更新日: 2023.07.31 相続税
親の自宅から「現金100万円」を発見! タンス預金に税金はかかる? トラブルのもとになる場合もあるって本当?
数万円程度ならまだしも、数十万円、数百万円などの現金を見つけた場合は、「これには税金がかかるのだろうか? 」と疑問に思う人もいるかもしれません。本記事では、タンス預金と税金の関係、注意すべき点について解説します。
執筆者:辻本剛士(つじもと つよし)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種
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タンス預金も課税対象になる
タンス預金とは、文字通り自宅のタンスや引き出し、ベッドの下などに保管されている現金を指します。通常の銀行預金とは異なり、自宅に保管されている「へそくり」のような秘密の貯金も含まれます。
タンス預金ですが、実は贈与税や相続税の課税対象となるのです。例えば、両親が亡くなり、自宅の整理をしていた際に100万円のタンス預金を発見したとします。この場合、100万円は相続税の課税対象となります。
そのため、タンス預金を発見した場合はその事実を速やかにすべての相続人に伝え、遺産分割の一部として考慮しなければなりません。
また、相続税の申告も忘れずに行う必要があるでしょう。適切に手続きを行わないと、後から税務調査などでタンス預金が発覚した際に、追加の税金や罰金を支払う可能性があります。
ただし、相続税には基礎控除が設けられていて、総額が(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超えない場合は課税されません。
過度なタンス預金はトラブルのもとになる
前述のようにタンス預金は課税対象になるため、発見してから相続人や税務署に報告しなければならず手間もかかってしまいます。そのため、自身のタンス預金に関しても極力控えておいたほうがよいでしょう。
もちろん、緊急を要するときなどを考えた際に、ある程度の現金は置いておいたほうがよいかもしれませんが、過度なタンス預金はおすすめできません。災害時には損失するリスクや盗難にあう可能性があります。一番避けたいのは遺産相続のトラブルです。
タンス預金は銀行預金とは異なり、具体的な記録が残りません。そのため、遺産の価値を正確に評価するのは難しいことがあります。その結果、遺産の分配について不明確さや不公平感が生じ、相続人間でトラブルに発展する場合があります。
そのほかにも、タンス預金は本人以外が知る機会は少ないため、すぐには見つけられない場合が多いです。そのため、一部の相続人が他の相続人より先に見つけて独占してしまい、後から発覚してトラブルになる場合もあります。
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現金はきちんと預金口座に入れておきましょう
タンス預金は、贈与税や相続税の課税対象になります。もし相続時にタンス預金を発見した場合は、速やかにすべての相続人に伝え、相続トラブルを事前に防ぐようにする必要があります。
さまざまなトラブルを防ぐため、手元に置く現金は緊急用に対応できる分だけを置くようにしておきましょう。また、当たり前ですがタンス預金に利息は発生しないため、その他の資金は、銀行預金や証券口座に預け入れて管理または運用するとよいでしょう。
出典
国税庁 No.4152 相続税の計算
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種