「実家じまい」に「2000万」も?破産寸前に追い込まれることも…その実態とは?

配信日: 2024.09.16

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「実家じまい」に「2000万」も?破産寸前に追い込まれることも…その実態とは?
「実家じまい」という言葉を、耳にしたことはありますか。最近、テレビや新聞でこの言葉が少しずつ使われるようになり、ぼんやりと理解をしている人もいるでしょう。
 
今回は、改めてこの「実家じまい」について、解説します。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

「実家じまい」とは?

「実家じまい」とは、簡単に言うと、両親が住んでいた家を手放すことです。ポイントは「両親が住んでいた」というところです。
 
つまり、両親が亡くなった、あるいは介護施設等に入ったことにより、空き家になった家を売却することを指します。空き家をリフォームして、子などが引き継ぐのであれば、「実家じまい」とまではいきません。この「実家じまい」は、両親が住んでいた家が空き家となり、身内では使い道がないため使うこともなく、手放すことを言います。
 
では、なぜ「実家じまい」が必要なのでしょうか。
 

実家じまいの必要性

「実家じまい」で実家を手放す理由は、空き家を保有し続けると税金や管理費等がかかるからです。例えば、税金については、空き家であっても固定資産税がかかります。管理費等については、水道光熱費を閉じなければ、たとえ使用しなくても最低料金がかかります。このように、1年あたりの金額はそれほど多くないかもしれません。
 
しかし、それが5年10年と続くとどうでしょうか。塵も積もれば山となる、です。さらには、年数が経つと、家がいたんできたりもします。その家の修繕、庭木が近所の人に迷惑をかけるなど、このような理由から時間や費用がかかることもあります。
 
しかし、

●いずれ住むかもしれない
●もしかしたら貸すかもしれない

 
このような思いから、親から引き継いだ家をそのままにしている人もいます。ただ実際は、「実家じまい」の行動を起こすことが大変で、そのままになっている人が多いようです。
 

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「実家じまい」は誰がするべきなのか

「実家じまい」は、必ずしも引き継いだ人がするものではありません。親が終の棲家を見つけて移動するという場合は、その家を今後使うことがないのであれば売却して処分してしまうのが理想です。
 
しかし、病気や事故等により親が家から突然離れることになり、そこまで準備できないことも多いのが実状です。誰がいつ「実家じまい」するのか、親子で話し合って決める必要があるでしょう。その際、以下のポイントをおさえておきましょう。
 

●親が万一のときに家を売却するのか維持するのか
●売却するのであれば、どのタイミングで売却するのか
●維持するのであれば、その後の費用(リフォーム代や税金等)の見積もりをしておく

 
親は、元気なうちに、家について、子に将来住むのか住まないのかをしっかり確認しましょう。子は、親が元気なうちに、家について、住む意思があるのかないのかをしっかり伝えましょう。どちらから話を切り出すというのがポイントではなく、家の今後について、決めておくことが大切です。
 

「実家じまい」について話し合いましょう

「実家じまい」は家そのものだけの処分に限りません。家の中にある家財道具等も処分の対象です。家を処分する前に家財道具の処分が必要になります。つまり、家の中にある全てのものに処分費用がかかるのです。
 
実際に「実家じまい」をした人によると、家財道具の処分費用だけで、数百万円かかったというケースもあります。費用だけではなく、捨てるか捨てないかを考えるために多くの時間をとられることにもなります。
 
また、ここまで解説してきたように、費用は家の売却までに時間がかかればかかるほど増えることになり、「実家を十数年放置して、税金や管理費等、リフォーム代で2000万円近く使った」という話を聞いたこともあります。
 
「実家じまい」の話し合いは、親子間での話し合いにより、事前準備ができます。ぜひ、長期休みを利用して、親子で話し合ってみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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