更新日: 2023.07.15 相続税

「100万円」のタンス預金があります。違法と聞いたことがあるのですが、悪いことなのでしょうか?

「100万円」のタンス預金があります。違法と聞いたことがあるのですが、悪いことなのでしょうか?
タンス預金とは銀行などにお金を預けるのではなく、自宅にまとまった現金を保管しておくことです。タンス預金は、単にお金を自宅に保管するという行為なので、特に悪いことではないように思えます。しかし、ネットなどを見ると、タンス預金は問題があると言及されることもあり、不安に思う人もいるでしょう。
 
本記事では、タンス預金が悪いと言われる理由や、メリット・デメリットについて解説します。

タンス預金という行為自体は悪いことではない

まず前提として押さえておきたいのは、タンス預金自体は悪いことではなく、もちろん違法でもないという点です。自宅でお金をためておいたからといって、誰かに後ろ指をさされるようなこともありません。では、なぜタンス預金を問題視する声や悪いと言及されることがあるのでしょうか。
 

タンス預金は税務署にばれる?

タンス預金が違法になるのは、相続税や贈与税対策として使ってしまうような場合です。「銀行に預けていないからばれないだろう」と、申告の際にタンス預金のお金を申告せず脱税を試みれば違法になります。逆に言えば、きちんと申告して納税するならば、タンス預金という行為自体は悪いことではないのです。
 
例えば、100万円といった高額のタンス預金を相続税申告時に隠すと、高い確率で税務署にばれます。税務署は専用のシステムを使い、個人の所得や不動産、株式取引、生命保険、年金の受給状況といったお金の流れを把握できるのです。もし、相続税の申告額が不自然に少なければ、税務署は「どこかにお金を隠している可能性が高い」と考え税務調査を行います。
 
税務調査でタンス預金の申告漏れがばれると、「過少申告加算税」や「延滞税」といったペナルティーが科せられ、本来よりはるかに高い税金を支払うことになります。
 

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まとめ

タンス預金には、「ATMなどで引き出す必要がなく、好きなときに使える」「銀行の破綻などから資産を守れる」などのメリットがあります。一方で、火災や地震などの災害や盗難被害で失われる可能性や、お金が増やせないといったデメリットがある点には注意が必要です。
 
また、タンス預金を相続税対策の手段として使い、相続税の申告時に財産を隠すのは違法です。相続税対策したいなら、法律のルール内でもっとよい方法があります。
 
例えば、被相続人が被保険者となる、一時払い終身保険に加入するのも1つの方法です。一時払い終身保険とは、契約時に保険料を一括払いする生命保険を指します。
 
生命保険の保険金は、相続人1人あたり500万円まで非課税にできるので、100万円前後の額なら合法的に節税が可能です。一時払い終身保険であれば、支払った保険料より多くの保険金を相続人が受け取れる場合も多くなっています。
 
タンス預金自体は悪いことではありませんが、申告の必要やリスクを負うことにもなるので、慎重に検討しましょう。
 

出典

国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
 
執筆者:小泉健太郎
FP2級

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