更新日: 2023.08.31 贈与
孫の将来のために、お年玉として毎年「100万円」あげる予定です。110万円以下なら非課税ですよね?
そこで本記事では、今年孫がうまれて将来の教育費などの準備のために、毎年お年玉として100万円与える場合、贈与税などの問題は発生するのか解説します。年間110万円以下で非課税の範囲内となるから全く気にする必要はないと考えていると、想定外の事態に巻き込まれる可能性もあるので注意しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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基本的に年間110万円を超えると課税対象
個人から財産を贈られると、与えられた財産規模に応じて受贈者に贈与税が課されます。たとえ親子や兄弟姉妹であっても、贈与する相手がうまれたばかりの0歳の子であっても関係ありません。血縁関係の有無や年齢など関係なく、財産規模によっては課税対象となるのが原則です。
贈与税の課税方法にはさまざまな種類がありますが、その年の1月1日から12月31日までに贈与された財産価額を計算し、基礎控除110万円を差し引いた金額が課税対象となる暦年課税が一般的な方法です。よく「年間110万円を超えなければ非課税」といわれるのは暦年課税制度によるものです。
今回の事例も、贈与額が「年間100万円」で基礎控除の範囲内となるため、原則贈与税は発生せず確定申告を行う必要もありません。
非課税の範囲でも課税対象となる可能性がある?
ただし、金額そのものは非課税の範囲内であっても贈与税の課税対象となるケースもあります。というのも、実際に課税対象となるかどうかは、金額だけでなく実態によって判断されることが多いからです。
例えば親が子どもの結婚式費用を援助するために200万円を贈与した場合、110万円を超えるため金額面だけみると課税対象となります。
ただし、結婚資金として両親や祖父母などから子や孫に対して贈与があった場合は結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度を活用することができます。300万円を上限に挙式や披露宴などにかかる費用、新居への引越しなどにかかる費用が非課税となるため、贈与する側や受ける側にとって大きなメリットがあります。
これは自動的に適用されるわけではなく、金融機関などに結婚・子育て資金非課税申告書の提出などを行う必要があります。贈与された側は、具体的に何に使ったのか領収書などを保管して金融機関などに提出しなければなりません。非課税制度の適用を受けるには手続きが必要となるので要注意です。
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毎年お年玉として100万円贈るのは妥当なのか
0歳の子どもにお年玉として100万円渡すのは不自然ではないかといった考え方もありますが、将来のための贈与という面で考えると、高すぎるということはないでしょう。
ただし毎年決まった時期にお年玉として一定金額を贈与すると、たとえ基礎控除の110万円以下であっても「一定期間に決まった金額を贈与する契約が締結されている」とみなされて課税される可能性もあります。定期贈与とみなされないためには、毎年贈与契約書を作成する、贈与する時期をずらす、毎年異なる金額を贈与するなどの工夫を行いましょう。
まとめ
今回は、孫がうまれた祖父母世帯が、将来のために毎年お年玉として100万円与える行為は贈与税の課税対象となるのか解説しました。
結婚資金として贈与する場合は「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」の活用も検討し、適用を希望する場合は事前に金融機関などで手続きを行いましょう。
また、定期贈与とみなされないためにも、毎年100万円を与えるのではなく50万円や70万円など異なった金額を贈与する、正月だけでなく春や夏など贈与する時期を変えるなどの工夫をすることをおすすめします。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー