更新日: 2024.09.11 葬儀

夫が亡くなり、健康保険から「埋葬料5万円」が給付されました。定年退職で保険から“抜けていた”のですが、受け取って大丈夫なのでしょうか?

夫が亡くなり、健康保険から「埋葬料5万円」が給付されました。定年退職で保険から“抜けていた”のですが、受け取って大丈夫なのでしょうか?
近年葬儀の形は多様化しており、参列者が少なく小規模な葬儀のスタイルを選ぶ人も増えてきています。このような葬儀は、家族や親しかった友人たちと心のこもったお別れができるほか、費用も比較的抑えられるというメリットがあります。
 
しかし、選択肢が増えてきているとはいえ、葬儀の費用を負担に感じる人もいるでしょう。費用面で不安になることも多い葬儀ですが、健康保険に加入していた場合、健康保険組合から受け取れる「埋葬料」という給付金があることを知っていますか? 本記事では、この埋葬料について詳しく解説します。
渡辺あい

執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)

ファイナンシャルプランナー2級

埋葬料とは

健康保険に加入している被保険者が亡くなった場合、健康保険組合から「埋葬料」が支給されます。この埋葬料は一律で「5万円」です。埋葬料を受け取ることができるのは「亡くなった被保険者により生計を維持されて、埋葬を行う人」とされています。
 
埋葬料を受け取る人がいない場合は、実際に埋葬を行った人が、5万円の埋葬料の範囲内で実際に埋葬に要した費用を「埋葬費」として受け取ることができます。
 
また、被保険者本人だけでなく、被保険者の扶養者が亡くなったときにも給付金があり、こちらは「家族埋葬料」として被保険者に「5万円」が支給されます。
 

埋葬に要した費用とは

実際に埋葬に要した費用とは、具体的にはどのような費用を指すのでしょうか。「埋葬」という名から、「火葬」や「納骨」の費用のようなイメージを持つ人もいるかもしれません。実際に埋葬料の対象となるのは、霊柩(れいきゅう)車代、霊柩(れいきゅう)運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶の謝礼等が対象です。
 

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申請に必要なものと申請期限

埋葬料の申請には死亡診断書のコピー、埋葬許可証・火葬許可証のコピー、葬儀にかかった費用が分かる領収書などが必要です。また被保険者と生計を同一にして遺族は、それを証明するための住民票や定期的な金銭的な援助が分かる通帳のコピーなども用意しなければなりません。
 
さらに、埋葬料をはじめとした給付には、申請期限があります。埋葬料と家族埋葬料の場合は故人が亡くなった日の翌日から2年、埋葬費は葬儀の翌日から2年が時効となっているので、忘れずに申請するようにしましょう。
 

保険資格を喪失した後でももらえることがある?

埋葬料の受給資格があるのは、健康保険に加入している被保険者とその扶養者ですが、亡くなった当時に健康保険に加入していなくても埋葬料の支給資格が有効なケースがあります。
 
退職や特定の年齢に達して健康保険が使えなくなることを「資格喪失」といいますが、被保険者だった人が、資格喪失後3ヶ月以内に亡くなったとき、あるいは資格喪失後の傷病手当金または出産手当金の継続給付を受けている間に亡くなったとき、またその給付を受けなくなってから3ヶ月以内に亡くなったときは、たとえ資格を喪失していても埋葬料給付の対象となります。
 

まとめ

健康保険に加入している人やその扶養者が亡くなると、健康保険組合から埋葬料あるいは埋葬費が5万円を上限に支給されます。また、亡くなったときに健康保険に加入していなくても条件を満たせば給付の対象となることもあります。
 
ただし、いずれの場合も申請には期限があるので、必要な書類を早めにそろえて遅滞なく申請するようにしましょう。
 

出典

全国健康保険協会 ご本人・ご家族が亡くなったとき
全国健康保険協会 健康保険埋葬料(費)支給申請書
 
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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