更新日: 2023.10.08 相続税
祖父の遺品から「満タンの500円玉貯金箱」が見つかりました! 両替の手数料はどのくらいかかりますか?
本記事では、祖父の遺品のなかから「500円玉貯金」が発見された事例で、どのように対処すればよいのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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500円玉貯金も相続財産に含める
貯金箱のサイズにもよりますが、満タンの500円玉貯金箱の価値は10万~30万円程度でしょう。500円玉貯金も立派な資産なので、相続財産に含めて計算します。「タンス預金」と同じようなイメージですが、500円玉貯金も遺産に含まれ、遺産分割の対象です。
500円玉貯金を含めた遺産総額が相続税の基礎控除を超える場合、相続税を納付しなければなりません。相続税の基礎控除は「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算します。
逆に、遺産総額が基礎控除の範囲内に納まる場合は、相続税は発生しません。協議を行い、相続人で500円玉貯金を分けるだけで済むため、相続税に関する手続きは不要です。
銀行で大量の硬貨を預けると手数料がかかる
相続税の他に憂慮するべき点は「どのように両替するか」です。もちろん、500円玉をそのまま自宅で保管しつつ、買い物で使っても問題ありません。しかし、キャッシュレス決済を行っている方にとって、500円玉を大量に保管するメリットは薄いでしょう。「銀行窓口で両替しよう」「ATMに入金しよう」と考えるのが一般的です。
銀行窓口で預ける・両替する場合
銀行窓口で硬貨を両替する場合、枚数に応じて手数料が取られてしまいます。
例えば、ゆうちょ銀行における、窓口で硬貨を預け入れる際の手数料は下記のとおりです。
・1~50枚:無料
・51~100枚:550円
・101~500枚:825円
・501~1000枚:1100円
・1001枚以上:500枚ごとに550円加算
例えば、200枚の500円玉を預け入れる場合は550円の手数料が取られます。受け取れる預金利息よりも高い金額が徴収されてしまうため、非常にもったいないです。
また、みずほ銀行も同様に、窓口で硬貨を取り扱う際には下記のような手数料を設けています。
・1~100枚:無料
・101~500枚:550円
・501~1000枚:1320円
・1001枚~:1980円(以降500枚ごとに660円を加算)
今回は500円玉の事例で紹介していますが、もし1円玉を1000枚窓口に持参したら、預ける金額よりも手数料のほうが高くなってしまいます。手数料がかかることを知らずに窓口へ行くと、余計な手数料を払う羽目になるため、注意しましょう。
ATMで両替する場合
銀行窓口で、所定の枚数以上の硬貨を預け入れるときや両替するときは手数料が発生しますが、ATMの場合も銀行によって手数料が発生します。
例えば、ゆうちょ銀行ATMにおける硬貨取扱手数料は下記のとおりです。
・1~25枚:110円
・26~50枚:220円
・51~100枚:330円
1枚から手数料が発生してしまうと聞くと、多くの方は硬貨による預け入れは避けたいと思うでしょう。110円の利息を得るためには、普通預金の場合で1100万円の預け入れが必要となります。1回の手数料で普通預金1100万円分の利息が吹き飛んでしまうわけですから、非常にもったいないです(源泉徴収税は無視しています)。
また、みずほ銀行ATMには硬貨取扱手数料はありませんが、一度に入金できる枚数は100枚までとなっています。手数料がかからない点は銀行窓口よりマシではありますが、枚数によっては何度もATMの操作が必要になることから、手間がかかります。
このように、大量の硬貨を銀行に預け入れる場合や両替する際には、経済的・時間的コストが発生する点に注意しましょう。
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まとめ
家族や親族の遺産で大量の硬貨が見つかった場合、相続税に関する問題と、「どのように大量の硬貨を使うか」という問題に直面します。
現金をあまり使わない「キャッシュレス派」の方にとって、大量の硬貨は取り扱いに困ってしまうでしょう。特に、近年は多くの金融機関で大量の硬貨を取り扱うときに手数料を徴収しているため、注意しましょう。
もし遺産で大量の硬貨が見つかったら、手数料を支払うことを覚悟して銀行に預け入れるか、意識的に硬貨を使って買い物をするなど対策を考える必要があります。
出典
国税庁 No.4152 相続税の計算
みずほ銀行 大量硬貨取扱手数料の新設について
みずほ銀行 ATMで硬貨入出金がしたい。いつ、どこでできますか
ゆうちょ銀行 窓口で大量の硬貨を預け入れることはできますか。また、手数料はかかりますか。
ゆうちょ銀行 ATM 硬貨預払料金の新設・ATM での硬貨取扱時間帯の変更
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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