更新日: 2023.10.26 相続税

配偶者の死亡後、勤務先から「給与」の支払いが! 相続税の対象になる? 申告は必ず必要?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

配偶者の死亡後、勤務先から「給与」の支払いが! 相続税の対象になる? 申告は必ず必要?
配偶者が会社等で勤務していて、病気などさまざまな原因で在職中に亡くなった場合、亡くなった日の後に勤務先から給与が支払われることがあります。このとき、支払われた給与は相続税の対象になるのでしょうか。本記事で解説します。
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亡くなった人の給与は相続税の対象なの?

結論から言うと、「亡くなった日以降に支払われた給与」は相続税の対象になります。一般的に給与計算の締め日と給与支給日が違うため、死亡日前に支払われた給与や賞与は源泉徴収票の「支払金額」欄に記載されます。
 
亡くなったのが給与支払い日の前なのか後なのかなど、さまざまなケースによって、課税対象となる税は変わります。
 

<例>

1:給与支払日の前に亡くなった場合
毎月15日締めで当月25日給与支払いの会社に勤務するAさんが、4月20日に亡くなった場合、4月25日に支払われる給与は相続税の対象となります。
 
2:給与支払日の後に亡くなった場合
毎月15日締めで当月25日給与支払いの会社に勤務するBさんが、5月27日に亡くなった場合、5月25日に支払われる給与は給与所得として所得税と住民税の源泉徴収対象となり、6月25日に支払われる見込みの給与は相続税の対象となります。
 
3:給与と賞与支払日の前に亡くなった場合
毎月15日締めで当月25日給与支払い・賞与は12月10日支払いの会社に勤務するCさんが、12月8日に亡くなった場合、12月10日に支払われる賞与と、12月25日に支払われる予定の給与は相続税の対象となります。
 

亡くなる前の給与は、どの税金の対象なの?

亡くなる前の給与は、上記の例でも触れたように、所得税と住民税の課税対象となります。所得税と住民税が給与から源泉徴収されていた場合は勤務先から源泉徴収票が発行されます。
 
住民税は当年1月1日が基準日であるため、1月2日以降に亡くなった場合は、住民税の課税対象となります。
 
住民税が給与から天引きされていた場合は勤務先から「給与所得者異動届出書」が自治体に提出され、その年度の残りの住民税を個人で納める「普通徴収」に切り替えられて、亡くなった人の相続人の代表者(配偶者など)に納税通知書が送られます。
 

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相続税の申告は必ず必要になるの?

亡くなった日の後に支払われた給与のほか、その他の財産(現金・預貯金・金融資産・不動産など)を合計した額が、「相続税の基礎控除額3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算された金額をこえる場合には、相続税の申告が必要になります。
 
なお、亡くなった日の翌日から4ヶ月以内に、亡くなった本人の代わりに相続人が行う「準確定申告」は、亡くなった人の勤務先で年末調整が行われていたり、給与以外の収入が一定金額以上でない場合などには申告不要です(配偶者控除や医療費控除などがある場合、準確定申告を行うことで納めすぎた税金が戻ってくる可能性もあります)。
 

まとめ

亡くなった人の勤務先から支払われた給与と賞与は、亡くなった日の後に支払われた場合には相続税、亡くなった日の前に支払われた場合では所得税と住民税の課税対象となります。配偶者等の家族が亡くなった場合、相続税の申告と準確定申告が必要になるかは、早めに税務署や税理士に相談すると良いでしょう。
 

出典

国税庁 死亡後に支給期が到来する給与

東京都江戸川区 亡くなられた方の住民税について

国税庁 相続税の申告要否判定コーナー「相続税の申告が必要となる場合」

国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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