更新日: 2023.08.24 贈与
子どもの結婚式のために「300万円」を現金で手渡し! 贈与税がかからないなら「申告」は不要?
そこで今回は、結婚式費用のため、自分の子どもに300万円を現金で渡した場合、贈与税がかかる可能性はあるのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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結婚式の援助費用に税金はかかる?
日本には贈与税の仕組みがあり、個人から財産を与えられた場合、取得した財産規模に応じて課税されます。贈与税は原則、個人から与えられたすべての財産が対象となりますが、財産の性質や贈与目的等によっては課税対象外となるケースもあります。
「贈与税がかからない財産」として国税庁は複数の例を挙げていますが、結婚祝いやご祝儀もその1つに含まれると考えられています。「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」という項目に該当すると思われるためです。
結婚祝いやご祝儀は贈与税が原則非課税ですが、1人から500万円や1000万円などの金額を受け取ると「社会通念上相当」の範囲を超えて多いと判断される可能性があるでしょう。
また、結婚行事は準備段階から両家が深くかかわることも少なくありません。そのため、身内からお祝いとして結婚資金を支払ってもらうケースも考えられます。
株式会社リクルートが行った「ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ」では挙式・披露宴・ウエディングパーティー総額の平均は約300万円となっており、結婚資金の一部または全部をそれぞれの親や親戚が負担することも珍しくありません。
このような場合は「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度」を利用することで、結婚関係の資金贈与は300万円まで非課税となります。ただし、この制度を利用するには金融機関へ申し込みを行い、領収書等の提出を行う必要があります。手続き不要で自動的に適用されるわけではないので注意しましょう。
贈与税がかかるケースもある?
結婚関係の資金贈与は300万円まで非課税で、結婚祝いやご祝儀にも基本的に贈与税はかかりません。
しかし、場合によっては課税対象となることもあります。例えば、ご祝儀として1億円など明らかに多すぎる金額の贈与や、結婚式の援助費用として渡されたにもかかわらず全く異なる目的で使われた場合です。
例えば使用せずに貯金したり、ギャンブル等に使われたりした場合は、贈与税や所得税などの対象となることもあるので注意しましょう。
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現金で渡すから分からないよね?
「300万円までは非課税だから現金で渡すと履歴も残らないし確定申告などもしなくても問題ない」と考える人もいるかもしれません。確かに、現金でやりとりを行うと入出金の記録が残らないため、税務署が把握しにくいとは考えられます。
ただし、だからと言って現金でこっそり渡してしまえばいいという訳ではありません。国税庁や税務署は専用の管理システムを使って、源泉徴収や確定申告により集められた私たちの収支や財産等のデータを収集しており、不自然なお金の流れがあると税務調査などにつながる可能性もあります。
多少手間でも、結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度を利用する場合は金融機関や税務署での手続き、領収書等の提出を行うようにしましょう。
まとめ
今回は、子どもの結婚式費用を援助するために300万円を現金で渡した場合、贈与税はかかるのか解説しました。
結婚祝いやご祝儀は原則として贈与税はかかりませんが、常識的に考えて金額が多すぎる場合は課税対象となる可能性もあります。また結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度を利用する場合は事前に手続きが必要となるので注意しましょう。
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
株式会社リクルート ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー