更新日: 2023.09.19 その他相続

2年に1度しかお墓参りに行っていないので、「墓じまい」をしたいのですが、費用はいくらですか?

執筆者 : 柘植輝

2年に1度しかお墓参りに行っていないので、「墓じまい」をしたいのですが、費用はいくらですか?
日本の伝統的な墓参り文化も、ライフスタイルや家族構成の変化によって、行わなくなった世帯やお参りの頻度が低下している世帯もあるようです。それに伴い、お墓を片付けて更地にする「墓じまい」を考える方も現れてきているようです。墓じまいをするとなると、気になるのが費用です。
 
そこで、今回は墓じまいの費用について考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

墓じまいにはお金がかかる

「日本トレンドリサーチ」のアンケート調査によれば、約2割の方が墓じまいを検討したことがあるようです。
 
理由としては、「遠方にあり移動が大変」というもの、「費用が子孫の負担になる」というものなど、金銭面も含めさまざまな種類の負担が挙げられていました。とはいえ、いざ墓じまいをしようとしてもすぐには実行できません。墓じまいにはお金がかかり、その費用をどうするか決めなければなりません。
 
鎌倉新書の「第2回 改葬・墓じまいに関する実態調査」によれば、墓じまいにかかった費用が「50万円以内」と答えた方は40.8%、「51万円以上」と答えた方は31.6%です。
 
また、日本トレンドリサーチによれば、墓じまいの費用について「10万円未満」と答えた方が20.3%、次いで「10万円以上30万円未満」の方が33.9%、「30万円以上50万円未満」の方が15.3%となっています。中には「50万円以上100万円未満」と答えた方も20.3%存在しています。
 
墓じまいの際は墓石の処分費用や離檀料などがかかることもあり、地域やお墓の現況によって総額も変わるため、費用については一概にはいえません。しかし、30万円前後はかかるものだと覚悟し、詳細な価格は個別に見積もりをとって検討した方がよさそうです。
 

墓じまいには時間もかかる

墓じまいは、お金だけ用意すれば大丈夫、というものでもありません。「第2回 改葬・墓じまいに関する実態調査」によれば、改葬・墓じまいにかかった期間について「3ヶ月未満」と回答した方が42.3%と最も多く、次いで「1ヶ月未満」という方が27.7%となっていました。
 
墓じまいには、遺骨の処理を含めた諸問題をどうするか、親族間での話し合いが必要になる他、行政に改葬許可申請の手続きをしなければなりません。
 
そのため、期間についても一概に「何ヶ月かかる」とは言い切れないのですが、少なくとも数日で終わるものではなく、3ヶ月くらいはかかる大掛かりなものだと考えておいた方がよいでしょう。この点の負担を減らし、かかる時間を短縮するのであれば、代行業者や行政書士など、そのような手続きの専門家への依頼も検討する必要があります。
 

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墓じまいをする際に気を付けたいこと

墓じまいをするに当たっては、費用以上に気を付けておくべきことに、親族間での話し合いがあります。自分は2年に1度しかお墓参りに行っていなかったとしても、親族の中にはもっと高い頻度でお墓参りしている方や、お墓の存在を大切に考えていて「墓じまいするくらいなら自分が引き継ぎたい」という方もいるかもしれないからです。
 
また、最初は墓じまいに賛成していた親族も、時間の経過とともに意見や考えが変わるということも考えられます。
金銭や手間といった負担面を考慮した墓じまいも悪いことではありませんが、2年に1度でもお墓参りをしているのであれば、自身も墓じまいをした後、後悔してしまう可能性もあるため、十分な検討が必要です。
 

墓じまいをするなら費用面と感情面を考慮するべき

墓じまいの費用は30万円前後と、高額なお金がかかるものと想定されます。それに加え、墓じまいにはもろもろの手続きが必要で、数ヶ月程度の時間も要します。お墓参りは日本に根付いている文化の1つです。自分が2年に1度しかお墓参りをしないからといって安易に墓じまいをするのではなく、親族と話し合い、後悔のないような選択をしてください。
 

出典

鎌倉新書 【お墓】【第2回】 改葬・墓じまいに関する実態調査(2020年)
日本トレンドリサーチ 墓じまいに関するアンケート
株式会社NEXER(日本トレンドリサーチ運営)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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