更新日: 2023.10.16 相続税

タワマン節税ができなくなる!? タワーマンション相続に加わる「新ルール」とは

タワマン節税ができなくなる!? タワーマンション相続に加わる「新ルール」とは
相続税は現金に限らず、株式や土地、家屋など、相続により引き継いだ財産に対して課税されます。そして、相続税をできるだけ抑えるために使われてきた手段が「タワマン節税」です。
 
今回は、タワマン節税とはどのようなものかについてと、相続税評価額の見直しによって変わる内容や、見直される背景についても、分かりやすく解説します。タワーマンションを保有しており、相続税について疑問を持たれている方は、参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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タワマン節税とは

タワマン節税とは、タワーマンションなどの戸数を多く持つ建物は、一戸建てよりも税金負担が軽くなることを利用して、相続税の負担を軽くする方法です。現金で資産を相続した場合は、現金のすべてが課税対象になりますが、建物を購入して相続すれば、計算方法が変わります。
 
一戸建ては、土地の広さがそのまま計算に使われますが、マンションは、土地の広さを戸数で割る点が特徴です。また、一般に高層階のほうが時価は高くなりますが、評価額は、購入した階層に関係なく計算されます。
 
このように、時価と評価額の差を利用することで、現金で相続するよりも税金が抑えられるという仕組みになっていました。
 
しかし、時価と評価額の乖離(かいり)が大きいことから、追徴課税を受けるケースが出ており、さらに、評価額のルールも見直されました。
 

相続税評価額のルール見直しにより何が変わる?

相続税評価額のルールを見直すことで、タワマンも、一戸建ての評価額と同程度になるように、計算方法が変わりました。
 
国税庁によると、これまでの方法で評価額を計算して、もし評価額が市場価格の60%に満たなかった場合は、60%になるように引き上げられます。60%を超えていたら、これまでの評価額が適用されます。新しい相続税評価額のルールは、2024年1月以降の相続に適用されます。
 

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なぜ相続税評価額が見直されることになったか?

相続税評価額のルールが見直された理由は、マンションの時価と評価額が大きく乖離していたためです。乖離を少なくして、より現状に即した、適正な評価額を算出することが目的です。国税庁によって、実際にタワマン節税をした場合の乖離率が公開されています。
 
2023年1月に発表された国税庁報道発表資料によると、東京都で、築9年、43階建てのタワーマンションの23階を相続していた場合、市場価格は1億1900万円で、評価額は3720万円でした。これは、約3.2倍の乖離率です。
  
さらに、2023年6月に発表された国税庁報道発表資料によると、一戸建ての平均乖離率は1.66倍でした。しかし、マンションの平均乖離率は2.34倍になり、評価額が市場価格の半分以下になっています。
  
このような現状を打開するために、ルールの見直しが行われました。
 

今後タワーマンションを相続する際は計算方法に注意が必要

2024年1月以降、マンションの相続税評価額は、新しいルールにのっとって行われるとされています。これまでのように、大きな乖離はなくなるため、節税効果は小さくなるでしょう。
 
ただし、あくまでも、実際の価格に即した評価を出すためですので、改悪ではありません。2024年1月以降にマンションを相続する予定ならば、計算方法が変わることを把握しておきましょう。
 

出典

国税庁 報道発表資料 令和5年6月30日 マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議について
国税庁 報道発表資料 令和5年1月31日 マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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