更新日: 2022.09.12 その他相続

永代供養は永久ではない!? 契約期間が過ぎた遺骨はどうなる? 費用はどのくらい?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

永代供養は永久ではない!? 契約期間が過ぎた遺骨はどうなる? 費用はどのくらい?
墓の継承などが社会問題になるなか、霊園や寺院に遺骨の管理や供養を任せられる「永代供養」に関心がある人は多いのではないでしょうか。永代供養とは、文字から受ける印象とは異なり、期間を定めて遺骨の供養や管理を委託する仕組みです。
 
本記事では、永代供養の概要や契約期間終了後の遺骨の取り扱い、埋葬スタイル別の費用相場をかんたんにまとめました。永代供養を検討している人は、ぜひチェックしてください。
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永代供養とはどのような供養方法?

 
永代供養とは、墓地・霊園の管理者に遺骨を預け、日ごろの供養や管理を委託する埋葬方法をいいます。主に次のような人にニーズのある埋葬方法です。
 

●お墓を建てても、子どもがいないなど次代以降の継承者がいない
●子どもや子孫に管理の負担をかけたくない
●高額の費用を負担してまで墓を建てる必要性を感じない
●先祖代々の墓に入りたくない

 
永代供養には大きく次の3つのスタイルがあります。
 

●個別安置方式:墓石など個別の墓標を建てて遺骨を安置する方式。一般的な墓と異なり、使用権は一代限り
●集合安置方式:墓標を建てず、遺骨を入れた骨つぼをほかの人と同じスペースに安置する方式
●合祀(ごうし)方式:遺骨を骨つぼから出して、供養塔などの専用スペースにほかの人の遺骨と混ぜて安置する方式

 

永代供養の契約期間は永久ではない

 
「永代」という字面から勘違いされがちですが、永代供養は一般的に、永久に遺骨の供養・管理を委託できる契約ではありません。あくまでも契約で定められた一定の期間について、遺骨の供養および管理を依頼するものです。
 
契約期間は墓地・霊園によって異なりますが、17回忌、33回忌、50回忌などを区切りとして遺骨の安置期間が終了する場合がほとんどです。そのため契約時には、安置期間がどのくらい設定されているのかをしっかり確認しましょう。
 
契約に定められた遺骨の安置期間が経過したあとは、個別の安置スペースや骨つぼから遺骨が移され、ほかの人の遺骨と混ざった状態で供養する「合祀」となるのが一般的です。通常は、合祀になったあとも供養は継続して行われます。また、安置期間が経過したあとは、それまで管理費などを定期的に負担していた場合も、費用を負担する必要がなくなります。
 
なお、合祀になったあとも命日や年忌の法要は執り行えますが、その際にはお布施や法要の費用が別途に必要です。
 

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永代供養の費用相場

 
永代供養の費用は、埋葬のスタイルなどによって異なります。おおよその費用相場は次のとおりです。
 

●個別安置方式:30~150万円
●集合安置方式:10~60万円
●合祀方式:5~30万円

 
一般的には個別安置方式が最も費用が高く、墓標の種類や個別安置期間の長さなどプランによっては150万円程度かかります。
 
次に費用が高いのは集合安置方式で、個別スペースに安置できる家族の人数や装飾の種類などによって、10~60万円ほどが相場です。最も費用が低いのが合祀方式で、10万円以内で収められる霊園や墓地も多くあります。
 
永代供養の費用はいずれのスタイルでも、一般的な墓と比べて安い傾向にあるのが大きな特徴です。特に墓石の購入や設置工事をする必要がなく、広い土地も不要な集合安置方式や合祀方式では、墓を建てる場合の10分の1以下の費用しかかからないケースも珍しくありません。
 
また、継続して管理費用を支払う必要がない施設が多いのも、永代供養の特徴です。
 

永代供養は費用が抑えやすいが個別供養の期限がある

 
永代供養は、一般的なお墓と比べて埋葬費用が低い傾向にあります。ただし、永久に個別に供養してもらえるのではなく、契約に定められた期間が経過するとほかの人の遺骨と混ぜて埋葬する合祀に移行するので、そこにこだわる人には向いていません。
 
合祀に抵抗がないのであれば、さまざまな理由で墓を持ちたくない人や埋葬費用を極力抑えたい人にぴったりの埋葬方法といえるでしょう。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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