【ペットは相続可能?】飼い主の死後ペットはどうなるの?
配信日: 2022.05.25
そのような不安を解消するため、本記事では、ペットの相続にまつわる話、ペットを守る方法などを解説します。
執筆者:八木友之(やぎ ともゆき)
宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター
ペットを相続人に相続してもらうことはできるの?
家族同様に大事なペットに対しての言葉としては抵抗があるかもしれませんが、ペットは民法上「物」という扱いになります。そのため、ペットを相続財産として相続人に相続させることは可能です。ペットは種類や健康状態などにより相続財産としての価値が付けられるため、金銭的価値があるものとして相続対象となります。
ペットに財産を渡すことはできるの?
前述の通り、ペットは「物」扱いになりますので、ペット自体に財産を相続させることはできません。
どうしてもペットに財産を相続させたい場合は、負担付遺贈を行うとよいでしょう。
負担付遺贈とは財産を受け取る方に対し、一定の給付をなすべき義務を負担させる遺贈です。つまり、相続人にペットを相続してくれるなら、相続財産を増やして渡すので代わりにペットを飼育してください、ということをするわけです。
このようなお願いをするためには、事前に遺言を作成し、負担付遺贈の内容を記載しておく必要があります。遺言も作成せずに亡くなってしまうと、通常通りの相続が実行されるため負担付遺贈が行えません。
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ペットの相続放棄が想定される場合の対策
ペットを相続人に相続させることはできますが、相続人がペットの相続を拒否することもあります。相続人には、相続財産を相続しないという権利があるためです。相続を放棄されてしまうと、最終的にペットは国の所有物となり、最悪の場合、殺処分されることもあります。相続放棄されてもよいように、次のような対策も考えておきましょう。
NPO団体などにペット信託を行う
NPO団体などに毎月金銭を支払い、信託財産として管理してもらいましょう。飼い主に万が一のことがあった場合でも、飼育費用(信託財産)を預けてあるためNPO団体などがペットの飼育を継続してくれます。
老犬・老猫ホームに預ける
ペットを飼育できなくなった場合に、一時的に預かってくれる施設です。飼い主に万が一のことがあった場合には、里親を探してくれることがあります。預けたペットをどのように取り扱う施設なのか、確認してペットを預けましょう。
まとめ
ペットと飼い主ともに高齢となった場合、どちらが先に亡くなるかは分かりません。近年は、ペットフードやペット病院の質が向上してきているため、ペットの寿命も延びてきています。自分が先立った場合、残されたペットを安心して託せる適切な相続方法や相続放棄対策を準備しておく必要があります。家族の大切なペットを自分の死後に悲しませることのないよう、しっかりとペットのことを考えておきましょう。
出典
e-Gov法令検索 民法
執筆者:八木友之
宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター