更新日: 2024.01.31 その他相続
遺産相続で弁護士に相談する際の費用相場や対応可能な相談内容をご紹介
本記事では、遺産相続するときの相談先の1つである「弁護士」に相談すべきケースや、弁護士に遺産相続の相談をするメリットなどについて解説します。
記事を読み進めて頂ければ、遺産相続のどのようなケースで弁護士に依頼すればよいのかがわかりますので、遺産相続で揉めないか心配な方は最後までご覧ください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
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監修:菅野 正太(かんの しょうた) / 弁護士
上智大学法学部法律学科 卒業
早稲田大学大学院法務研究科 卒業。
弁護士法人永総合法律事務所の勤務弁護士
中小企業法務、不動産取引法務、寺社法務を専門とする弁護士法人永総合法律事務所の勤務弁護士。
第二東京弁護士会仲裁センター委員、同子どもの権利委員会委員
目次
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遺産相続を弁護士に相談する理由
遺産相続を弁護士に相談する理由は、遺産相続には多くの知識が必要であり、場合によっては交渉が必要になるからです。
遺産相続がスムーズに進めばよいのですが、現実はそううまくいきません。遺産相続するときには過去にあったさまざまな経緯や、多額の金銭や借金などの要素が複雑に絡まり合います。さまざまな要素が存在すると、相続人の遺産相続に対する考え方も大きく異なってきます。この考え方の違いが遺産相続のトラブルを生むわけです。
遺産相続のトラブルを当事者同士で解決するのは困難であるため、トラブルの防止や解決のため弁護士を利用します。
遺産相続で弁護士に相談すべきケース
遺産相続で弁護士に相談すべきケースは、トラブルの防止や解決する場面です。
具体的には、次のようなケースは弁護士に相談すべきケースといえます。
●遺言書が本物かわからない場合
●遺産分割協議で相続分に異議のある人がいる場合
●亡くなった人に隠し子がいた場合
●遺留分侵害額請求を主張しなければいけない場合
上記のケースがなぜ弁護士に相談すべきなのかみていきましょう。
遺言書が本物かわからない場合
遺言書が発見されたものの、亡くなった人が本当に作成したものなのかわからない場合は、弁護士に相談したほうがよいでしょう。
遺言書が発見されると基本的に遺言書の記載内容のまま、遺産を相続することになります。亡くなった人が公正証書遺言のように本人が作成したことが証明できるものであれば、スムーズに遺産相続が進みます。しかし、遺言書が本物なのか、遺言書の内容は本人の意思のとおりなのかわからない場合、相続人の思惑が絡み合いトラブルになることでしょう。
遺言書が本物かどうかわからないとトラブルになる可能性が高いため、弁護士へ相談しトラブルに発展する前に解決すべき状況といえます。遺言書の無効を主張するにも、遺言書の真偽を明確にするにも弁護士の知識やノウハウを借りて解決するのがよいでしょう。
遺産分割協議で相続分に異議のある人がいる場合
遺言書がないときには法定相続分のとおり相続人で遺産を分配しますが、相続人の1人が相続分に異議があると言い出すと、当事者同士での話し合いは難しくなります。
遺産相続するときは必ずしも法定相続分で遺産を分ける必要はなく、相続人の話し合いで分配の割合を決めることが可能です。仮に法定相続分でわけるとしても、不動産などがあれば、その清算をどのようにすべきかなどの問題は残るため、相続人全員が話し合いの内容に納得しない限り相続はまとまりません。
遺産分割協議に際して、感情的になる人もいれば、法的な知識がないまま話し合いを続けてしまう人もいます。どちらのケースも、そのままでは遺産分割がうまく進むことは見込まれないため、弁護士に交渉をしてもらい、話し合いを調整していきます。
亡くなった人に隠し子がいた場合
亡くなった人に隠し子がいた場合は、予定していた内容での遺産分割に影響がでるため、弁護士に調整の依頼をしたほうがよいでしょう。
亡くなった人に隠し子がおり、その隠し子が法定相続人になる立場であれば、遺産分割協議に隠し子を交えて話し合いをしなければなりません。しかし、突然現れた法定相続人と感情的にならず、話し合いを進めていくのは困難な場合も多いです。特に遺産分割協議が終わった後、新たに法定相続人が発見されると、遺産分割協議がやり直しになるためトラブルが大きくなりがちです。
予想だにしない法定相続人が見つかるとトラブルになるため、相続人の範囲を確定する段階から弁護士などの専門家への相談を検討するのもいいでしょう。
遺留分侵害額請求を主張しなければいけない場合
遺贈や遺言書などにより遺留分を侵害されている場合は、遺留分侵害額請求をしなければ、本来受け取れる遺産が少なくなってしまいます。
遺贈とは遺言書により、遺言で指定した者に遺産を相続させることです。また、遺留分とは兄弟姉妹以外の法定相続人に認められている、最低限の遺産を受け取れる権利です。
自己の遺留分を超える遺産を別の誰かに遺贈する(相続させる)と、遺言書に記載されてしまっていたのであれば、遺留分を守るために当該相続人などに対して遺留分侵害額請求を行わなければなりません。しかし、遺留分侵害額請求の手続きを行うには法律や相続の専門的な知識が必要な場面も多いです。
遺産相続に関連した請求や訴訟を起こすのは一般の人では難しいため、弁護士に依頼して進めていくことが大切です。
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遺産相続で弁護士に相談しなくてもよいケース
遺産相続で弁護士に相談しなくてもよいケースは、トラブルなくスムーズに遺産相続が進んでいるケースです。
遺産相続で弁護士に相談するのは、トラブルの防止と、トラブルの解消です。逆にいえば、トラブルになる要因がなければ、弁護士に相談する必要性はありません。
遺産相続の手続きだけであれば司法書士などに任せればよく、相続人が1人であれば手続きを自分で行うことも可能です。
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遺産相続で弁護士に相談して得られる5つのメリット
遺産相続でトラブルになりそうなときや、トラブルになったときには弁護士に相談します。
弁護士に相談すれば、次のような5つのメリットが得られます。
メリット1:遺産相続で損することがなくなる
メリット2:親族間の対立を防ぐことができる
メリット3:法的手続きを代行してくれる
メリット4:遺産隠しを防止できる
メリット5:相続人全員が納得できる結果に導いてくれる
上記のメリットがどのような内容なのか解説していきますので、メリットを確認した上で弁護士に相談するか決めていきましょう。
メリット1:遺産相続で損することがなくなる
弁護士に相談すれば、遺産相続で損することがなくなります。
遺産相続では遺産の分配割合が決まっていたり、遺贈では最低限受け取れる遺留分が決められたりしています。割合や遺留分について詳しく理解していれば問題ありませんが、なかなか詳細に自己の相続できる割合などを把握している人はいません。もし遺産相続の知識がないまま相続してしまうと、知らぬ間にもらえるはずだった遺産が少なくされていた、ということが起きる可能性もあります。
法律に定められた遺産をきちんと取得するのであれば、弁護士に遺産相続の手続きを任せましょう。弁護士に遺産の取得を任せれば、特定の相続人が勝手に遺産を多く受け継ぐことを防止できます。
メリット2:親族間の対立を防ぐことができる
遺産相続を行う過程で、親族間トラブルに発展しそうであれば弁護士に相談しておきましょう。
親族の中には亡くなった人を介護していたから多く遺産がもらえるはずだ、生前贈与を受けていた相続人の遺産は減らせるはずだといった主張を遺産分割協議で行う人もいるかもしれません。たしかにこのようなケースだと、遺産分割協議において、必要に応じて増減する必要はありえます。しかし、実際にどこまでの調整を要するのかはわかりにくく、親族間トラブルに発展しがちです。
法定相続分に従っての遺産分割協議ができないときは、弁護士に相談し適切な調整を図ったほうがよいでしょう。客観的な視点で遺産の調整を図れば、遺産分割協議をスムーズに進めることが期待できます。
メリット3:法的手続きを代行してくれる
弁護士に遺産相続を相談すれば、揉め事を解決してくれるだけでなく、遺産相続の法的な手続きも行ってくれます。
遺産相続は手続きや、手続きに伴う書類作成などさまざまな作業が必要です。手続きの中には、遺産分割協議書の作成など法律の知識が必要な書類もあります。相続人で書類を作成するのは難しいため、弁護士に相談すれば手間が減るだけでなく、書類作成ミスも防止できます。
遺産相続に関わる手続きを相続人だけで行うのが不安であれば、弁護士に相談して遺産相続の手続きをしてもらうようにしましょう。
メリット4:遺産隠しを防止できる
遺産相続の手続きを弁護士に任せれば、遺産隠しを防止することが可能です。
遺産相続するときには、遺産がいくらあるのかすべて調べなければなりません。しかし、特定の相続人が遺産相続の調査時に、預貯金の通帳を隠すなど遺産隠しを行うケースもあります。
遺産隠しされてしまうと一般の人ではすべてを調査するのが難しくなってしまいますが、弁護士は相続のプロであるため遺産の調査を依頼すれば、自分で調査を行うよりも詳細な調査を期待でき、遺産の範囲を漏れなく確定することができる可能性があがります。
メリット5:相続人全員が納得できる結果に導いてくれる
遺産相続で揉め事が発生してしまっても、弁護士に相談することにより相続人全員が納得できる結果に導いてくれます。
遺産相続が解決できなくなるのは、相続人同士が感情的になってしまい話し合いができなくなってしまうケースがほとんどです。弁護士が遺産分割協議に入れば感情的な話し合いでなく、法律的な知識に基づいて客観的な話し合いができます。
納得できる遺産相続を実現させるためには、冷静で客観的な話し合いが必要であるため、感情的な話し合いになりそうなときは弁護士に依頼することが大切です。
遺産相続を弁護士に相談するデメリット
遺産相続を弁護士に相談するメリットは多くありますが、弁護士に相談するデメリットはないのでしょうか。
弁護士に相談したときのデメリットとして考えられるのは、次のとおりです。
デメリット1:費用がかかる
デメリット2:弁護士を立てた時点で相手方が構えてしまうこともある
デメリット3:依頼者最優先の交渉になる
弁護士の仕事は依頼者の希望にあわせた交渉を行い、交渉に成功したら報酬を受け取ることです。そのため、弁護士は依頼者の希望に沿った交渉をするため、相手方とは敵対関係という構図ができてしまうケースもあります。もちろん、敵対関係となった相手方との調整を図るのが弁護士ですが、場合によっては相手方との関係性が悪化してしまうこともあります。
また、交渉が成功したとしても、報酬として費用を支払わなければなりません。弁護士の費用は決して安いものでないため、デメリットになってしまいます。
弁護士以外に遺産相続を相談できる士業
遺産相続を弁護士に相談するメリットは多くありますが、ほかの士業の人に遺産相続を相談するのにもメリットがあります。
弁護士以外に遺産相続を相談する先は、次のとおりです。
●司法書士
●税理士
各士業の人に遺産相続を相談するタイミングや、メリットを紹介していきますので、弁護士以外にも相談先があることを知っておきましょう。
司法書士
遺産相続において、司法書士は遺産分割協議書の作成や相続登記を主に行います。
司法書士は遺産相続の手続きを一貫して行えるため、相談先としておすすめです。ただし、司法書士は遺産相続に関連する訴訟は、弁護士の独占業務であるため対応できません。司法書士に遺産相続の相談をするタイミングは、遺産相続に揉め事がない状態かつ遺産相続の手続きをすべてプロに任せたいときです。
費用は弁護士よりも安くなるケースが多いため、費用を抑えたい人にも司法書士への相談が向いています。
税理士
遺産相続において、税理士は相続税の相談や準確定申告の手続きを行います。
税理士は税務関連のプロであるため、相続税の相談や準確定申告の手続きは税理士に相談するとよいでしょう。遺産相続すると税金が課税されるケースもあるため、税理士の存在は大きいといえます。
なお、準確定申告とは、亡くなった人が確定申告しなければならない条件を満たしている場合、亡くなった年の確定申告を相続人が行う手続きです。当人が亡くなっているため確定申告するのは難しく、準確定申告するときには税理士に相談するのが一般的です。
遺産相続の相談をする弁護士を探すときのポイント
遺産相続のトラブルを解決するには弁護士に相談することになりますが、どの弁護士に相談してもいいわけではありません。
弁護士に遺産相続の相談をするときには、次の内容を確認したうえで連絡する必要があります。
●相続案件の実績が豊富な弁護士か
●相続手続きだけでなく相続税のことまで考えてくれる弁護士か
●説明がわかりやすいか弁護士か
●司法書士などほかの士業と連携している弁護士か
●スピーディーな対応をしてくれる弁護士か
●弁護士の費用が相場で明確な費用体系であるか
すべての弁護士が遺産相続を得意としているわけではなく、費用も弁護士によって異なります。どの弁護士がよいのか選択基準を理解し、自分にあった弁護士へ相談できるようにしておきましょう。
相続案件の実績が豊富な弁護士か
弁護士に遺産相続を相談するときには、相続案件の実績が豊富かどうか確認しましょう。
弁護士が取り扱う範囲は広く、さまざまな得意分野を持っています。すべての弁護士がすべての分野を得意にしていることはないため、相続案件を得意にしている弁護士を見つけなければなりません。
相続案件の実績が豊富かどうかは、弁護士のホームページや口コミサイトで確認してみるとよいでしょう。ホームページや口コミサイトに相続案件の内容が多く記載されていれば、実績があるかどうかの判断材料になります。
相続手続きだけでなく相続税のことまで考えてくれる弁護士か
遺産相続は相続税と密接な関係であるため、相続税のことまで考えてくれる弁護士かどうか確認しておきましょう。
弁護士はあくまで遺産相続のトラブルを解決するという立場にあります。遺産相続のトラブルを解決するのが最優先であるものの、相続税の課税額が多くなってしまうことまで配慮した交渉を行ってもらう必要があります。取り分が多くなれば相続税の課税額が多くなるのは当然ですが、課税額が多くなることは事前に伝えてほしいと誰もが思うはずです。
税金のプロは税理士であるため、相談した弁護士が税理士と連携していることを確認することも大切です。
説明がわかりやすい弁護士か
弁護士に遺産相続を相談するときには、説明がわかりやすいかどうか確認しましょう。
弁護士は法律のプロであり、難しい知識を駆使して問題を解決します。しかし、難しい知識を説明するときに、法律の固有名詞を多用する弁護士がいます。素人が分からない固有名詞を連呼する弁護士だと、何を言っているのか理解できないため意思疎通を図ることができません。
遺産相続のトラブルを解決するにあたり、意思疎通が図れないのは大きなデメリットになります。弁護士に遺産相続を相談するときには、わかりやすい説明をしてくれるかどうか確認しておくようにしましょう。
司法書士などほかの士業と連携している弁護士か
遺産相続を弁護士に相談するときには、ほかの士業の人と連携しているか確認しておきましょう。
各士業には独占業務があるものの、弁護士は法律に関連する業務であれば、他士業の手続きも広く対応が可能な場面があるものの、実際の取り扱い案件としては他士業の方が慣れているということもあるでしょう。そのため、相続においては、他士業と連携して仕事をしてくれる弁護士を選択したほうがよいでしょう。
スピーディーな対応をしてくれる弁護士か
遺産相続で弁護士に相談するときには、依頼者の相談や依頼にスピーディーな対応をしてくれるかどうか確認しましょう。
弁護士によっては土日祝休みで、営業時間中、固定電話でしか会話できない事務所も未だにあります。トラブルというのは土日祝・時間関係なく起こるものであり、すぐに対応して欲しいと考えるのが普通です。常に対応してくれないとしても、メールや携帯でのやり取りがきると安心して相談ができます。
弁護士に相談するときには対応時間の長さと、問い合わせ方法の種類も確認しておきましょう。
弁護士の費用が相場で明確な費用体系であるか
弁護士に遺産相続を相談するときには、費用が相場なのか、明瞭な費用体系なのか確認しておきましょう。
以前は弁護士費用に明確な基準があったものの、2004年から弁護士費用は弁護士ごとに決定できるようになりました。費用の計算方法まで理解しておかないと、遺産相続トラブル解消後に高額な費用が請求される可能性もあります。
自分にあった弁護士を探しても費用が高額に過ぎることは望ましくないため、費用の内訳を詳細に伝えてくれる弁護士へ相談するようにしましょう。
遺産相続を弁護士に依頼するときの費用相場
遺産相続を弁護士に依頼するときには、費用体系を確認しておかなければなりませんが、どのような費用体系が基本なのか理解していなければ、高いのか低いのか判断できません。
弁護士費用の費用体系は、次の2つに分かれます。
●旧報酬規定に基づく費用相場
●旧報酬規定によらない費用相場
それぞれの費用体系がどのようなものなのか理解し、遺産相続を弁護士に相談していきましょう。
旧報酬規定に基づく費用相場
弁護士費用は2004年から自由化されたものの、旧報酬規定の内容は明確であるため、この規定に準じている弁護士もいます。
遺産相続の内容によって費用の計算方法は違いますが、遺産相続について民事事件となった場合は下記の基準によって費用が算出されるようです。
図表1
遺産の評価額 | 着手金 | 弁護士報酬 |
---|---|---|
300万円以下 | 8% | 16% |
300万円超3,000万以下 | 5% + 9万円 | 10% + 18万円 |
3,000万円超3億円以下 | 3% + 69万円 | 6% + 138万円 |
3億円超 | 2% + 369万円 | 4% + 738万円 |
(旧)日本弁護士連合会報酬等基準を基に作成
たとえば、遺産の評価額が5000万円だった場合、次の計算式で着手金と弁護士報酬になります。
【着手金の計算】
5000万円 × 3% + 69万円 = 219万円(着手金)
【弁護士報酬の計算】
5000万円 × 6% + 138万円 = 438万円(弁護士報酬)
このように計算できますが上記の計算はあくまで一例です。場合によっては、5000万円について、300万円までの着手金割合+3000万円までの着手金割合+3000万円を超える範囲である1700万円までの着手金割合を合計する形で費用を算定する事務所もあります。具体的な費用については見積書をもらい、費用が高いような場合、内容について相談してみるのもいいでしょう。また、遺言書作成だけを代行してもらうケースなど、ケースによって費用は異なります。
旧報酬規定によらない費用相場
旧報酬規定によらない報酬設定している弁護士は、弁護士ごとに費用の計算方法が異なります。
たとえば、着手金は遺産の評価額に関係なく「一律30万円」だとか、弁護士報酬は「遺産の評価額の10%」だとかさまざまな計算方法で費用を算出します。計算方法によっては旧報酬規定よりも費用が増えるケースもあるため、必ず費用の計算方法を確認しておきましょう。
なお、旧報酬規定によらない費用が相場より高いかどうかは、複数の弁護士から費用の見積もりを取得することで比較が可能です。
弁護士に遺産相続を相談するときによくある質問
弁護士に遺産相続を相談する人は多く、それに伴い多くの悩みや疑問が発生します。
遺産相続を弁護士に相談するときによくある質問は、次のとおりです。
●相続の相談は弁護士にすべき?
●相続放棄の手続きはどこまで弁護士がやってくれる?
●弁護士と司法書士ではどちらが安いですか?
弁護士に遺産相続を相談するときには、悩みや疑問を解説したうえで相談しましょう。
相続の相談は弁護士にすべき?
相続する過程で揉め事が発生した場合や、相続手続きのすべてを任せたい場合は弁護士に相談すべきでしょう。
とくに遺産相続で揉めて訴訟を起こす場合は、弁護士への相談が必須です。訴訟は弁護士の独占業務であり、個人で訴訟を起こし進めていくのは困難です。また、遺産相続でトラブルになりそうなとき、事前に弁護士に相談すればトラブルを回避できます。
相続放棄の手続きはどこまで弁護士がやってくれる?
相続放棄の手続きを依頼すれば、弁護士が手続きの準備から裁判所への申述まですべて行ってくれます。
遺産相続する場合、預金よりも借金のほうが多く、相続する意味がないということもあるでしょう。そのようなときは、弁護士に相続放棄を依頼し、財産のすべてを受け継がないことも可能です。
なお、相続放棄は、自分のために相続があったことを知った日の翌日から3ヶ月以内に、裁判所へ相続放棄の申述をしなければなりません。相続放棄には期限があることを理解し、早めに手続きを進めましょう。
弁護士と司法書士ではどちらが安いですか?
遺産相続の相談をした場合、弁護士と司法書士のどちらが安いとは一概に言い切れません。
遺産相続に関連する手続きはさまざまであり、弁護士や司法書士によっても金額が異なります。金額の違いを知るためには、弁護士と司法書士それぞれから費用の見積もりを取得し比較しましょう。
遺産相続に詳しい弁護士に相談しよう
遺産相続で弁護士に相談するのは、遺産相続でトラブルになりそうなとき、トラブルになって解決したいときです。
弁護士は遺産相続に関する手続きをすべて行えますが、トラブル解決のための訴訟は弁護士の独占業務です。遺産相続で揉めてしまうと、相続人同士の話し合いで解決するのは難しいため、早めに弁護士に相談するとよいでしょう。
弁護士に相談するときには遺産相続に強いかどうか、費用の内訳は明瞭で相場なのか確認する必要があります。自分にあった弁護士を選択し、遺産相続をトラブルなく進めていくようにしましょう。
出典
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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