更新日: 2024.09.12 贈与
祖父母から進学資金として「300万円」を援助してもらう予定です。一括だと税金がかかるし「分割」でもらった方がいいですか?
まとめて教育資金を受け取りたいときは、制度の活用も検討しましょう。今回は、贈与税の課税条件や教育資金の受け渡しで利用できる制度などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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贈与税の課税条件は?
贈与税は、1年間で贈与された金額が合計110万円を超えている場合に課される税金です。基礎控除額の110万円を超えた金額が課税対象になります。
例えば、1年間で300万円の贈与を受けた場合の課税対象は、基礎控除額を引いた190万円です。贈与税率は課税価格などによって変動し、国税庁によれば190万円だと税率は10%なので、贈与税は19万円が課されます。
ただし、生活費や教育費のために扶養義務者(父母・祖父母など)が直接支払ったお金で通常必要と認められるものなら、贈与税の対象にはなりません。非課税とみなされるのは、必要になるたびに都度お金が支払われた場合です。そのため、頻繁に会う機会があるなら、一括で渡すよりも必要な都度分けて渡した方が非課税とみなされる可能性があるでしょう。
教育資金の贈与なら一括贈与制度を活用できる
300万円をまとめて孫の教育資金として渡したいときは、「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」(以下制度)を利用すると、非課税になります。国税庁によると、受贈者が30歳未満で、直系尊属が正式な手続きを踏んだ専用口座を介して送金すれば、1500万円まで非課税で贈与が可能です。
ただし、制度を活用して非課税で送金できるのは教育資金のみになります。国税庁が提示している教育資金とは学校などに対して直接支払うお金や、学校など以外で教育を受けるために支払われるお金で社会通念上相当と認められるものです。例としては、以下が挙げられています。
・入学金や授業料
・学用品の購入費や修学旅行費
・学習塾やそろばん、水泳などの月謝
・習い事で必要な道具の購入費
なお、制度を利用できるのは令和8年3月31日までのため、注意しましょう。
申請方法
制度を利用するためには、専用口座を開設します。次に、専用口座を開設した金融機関へ教育資金非課税申告書を提出しましょう。申告書は、教育資金を送金する前に提出する必要があります。専用口座を開設する日と同日に教育資金を送金するケースが多いので、口座を開設するまでに必要な書類はそろえておきましょう。
なお、教育資金を送られた側も、お金を使用したときの領収書などを保管する必要があります。提出期限は専用口座開設時に選択した払い出し方法に応じて、支払いの都度支払い年月日から1年以内に領収書を提出するのか、支払った翌年3月15日までにまとめて提出するのかが変わります。詳細は口座を開設した金融機関へ問い合わせましょう。
贈与税が課されるケース
まず、制度を利用しても教育資金以外に利用すると、その金額分は通常の贈与として扱われます。教育資金として利用したときは必ず領収書などの証拠を残しておきましょう。
また、制度を利用してお金を受け取っていた方が30歳に達したなどの理由で制度の利用が終了した際、口座に残っているお金があれば贈与として扱われます。
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制度を利用することで教育資金の一括贈与が1500万円まで非課税になる
通常の贈与は1年間で110万円以上受け取っていれば税金が課されます。しかし、生活費や教育費のために必要な都度支払われたお金なら非課税になります。祖父母と会う機会が多いなら、一括で受け取るよりも必要になったタイミングで教育費を支払ってもらった方がよいでしょう。
あまり祖父母と会えないときは、令和8年3月31日までなら一括贈与の非課税制度が利用できます。条件を満たしていて、正式な手続きをしていれば、一括で300万円を贈与されても税金は課されません。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー