更新日: 2024.09.05 相続税
「旧札だけ」のタンス預金が「500万円」。「中身まるごと」銀行に預けることはできますか?
そこで本記事では、旧札を銀行に預ける際の注意点について詳しくご説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
新札が発行されても旧札の価値は変わらない
新しい紙幣が導入されても、古い紙幣がすぐに使えなくなるわけではありません。現行の日本銀行法第四十六条第2項によって「日本銀行が発行する銀行券(中略)は、法貨として無制限に通用する」と規定されています。この法律により、古い紙幣の法的な価値は確保されています。
そのため、新紙幣が発行された場合でも、基本的には古い紙幣は引き続き有効です。新しい紙幣の導入により、古い紙幣の価値が減少するのではないかと心配される方もいるかもしれませんが、法的な通用力が保証されている限り、古い紙幣の価値には影響がありません。
銀行は一定額以上の入出金に対して本人確認や取引目的の説明を求めてくる
銀行などの金融機関は、一定額以上の入出金に対して、本人確認や取引目的の説明を求める場合があることが、法律で義務付けられています。これは、不正な取引やマネー・ローンダリングを防ぐための措置だといわれています。したがって、大量の旧紙幣を預ける場合でも、これらの対応が必要になる場合があります。
多額のお金を預ける際は要注意
多額の旧札が預けられた場合は、法律で義務付けられている以上、銀行は本人確認や取引目的の説明を求めなければならない場合があります。そこで出所が明らかでないお金や違法な活動から得られた疑いがあるお金だと判断された場合には、銀行から警察に通報が行く可能性もあります。
銀行の本人確認
本人確認を行う際には、氏名や住所、生年月日が記載された公的な書類が必要です。これには運転免許証やマイナンバーカード、パスポート、健康保険証、年金手帳などが該当します。
以前は、これらの書類のうち1つを提示することで本人確認が行われていました。しかし、平成28年10月以降、顔写真がない書類(健康保険証など)で本人確認を行う場合には追加の書類が必要になりました。運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど顔写真付きの書類の場合は、従来通り1点で本人確認が可能です。
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タンス預金は相続税の課税対象となる
タンス預金の存在を知っているのが本人や一部の家族だけの場合、そのまま内緒にしておけば税金はかからないと考える人もいるかもしれません。
しかし、実際にはタンス預金も贈与税や相続税の対象となります。相続税は相続人が相続した財産全体に対して課される税金で、現金だけでなく不動産や株式、その他の財産も含まれます。
したがって、タンス預金(家庭内に保管されている現金)もその一部として考慮されるのです。お金が銀行にあるか自宅にあるかの違いに過ぎないため、適切に申告しなければなりません。税務調査が行われた際には、その場しのぎの言い訳は通用せず、厳しい罰則が科される可能性もあるため注意しましょう。
相続税は相続財産の総額が一定の額を超えた場合に課税される
相続税は、相続財産の総額が一定の額を超えた場合に課税されます。その一定の額は「基礎控除額」と呼ばれ、法定相続人の数によって変わるといわれています。
国税庁によると、基礎控除額の算出方法は以下のとおりです。
・基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人の数)
法定相続人が1人だけなら、基礎控除額は3600万円となります。法定相続人が2人なら4200万円、3人なら4800万円です。相続財産(現金を含む)の総額がこの基礎控除額を超えた場合に、その超過分に対して相続税が課されるというわけです。
旧札だけのタンス預金500万円をそのまま銀行に預けることは可能
旧札だけのタンス預金500万円をそのまま銀行に預けることは可能です。日本銀行法によって、旧札も基本的には引き続き法定通貨として通用させることが定められているため、銀行に預けることができます。
もっとも、銀行によっては大量の現金預け入れに関して事前に連絡が必要な場合や、手続きに時間がかかることもありますので、事前に銀行に確認しましょう。
出典
e-Gov法令検索 日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第四十六条第2項
国税庁 No.4152 相続税の計算
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー