直葬の費用は一般葬の5分の1。直葬でも忘れてはいけない最低限のマナーは?

配信日: 2023.08.02

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直葬の費用は一般葬の5分の1。直葬でも忘れてはいけない最低限のマナーは?
近年、葬儀に対する考え方の多様化が進んでいます。一般葬ではなく家族葬を選択する人も増えており、葬儀に対する価値観が変化していることが示唆されます。
 
このような状況下で注目されているのは「直葬」です。直葬とはどのような葬儀を指し、従来の葬儀と異なる点は何なのでしょうか。気になる直葬を行う場合の費用や、知っておきたいマナーについても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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「直葬」ってどんな形の葬式なの?

一般的に、葬儀は臨終のあと「通夜」「告別式」「火葬」といった流れで執り行われます。
 
一方で直葬は、通夜や告別式を行わずに「火葬のみ」行う方式です。通夜や告別式を行わない分、葬儀費用が安価になる点が最大のメリットです。
 
なお、近年聞かれることの多い「家族葬」は、出席者の範囲を親族や親しい友人などに限るタイプの葬儀です。式の内容は、一般葬も家族葬も変わりはありません。
 

直葬の費用は「家族葬の3分の1」「一般葬の5分の1」

葬儀費用を抑えられる点がメリットとなる直葬は、実際にはどの程度の費用がかかるのでしょうか。
 
「小さなお葬式」を運営する、株式会社ユニクエスト(大阪市)が、2022年2~5月に1年以内に喪主を経験した40代以上の方1万1162人を対象とした「2022年版 全国エリア別葬儀費用に関する調査」「最新の葬儀費用に関する調査」によると、直葬を行う場合の平均葬儀費用は約36万円でした。
 
家族葬は約110万円、一般葬は約191万円であることから、直葬は家族葬の3分の1、一般葬の5分の1ほどの費用で葬儀を行えることが分かります。
 
一方、10万円未満の費用で葬儀を行う人もいるようですが、全体の5.2%に過ぎません。10万円以上40万円未満の費用で葬儀をした人は約8割に上ることから、おおよそ10~40万円の費用で葬儀が行えるようです。
 
なお、直葬を行った場合の葬儀の際の飲食費用は10万円未満、宗教者の手配やお坊さんへのお布施は15万円未満が大多数を占めました。仮に飲食費用が10万円、お布施が15万円と仮定すると、平均葬儀費用36万円と合わせて、葬儀全体を60万円前後で執り行える可能性があります。
 

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直葬を選択しても、忘れてはいけない葬式のマナー

物価の上昇が続くなか、葬儀を安価に行えるのは助かるでしょう。ただし、直葬を選択する場合は気をつけておきたい点やマナーも存在します。
 
1つ目は、「菩提寺(ぼだいじ)や参列希望者の理解を得ること」です。先祖代々の墓を管理する菩提寺によっては、通夜や告別式を行わずに火葬した場合に納骨を断られるケースがあります。また、通夜や告別式を行わないことに対して、親族内から反対の声が上がることも考えられます。
 
2つ目は、「直葬であってもお布施は必要である」ことです。通夜や告別式を行わないため、お布施は不要と考える人もいるかもしれませんが、安置所や火葬場に僧侶を呼ぶ場合お布施を支払う必要があります。上述の調査では、お布施の金額は5万円以上10万円未満と答えた人が最も多くなっていますが、地域や菩提寺によってお布施の相場は異なるので、実情に合わせて増減する必要があります。
 
3つ目は、「香典を頂いた場合に返礼品を送る必要がある」ことです。お布施と同様に、直葬であっても香典を頂いた以上は返礼品を送るのは最低限のマナーです。目安は香典で頂いた金額の3分の1から半分ほどが一般的ですが、こちらも地域のしきたりに合わせて金額の増減が必要です。
 

葬儀費用は安くなってもマナーは忘れずに

葬式に対する考え方が多様化するなかで、物価の値上がりが相次ぐ昨今「直葬」を選択する人は増加することが予想されます。
 
しかし葬式のスタイルが変わっても基本的なマナーに変わりはありません。葬式にかかる費用を節約することを考えながらも、親族や故人の関係者が心からお別れできる葬儀にすることが大切です。
 

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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