更新日: 2024.08.23 相続税

妻から「タンス預金は泥棒に入られたら困るから、銀行に預けて」と強く言われてしまいました。300万円もあるので、預けると税金や手数料がかかるのではないかと思うのですが、預けたほうが良いのでしょうか?

妻から「タンス預金は泥棒に入られたら困るから、銀行に預けて」と強く言われてしまいました。300万円もあるので、預けると税金や手数料がかかるのではないかと思うのですが、預けたほうが良いのでしょうか?
銀行にお金を預けず、自宅で保管する「タンス預金」。銀行から出金する際の手数料などを避けたり、いつでも自由にお金を使ったりするためにタンス預金を持つ人もいますが、デメリットもあります。
 
本記事ではタンス預金のメリット・デメリットや、あとからタンス預金を銀行に入れたときに手数料や税金が発生するのかを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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タンス預金のメリット・デメリット

タンス預金の大きなメリットは、「いつでも自由にお金を使える」という点です。自宅に現金があれば、金融機関やコンビニのATMを操作してお金を引き出す手間が必要なく、すぐお金を使えます。
 
また、万が一の銀行の破綻や相続の発生時も、タンス預金があると便利です。銀行が破綻すると元金1000万円とその利息を超えた分の預金は補償の対象にならない可能性がありますが、タンス預金なら資産を失う心配はありません。
 
相続が発生すると遺産分割協議が終わるまで故人の預金口座が凍結されて現金を引き出せなくなりますが、タンス預金なら葬儀費用などのまとまったお金が必要なときにすぐ利用できます。
 
一方、タンス預金では「災害による焼失」「盗難」「紛失」という形で貯金を失うリスクがある点には注意が必要です。災害で現金を失った場合、仮に火災保険や地震保険に加入していても現金は補償されません。盗難や紛失のリスクがあるため、何百万円も自宅でタンス預金することはリスクが高い行為といえます。
 
高額なタンス預金を持っている人は、万が一のときにすぐ使えるお金として一部のお金を自宅に残しつつ、現金を失うリスクをなくすために銀行に預けたほうが安心でしょう。
 

口座に入れても税金や手数料はかからないが、名義預金の相続税に注意

原則として、タンス預金を銀行口座に預けたからといって何らかの税金が課されることはありません。手数料も同様で、入金手数料が必要ない方法で預ければ余分なお金を支払う必要はありません。
 
例えば都市銀行や地方銀行では口座と同じ銀行のATMを利用することで、平日または土曜日の一部時間帯でATM利用手数料が無料です。ネット銀行では「月に○回までATM手数料無料」のサービスが提供されていることがあり、無料の範囲内なら手数料なしで入金できます。
 
ただし、将来のために子どもや孫の名義の口座にお金を入れようとすると、将来的に相続税が発生する可能性があるため注意が必要です。
 
「口座の名義人」と「実際の所有者」が異なる預金は「名義預金」と呼ばれます。自分のお金をほかの人の名義の口座で管理しているに過ぎず、口座の実質の所有者が亡くなったとき、口座内のお金は相続財産として相続税の課税対象となります。
 
生前に現金を子どもや孫に渡す「生前贈与」なら、子や孫が受け取る財産の合計金額が年間110万円に達するまで贈与税はかかりません。一方、名義預金はお金を入れてくれた人が亡くなって相続が発生したとき、全額が相続税の課税対象になります。
 

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まとめ

タンス預金そのものは違法行為ではありませんが、高額な現金を自宅で保管することで「焼失」「盗難」「紛失」などのリスクが高まります。せっかく貯めた財産を失わないようにするためにも、一部を残して銀行に預金することも検討しましょう。
 
子どもや孫に財産を渡したい場合も、子どもや孫の口座にお金を入れる名義預金では将来に相続税が発生する可能性があるため、自身の口座に入れた後に生前贈与という形をとるほうが良いでしょう。
 

出典

国税庁 被相続人以外の名義の財産(預貯金)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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