何がある?主な非課税財産になる7パターン
贈与を受けるとほとんどが贈与税の対象となります。 暦年贈与のうち年間110万円までは基礎控除の範囲であるため非課税ですが、ほかにも非課税となるケースがあるのでしょうか。
法人から贈与された場合
相続税法第21条の3の1項(贈与税の非課税財産)において、法人からの贈与により取得した財産には贈与税はかかりませんが、一時所得とみなされ、所得税が課税されます。
特定贈与信託(特定障害者扶養信託契約)の信託受益権
特定贈与信託とは、障がいをもっている人の生活の安定を図るため、信託銀行などに資金などの財産を預け、信託銀行が財産を管理することです。信託銀行は定期的に受益者である障がいをもっている人に定期的に金銭を交付します。この場合も贈与が発生しますが、受益者が以下に該当する場合は一定額までは非課税となります。
・特別障害者の場合 6000万円まで
・特別障害者以外の特定障害者の場合 3000万円まで
特別障害者とは、重度の心身障がい者が該当します。また、特別障害者以外の特定障害者とは、中軽度の知的障がい者および障害等級2級または3級の精神障がい者等が該当します。
贈与税の配偶者控除で2000万円まで非課税
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。
住宅取得資金等の贈与で最大1000万円まで非課税
直系尊属からの贈与により、「住宅取得等資金」を取得した場合において、一定の要件を満たす場合、省エネ等住宅の場合には1000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。
教育資金の一括贈与で1500万円まで非課税
30歳未満の受贈者が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属から信託受益権を取得した場合、1500万円まで非課税となります。しかし、書面等のやりとりが煩雑なので注意が必要です。
結婚・子育て資金の一括贈与で1000万円まで非課税
18歳以上50歳未満の受贈者が、結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属から信託受益権を付与された場合、1000万円まで非課税となります。教育資金の一括贈与同様、書面でのやりとりに注意が必要です。
その他
・扶養義務者から生活費や教育費として贈与されたもののうち、通常必要なもの
・社交上必要な香典、祝金見舞金など
・離婚に際しての財産分与、その他
などが非課税となります。
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まとめ
贈与財産の課税、非課税の把握は贈与側、受益側双方にとって大事な認識事項です。
お金の使いみちが明確であれば非課税となるケースもあるので受益者の経済的負担が軽減できるよう、贈与する側は十分検討して行動されることをおすすめします。
出典
e-Gov法令検索 相続税法
国税庁
信託協会
執筆者:宮本建一
2級ファイナンシャルプランニング技能士