更新日: 2023.08.28 その他相続

祖母が「500万円」のタンス預金をしていると発覚! 税金対策としては有効?「トラブル」になるケースもあるの?

祖母が「500万円」のタンス預金をしていると発覚! 税金対策としては有効?「トラブル」になるケースもあるの?
「タンス預金」は手元にある資産であるため、税務署にも気づかれないように思えます。そのため、相続財産として扱われず相続税対策になると考える人もいるでしょう。しかし実際はトラブルになるケースが多いこともご存じでしょうか?
 
そこで本記事では、タンス預金が税務署にわかってしまう仕組みについて解説します。タンス預金のトラブルについても紹介するので、タンス預金をすでにしている人は特に注意してみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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タンス預金を税務署が見抜く仕組み

いわゆる「タンス預金」とは、自宅で保管している資産のことです。自宅の金庫やタンスの中に現金を保管するイメージをする人が多いと思います。銀行窓口やATMに行かなくても現金を使える点がメリットです。
 
一見するとタンス預金は現金で保管するため、税務署にはわからないように思えます。しかし、国税総合管理システム(KSKシステム)をはじめとするシステムが整備されているため、財産隠しが見抜かれる場合があるのです。KSKシステムは全国の国税局と税務署のネットワークで結ぶシステムで、納税者の申告状況や税金の滞納状況を管理しています。
 
納税者の資産状況と申告した納税額とに開きがあるような場合は税務署の調査対象となり、財産状況の調査によりタンス預金を見抜かれる可能性が高いです。
 

タンス預金にペナルティはあるの?

タンス預金自体は決して問題のある行為ではありません。しかし、相続時にタンス預金分を申告をしていなかった場合は相続税や贈与税などがかかる可能性があります。そして過少に申告していたとみなされると過少申告加算税、意図的な隠ぺいや偽装などがあれば重加算税ほか、申告が遅れれば延滞税も支払わなければいけません。
 

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タンス預金が理由のトラブル

タンス預金は税金のトラブルだけでなく、火事や盗難による消失、認知症などによる紛失、相続人間のトラブルなどが挙げられます。
 
タンス預金は現金を自宅に保管するので、火事や盗難に遭うことも考えられます。盗難であれば火災保険の内容によって保障される場合もありますが、補償限度額があるなど全額戻ってくるとは限りません。
 
また認知症で、「どこに」「いくら」のタンス預金があったのかがわからなくなることもあり得ます。タンス預金をしていた人が亡くなっても、相続人がタンス預金の存在を知らずに相続税の申告をしてしまうかもしれません。
 
申告後にタンス預金の存在がわかった場合は、再度相続財産を申告し直さなければならず、手間も時間もかかります。タンス預金に気が付くのが遅くなると、過少申告加算税や延滞税の対象となるので、こちらも注意したいところです。
 
他には、相続人間のトラブルも挙げられます。複数の相続人がいる場合にタンス預金があることを知らない相続人がいると、財産の分割で不利益を被る可能性があるからです。複数の相続人がいる場合は、タンス預金があることを全員で共有できるようにしてください。
 

タンス預金のデメリットを理解しておきましょう

タンス預金にはメリットもありますが、注意すべき点も多いです。このことから、タンス預金によるトラブルを防止するために、「なぜ」「どんなところに」注意しなければいけないのかを理解しておく必要があります。
 
タンス預金は思わぬところで税金が多くかかってしまったり、ペナルティを課されてしまったりすることもあります。まずは家族間でタンス預金を含めた財産の確認をしてみましょう。
 

出典

財務省 国税総合管理(KSK)システムの概要
国税庁 No.9205 延滞税について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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