更新日: 2023.09.27 その他相続

エンディングノートは親子のコミュニケーションツール? 書いておくことにメリットはあるの?

執筆者 : 秋口千佳

エンディングノートは親子のコミュニケーションツール? 書いておくことにメリットはあるの?
最近、エンディングノートに関するご相談が増えています。アラフォー・アラフィフ世代にとって、親が年を取るにつれ介護などに不安を覚え、親の思いやお金の実情を知るためにエンディングノートにその思いや実情を書き込んでほしい、という考えがあるようです。
 
今回はエンディングノートについて、「基本のき」をお伝えします。
 
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

エンディングノートを書く意味

知らない人は少なくなりましたが、エンディングノートとは、自分に万一のこと(認知症や急病等により意思疎通が難しくなることや亡くなること)が起きたときに、自分がしてほしい介護や葬儀、自分の財産や思いを家族や親しい人に伝えるために作成するノートのことです。
 
エンディングノートを書いておくことによって、家族や親しい人はさまざまな手続きを早く進めることができます。健康なうちに生前整理の一環としてエンディングノートを書くことをおすすめします。
 
エンディングノートには、家族や親しい人にやってほしいことを書いておきます。資産や介護、葬儀のこと、さらには解約してほしいSNS等のIDやパスワードといったことも書き記しておけます。
 
また、「書く」ものなので、遺された家族に対するメッセージ等も書いておくことで、子にとっては親の自筆を見ることができ、大切な形見にもなるでしょう。
 

エンディングノートのメリット

エンディングノートを書く意味は分かったけれど、親にこういったことを説明して書いてもらえるか不安だなという思いもあるでしょう。そこで、説明とともに親に伝えたい、具体的なメリットについて解説します。
 

(1)自分の思いを整理し、家族にその思いを伝えられる

エンディングノートは、書き残しておくと便利な項目がしっかり整理されています。そのため、その項目を埋めていくだけで、必要な情報が書き残せます。
 
自分が介護状態になったときにこうしてほしいとか、自分に万一のことがあったときには、こういう人に連絡してほしいといったことを書いておけます。また、今までこんなことをやってきたから、これからも引き継いでほしいといったようなことも、ノートだからこそ書いておけます。さらには、書き直すこともできます。
 
遺言書ではなくノートだからこそ、家族一人一人に自分の言葉で思いを伝えられます。文字数や形式に制限がないので、自由に書くことができるのです。もちろん、全てを埋めなければいけないと考える必要はありません。自分が書きたいことだけを書けば問題ありません。空欄、それすら遺された家族には良い思い出となります。
 

(2)自分の人生の振り返り、これからの糧にする

エンディングノートの記入は「終活」の1つでもあります。このノートには財産や葬儀のことだけではなく、自分の人生を振り返るページがあることが多いです。
 
自分の人生を振り返る中で、友人や親せきとの付き合いが思い出され、それらの人に伝えておきたい言葉等も浮かび、このノートに色を添えられます。そのため、今までの人生を振り返り、これからの生活の在り方を考える良い機会になります。
 

(3)遺言書ではないエンディングノートの良さ

遺言書には「法的拘束力」があるけれど、エンディングノートには「法的拘束力」がないのでこのノートを書く意味はない、という専門家の意見もあります。しかし、法的拘束力がないからこそ、自由な形式で思いを書くことができ、その思いとともに記入する財産の分け方は、相続の争いを防ぐ手段になることもあります。
 

エンディングノートを手に取ってみましょう

エンディングノートを手に入れてノートと向き合う時間は、書く人の年齢によって感じ方が違います。アラフォー・アラフィフ世代は、自分自身についても書いてほしいです。
 
アラフォー・アラフィフ世代は人生100年時代においては、人生の折り返しです。そのタイミングで自分の人生を振り返り、これからの生活を考え直す良い機会になるので、ぜひ手に取ってみてください。
 
そして自分自身が書いた後、ぜひ親にもすすめてください。そうすることで、親とのコミュニケーションツールとして活用することができるでしょう。
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士