孫が可愛くて仕方なく、訪問してくれるたびに「3万円」渡していますが、これにも税金がかかるんですか?

配信日: 2023.09.23

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孫が可愛くて仕方なく、訪問してくれるたびに「3万円」渡していますが、これにも税金がかかるんですか?
孫がかわいくてついついお小遣いとして高額なお金を渡してしまう、という経験のある方も少なくないでしょう。しかし、孫に渡すお金には贈与税がかかることもあります。
 
気づかぬうちに税金が未納となっていた、ということにならないように、孫への贈与について考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

孫へのお小遣いは贈与税が発生する可能性がある

孫にお小遣いとして渡すお金には、贈与税(暦年課税)が発生する可能性があります。贈与税は財産を無償で贈与した際に生じる税金です。贈与税は、受け手が1年間(1月1日から12月31日)に合計110万円を超える贈与を受けた場合に発生します。
 
そのため、訪問のたびに孫に3万円を渡していても、孫の受け取った贈与の年間合計額が110万円以下であれば、訪問するたびに3万円を渡しても税金は発生していません。
 
ただし、これについては祖父母からだけではなく、父母や兄弟姉妹はもちろん、その他第三者から受け取った財産の価格も含みます。自身は贈与の年間合計額が110万円以下となる額の範囲でお小遣いを渡していても、孫が他者から受け取っている贈与の状況によっては贈与税が発生する可能性もあることに注意してください。
 
贈与税を支払うのは財産を渡した側ではなく、受け取る側、つまり孫自身です。ある程度高い頻度で孫に3万円ずつお小遣いを渡しているのであれば、その点を孫に伝えておくべきでしょう。
 

生活費や学費の贈与であれば、基本的に非課税である

もし、孫に3万円を渡している目的が「生活費や学費に充ててもらうこと」であれば、年間で110万円を超える贈与についても、基本的に贈与税は発生しません。
 
例えば、一人暮らしをしている孫が定期的に訪れ、当月の生活費の一部に充てられるお金として3万円渡しているという場合は、結果的に年間で110万円を超える贈与を受けていたとしても、贈与税はかかりません。
 
なぜなら、扶養義務者が渡す生活費や教育費は、通常必要と認められる金額で都度その目的に充当されるものであれば、非課税とされているからです。扶養義務者といえば父母だと思われることもありますが、父母が存命中であっても、祖父母は孫の扶養義務者に該当するため、非課税となるという具合です。
 
ただし、名目上は生活費や学費と言われて受け取っても、実態としては両親からの支援のみで生活費や学費が賄われている場合は、贈与税が課税されることになるため、注意してください。
 

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場合によっては相続税がかかることも

そう多い事例ではないかもしれませんが、直近で孫に贈与した財産が、相続税の対象となることがあります。
 
具体的には、贈与を受けた孫が祖父母の相続人となっている場合、相続開始前3年分の贈与は、相続財産に含まれるため相続税が加算されます。相続税がかかる場合、贈与を受けた額が年間110万円以下で贈与税がかからない場合であっても、税の負担が生じることになります。
 
孫が相続人となる例としては、孫から見た親(祖父母から見た子)が孫より先に亡くなっており、孫が親の代わりに相続人になる「代襲相続」が生じている場合があります。孫への贈与が頻繁であったり、額が大きくなったりするようであれば頭の片隅に入れておくべきでしょう。
 
なお、この3年という期間は令和6年以後の贈与分においては7年となりますのでこの点にも注意が必要です。
 

まとめ

孫への財産の贈与は贈与税の対象となり、孫が1年間で贈与を受けた財産の総額が年間110万円を超えるとき贈与税が発生します。とはいえ、年に数回訪問するたびに3万円程度を渡しているくらいであれば、基本的に贈与税は発生しないでしょう。
 
しかし、相続の内容によっては相続税が発生する可能性もあります。もし、孫へお金を渡すことについて税金が心配なのであれば、一度贈与税や相続税について確認しておくことをおすすめします。
 

出典

財務省 令和5年度税制改正の大綱(2/10)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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