更新日: 2022.07.12 相続

お墓問題に向き合う ~最近の樹木葬とは〜

お墓問題に向き合う ~最近の樹木葬とは〜
後継者がいないことで、お墓問題に頭を悩ませている家庭は多いです。ニーズに応える形で、永代供養墓のバリエーションも増加傾向にあります。実際にかかる費用や契約の流れなどを、筆者が実際に体験した樹木葬の事例から深堀します。
 
注意:本稿はあくまで筆者の体験による一例です。詳しくは各寺院等にご確認ください。
 
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

筆者の実体験 ~樹木葬も多様化の時代~

筆者は妹と2人姉妹で、ともに結婚しています。父が次男なので本家のお墓に入ることなく、後継者のないお墓問題を抱えてきました。すでに母も他界していますので、両親の遺骨をどこに納めるのかは、数年来の悩みの種でした。
 
東京圏に住んでいますので、今どきのロッカー式のような永代供養墓を検討していましたが、実家は関西にあり、関東になじみのない両親をこちらに連れてきて良いのかと思案する気持ちがありました。もちろん、お参りのしやすさを思うと、今の住居の近くに納める考え方も有力です。決め手がないまま年月ばかりが過ぎていました。
 
2021年に本家のお墓参りをした際に、菩提(ぼだい)寺に樹木葬のパンフレットを見つけました。お寺は大阪の中心に位置しています。樹木葬といえば里山や郊外のイメージがありましたので、意外でした。見れば敷地内の一角が整備され、小ぶりの墓標が並んでいます。土に還るという意味では、これも樹木葬なのだと思いました。
 

お墓を購入するまでの経緯

本家のお墓と同じ寺院の敷地内ということが決め手となり、ここに納骨することに決めました。私たちもなじみ深く、父にとっても両親や兄の近くで安心です。
 
参考までに、この樹木墓地のパンフレットには下記のような記載がありました。
 

■お寺が運営管理する樹木葬なので、永代にわたり供養される
■家族一緒に土の中に安置できる
■契約日から50年間、家族ごとに個別に供養できる
■50年後は観音様のお膝元に合祀(ごうし)され、お寺で永代供養される

 
筆者が選んだ寺では、遺骨は骨つぼではなく納骨袋に入れて埋葬するそうです。「ペットは家族」という世相を反映し、ペットも一緒に納められる区画もありました。
 
納骨場所が決まった後は、契約まで次のような流れとなりました。
 

(1) 区画された場所で、希望の位置を決めます。

この寺院の場合、納骨の数により1霊区間・2霊区間・5霊区間の3種類が用意されていますが、納骨数の少ない区間は完売していて、5霊区間から選ぶことになりました。5霊区間も位置により志納料(永代供養料・墓地使用料)は50~80万円と幅がありました。通路から近くて石碑を触りやすい場所や、シンボルとなっている観音像に近い場所は高額になっています。
 

(2) 場所が決まったら、石碑を選びます。

従来のお墓の縮小版のような形をした縦型のタイプと、平板の丸形のタイプに大別されます。値段は約15万~65万円で、石の素材や形で違ってきます。
 

(3) 石碑を選んだら、次は刻銘をどうするかです。

従来なら「●●家之墓」のように縦書きでしたが、平板の場合は横書きもあります。また「●●家」ではなく、「●●(名字)」と表札のように「家」をつけない墓標も半数近くありました。「絆」や「ありがとう」など、名前にこだわらず好きな刻銘にすることもできます。
 
せっかくだからと、趣向を凝らした墓標にする場合はオプションが用意されていて、絵柄や家紋を別料金で入れることもできます。
 
上記以外にかかる費用として、護持費が年間3000円(50年分一括払い7万5000円)かかります。
 

(4) (1)~(3)が決まれば契約となります。

その際にご住職と面談があり、石碑が完成したらいよいよ納骨です。最近では宗教不問で受け入れてもらえる墓地もあり、この寺院もそれ該当します。ご住職とお話して供養をお願いすることで、安心感が得られました。
 
(※ 上記の金額は筆者の体験によるものです。実際の金額は各寺院等にご確認ください)
 
もちろん、「お寺が運営しているから安心」といっても、存続できずに破綻した寺院もありますので、慎重に場所を選ぶことは重要です。
 
筆者の場合、「奥の敷地に樹木葬ではない永代供養墓があります」と案内された区画がありました。この寺院の歴史は古く、おそらく無縁仏ではないかと思われる朽ちた墓石もあります。その場所を別のタイプの永代供養墓に整備しているとの説明でした。
 
このたびの体験により、家族のあり方の多様化に伴い、これまでの寺院やお墓の概念も急速に変化していることを感じました。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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