更新日: 2023.02.24 その他相続

口座の名義人が亡くなった。銀行口座は凍結されるの? 凍結されたときの対処法は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

口座の名義人が亡くなった。銀行口座は凍結されるの? 凍結されたときの対処法は?
口座名義人が亡くなると、その名義人の銀行口座は凍結されることをご存じでしょうか。
 
金融機関が口座名義人の死亡を確認すると口座は凍結され、預金の引き出しなどはできなくなります。公共料金の引き落としもできません。銀行口座が凍結される理由や対処法を把握し、事前に備えておくことが大切です。
 
本記事では、名義人が亡くなった場合に銀行口座が凍結される理由や口座凍結後の対処法について解説します。
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名義人が亡くなると銀行口座は凍結される

銀行口座は、金融機関が口座名義人の死亡を確認すると凍結されます。凍結された銀行口座からは、原則として預金の払い戻しなどはできません。出金だけでなく、公共料金の引き落としも停止されるため注意が必要です。
 
たとえ亡くなったのが親で、その家族であっても凍結後の口座から自由にお金を引き出すことはできません。凍結した口座を利用するには、一定の手続きが必要です。
 

銀行口座が凍結される理由

口座名義人が亡くなったときに銀行口座が凍結されるのは、遺産相続を円滑に進めるためとされます。銀行口座を凍結しなければ、口座名義人が亡くなった際に相続財産が確定せず、もめごとやトラブルが起きる可能性が高くなります。
 
ここでは、銀行口座が凍結される理由について見ていきましょう。
 

相続財産を確定させるため

口座名義人が亡くなったときから、法律上の相続が開始となります。口座預金は口座名義人(被相続人)の相続財産であり、誰かが口座のお金を勝手に引き出さないように凍結され、相続財産を確定させます。
 
そのため、遺族であっても口座からお金を引き出せません。被相続人の相続財産の線引きを明確にするために、金融機関によって口座は凍結されます。
 

相続におけるもめごと・トラブルを防ぐため

相続開始前に「遺族の誰かが口座からお金を全額引き出した」「家族の一人が口座預金の一部を引き出して使ってしまった」などが起きると、遺族間または銀行も含めた相続トラブルに発展する可能性があります。
 
そのようなもめごとやトラブルを回避するために、口座が凍結されます。口座が凍結されると引き出し・引き落としができないため、もめごとやトラブルを防ぐことが可能です。
 

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銀行口座が凍結した後の対処法

銀行口座が凍結しても、銀行に口座凍結解除を依頼すれば、一定額のお金を引き出せます。また、相続預金の払戻制度を活用する方法もあります。
 
本項では、銀行口座が凍結した後の対処法について見ていきましょう。
 

銀行に口座凍結解除を依頼する

銀行口座が凍結した場合は、銀行に口座凍結の解除を依頼しましょう。銀行に連絡して口座凍結解除の旨を伝えると、手続きに必要な書類が提示されます。
 
例えば、遺言書がなく遺産分割協議書がある相続の場合の主な必要書類は、次のとおりです。

・遺産分割協議書
・戸籍謄本
・印鑑証明書
・通帳

※金融機関によって異なる場合あり

手続き完了後、1〜2週間程度で銀行口座凍結が解除されます。
 

払戻制度を活用する

遺産分割前の相続預金の払戻制度を利用すると、遺産分割前でも一定額までなら被相続人の銀行口座からお金を引き出せます。相続預金の払戻制度で引き出せる金額の上限は、以下2つのうち低いほうの金額となります。

・相続開始時の預金額×法定相続分×1/3
・150万円(同一金融機関)

必要な書類は、金融機関によって異なります。上限以上の金額を引き出す場合は、家庭裁判所の仮処分が必要になるので注意してください。
 

銀行口座凍結前にやっておきたいこと

銀行口座凍結前にやっておきたいことは、以下の2点です。

・口座名義人が利用する金融機関と通帳、印鑑の保管場所を確認しておく
・事前に一定額の預金を引き出しておく

口座名義人が利用する金融機関などを把握していないと、どれだけの相続財産があるかが分からず、相続財産の確定・遺産分割などが難しくなります。通帳や印鑑の場所も生前に確認しておきましょう。
 
また、事前に一定額の預金を引き出しておけば、葬儀費用や生活費など足りないなどということが起きたときに、慌てて相続預金の払戻制度を申請しなくて済みます。
 

名義人が亡くなると銀行口座は凍結される。手続きや対処は早めに動こう

口座名義人が亡くなったことを金融機関が確認した時点で、銀行口座は凍結されます。相続財産を確定して、相続トラブルなどを回避するためです。
 
口座凍結後に預金を引き出したい場合は「銀行に凍結口座の解除を依頼する」「払戻制度を活用する」の2つの方法があります。名義人が亡くなった際に、円滑に口座管理や遺産分割協議を行うためにも、名義人の銀行や通帳の保管場所を把握しておきましょう。万一の場合に備えておくことが大切です。
 

出典

一般社団法人 全国銀行協会 ご存知ですか? 遺産分割前の相続預金の払戻し制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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