祖父のタンス預金「200万円」を親が保管していたのですが、受け取るタイミングで「税金」はかかりますか

配信日: 2023.08.07

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祖父のタンス預金「200万円」を親が保管していたのですが、受け取るタイミングで「税金」はかかりますか
親が祖父母から相続した財産の中にタンス預金が含まれていると、それを自分が親から受け取るタイミングでどのように税金を処理するべきなのか、悩むこともあるようです。そこで、祖父のタンス預金200万円を相続して保管していた親から、そのタンス預金を受け取る際にかかる税金について考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

タンス預金を受け取るときには贈与税か相続税がかかる

タンス預金を受け取る際には税金がかかります。祖父がタンス預金をしていたお金を親が相続し、さらにそれを子が受け取るとき、親から贈与(生存している間に無償でお金などをもらうこと)によって受け取ればそれは、贈与税の対象になります。親が亡くなり、相続という形で受け取れば、親が祖父から相続したときのように、相続税の対象となります。
 

贈与の場合、贈与税は何円かかる?

贈与税は1年間(その年の1月1日から12月31日まで)で贈与を受けた額のうち、110万円を超えた部分にかかります。仮に200万円を1年間で受け取った場合、基礎控除額である110万円を超える、90万円の部分にかかります。
 
親から子へ贈与された際の贈与税の税率は、子が成人している(贈与を受けた年の1月1日において18歳以上)場合、下記のようになります。
 
図表1


出典:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
基礎控除後の課税価格90万円に対する税率は、課税価格が200万円以下なので、10%となります。そのため、200万円を1年間で受け取った場合の贈与税は9万円となります。
 
なお、基礎控除額110万円は毎年適用されます。200万円を100万円ずつ2年間に分けて受け取るなど、1年当たりの贈与額を110万円以下にしておくことで、贈与税が発生しない状態で親から贈与を受けることができます。
 

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相続の場合、相続税は何円かかる?

では、親からの相続という形で祖父のタンス預金を受け取った場合にかかるお金について考えてみましょう。
 
仮に法定相続人が自分しかいないという場合、相続税にかかる基礎控除額は3600万円となります。※基礎控除額=3000万円+(法定相続人の数×600万円)
 
つまり、他に財産がない状態であれば、タンス預金の200万円を相続しても相続税がかかりません。
 
なお、他の財産があれば、そのタンス預金含め相続財産全体に相続税がかかります。タンス預金を含めた相続財産全体が4000万円であれば、基礎控除後の400万円の部分に相続税がかかることになります。
 
図表2


出典:国税庁 相続税のあらまし
 
400万円の部分にかかる税率は10%となるため、発生する相続税は40万円になります。
 

贈与税や相続税はどう納めればよい?

贈与税と相続税は、財産を譲り受けた方自身で計算し、申告と納税まで済ませる必要があります。
 
贈与税の場合、前年1月1日から12月31日に受けた贈与の総額を計算し、翌年2月1日から3月15日までの間に行います。つまり、令和4年度に受けた贈与の場合、令和5年2月1日から3月15日までの間に申告と納税をします。1ヶ月少々の間に納税まで済ませなければいけないため、年が明けたらすぐに準備に着手することをおすすめします。
 
手続きの詳細については「令和4年分贈与税の申告のしかた」という国税庁のパンフレットを確認するか、住所地を管轄する税務署へ相談してください。
 
そして、相続税の場合、相続の開始があったことを知った日の翌日から起算して10ヶ月以内に申告と納税を行うこととされています。
 
例えば、3月12日に相続の開始があったことを知ったという場合、翌年1月12日までに済ませる必要があるということです。詳細については亡くなった方の住所地を管轄する税務署、または国税庁のパンフレット「相続税のあらまし」を確認してください。
 
なお、贈与税も相続税も発生しない場合、特段納税に関する手続きは必要ありません。
 

タンス預金を受け取ったら税金について確認

親が祖父から相続したタンス預金を受け取ると金額や受け取り方によって贈与税や相続税がかかります。200万円という金額であっても、税金がかかる可能性があります。タンス預金を受け取るのであれば税金にも注意し、どのような方法で受け取ると税制的に有利になるのか、という点についても考えてみてください。
 

出典

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 相続税のあらまし
国税庁 令和4年分贈与税の申告のしかた
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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