更新日: 2023.06.28 贈与
祖母から結婚資金として「300万円」もらいました。税金ってかからないんですか?
ただし、資金の使い方次第では課税対象となることがあるため、注意が必要です。本記事では、非課税制度や適用条件、手続きの方法などについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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結婚資金には基本的に税金はかからない
通常、両親や祖父母から資金の援助を受けると、基礎控除をのぞいた金額に対して贈与税がかかります。ただし、結婚資金の場合は、一定の条件を満たせば300万円まで非課税です。
これは、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」が適用されることによります。この制度は2023年3月31日で終了する予定でしたが、2025年3月31日まで延長されました。
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」とは、親や祖父母が子どもや孫に結婚・子育て資金を贈与した場合に、一定額が非課税になる制度です。子育て資金であれば1000万円、結婚資金であれば300万円まで課税されません。制度の適用条件は以下のとおりです。
・贈与者:両親や祖父母などの直系尊属。叔父や叔母、兄弟などは対象外。
・受贈者:18歳以上50歳未満の子や孫で、贈与を受ける前年度の合計所得金額が1000万円以下の人。
上記の条件を満たしている場合、祖母が孫に結婚資金として300万円を渡しても、税金は発生しません。
結婚資金として使わない場合は税金が発生する
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」が適用されるのは、贈与された結婚資金を結婚式関連か新居関連、転居関連で使う場合に限ります。具体的に該当するのは、以下の費目です。
・結婚式関連:挙式や結婚披露宴を開催するための費用(会場費、衣装代、飲食代、引き出物代、演出にかかる費用、招待状などのアイテムにかかる費用など)
・新居関連:結婚を機に夫婦で新たに物件を借りるための費用(賃料、敷金、礼金、共益費、仲介手数料、契約更新料など)
・転居関連:結婚を機に新居に転居するために必要な引っ越し費用
結婚資金を次のような用途で使用した場合は、非課税にならないため注意しましょう。
・結婚前の両家顔合わせでかかった費用や婚約指輪・結婚指輪の代金、ブライダルエステ代、新婚旅行の費用
・新居に移り住むにあたって新規購入した家電や家具などの代金
贈与された結婚資金を使用せずに貯金した場合も課税対象となります。
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結婚資金の非課税制度の手続き方法
非課税制度の利用にあたっては、金融機関での手続きが必要です。表題のケースでは、贈与者である祖母が金融機関に出向き、「結婚・子育て資金非課税申告書」を提出して「結婚・子育て資金管理契約」を締結します。
その後、受贈者である孫の名義で専用口座を開設し、300万円を一括で入金するかたちです。受贈者は、結婚資金として口座のお金を使うたびに、金融機関に対して領収書などの必要書類を提出する必要があります。
口座残高がゼロになった時点や受贈者が50歳になった時点で、契約期間は終了です。契約期間中に祖母が亡くなった場合、口座に残った金額は相続による取得とみなされます。残額によっては相続税が発生するため、注意しましょう。
祖母から受け取った結婚資金は300万円まで非課税になる
祖母から結婚資金を受け取った場合、300万円までであれば「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が適用されて課税されません。
ただし、非課税となるのは、資金を結婚式や新居の費用として使ったケースに限ります。それ以外の目的で使用したり、使わずに貯金したりした場合は課税対象となるので、注意しましょう。
出典
国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
内閣府 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置に関するQ&A
内閣府 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー