贈与税って「6年間」バレなければ大丈夫なんですか? 親が毎年「生前贈与」としてお金を渡してくれるのですが、6年前のものは“税金”がかからないということでしょうか?

配信日: 2024.09.21

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贈与税って「6年間」バレなければ大丈夫なんですか? 親が毎年「生前贈与」としてお金を渡してくれるのですが、6年前のものは“税金”がかからないということでしょうか?
「生前贈与」を受け取る際に贈与税はつきものです。しかし「6年経てば税金はかからない」という話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。もしも、生前贈与を受け取ってから6年が経過した場合、贈与税はどうなるのでしょうか。また、贈与があったことを故意に隠した場合のペナルティはないのでしょうか。
 
本記事では、贈与税がかかる条件や時効について詳しく解説します。
渡辺あい

執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)

ファイナンシャルプランナー2級

贈与税とその時効

贈与とは、当事者の一方が自身の財産を相手方に無償で譲り、相手方が受け取る意思表示をしたときに成立する一種の契約です。
 
「財産を譲る」という意味では相続とよく似ていますが、相続は人の死によって発生する財産の移転なのに対し、贈与は契約によって財産が移転するという違いがあります。また、譲り受けた財産が一定額以上の場合は、相続の場合は相続税が、贈与の場合は贈与税がかかります。
 
贈与によって財産の譲渡があった場合は、原則として財産を受け取った人が、贈与があった年の翌年の2月1日から3月15日までに贈与があったことを申告し、贈与された財産に応じた贈与税を支払う必要があります。
 
また、贈与税には時効があり、時効は原則6年です。ただし、脱税を目的として故意に贈与の事実を隠して申告しなかった場合には、時効が7年に延長されます。この時効は贈与を受けた日からではなく、贈与税の申告期限の翌日である贈与があった翌年の3月16日を起算日としてカウントします。
 

申告していないとペナルティも

贈与税がかかるほどの贈与があったにも関わらず、申告期限までに申告しなかったり、過少に申告したことが発覚した場合は、通常収める贈与税のほかに加算税がかかります。また、納税が期限に遅れた場合は、その遅れた税額に対して延滞税がかかります。受け取った財産の額によって贈与税の額は異なりますが、申告しなかった財産が大きければ大きいほど、ペナルティとなる加算税や延滞税が大きくなることが考えられるでしょう。
 

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贈与税のうち、非課税扱いになるもの

贈与があっても申告が必要のないケースもあります。次のケースに当てはまる場合は、申告する必要もなく、贈与税は非課税扱いとなります。

・年間110万円までの贈与
 
・生活費や教育費
 
・香典や祝い金
 
・住宅取得等資金のうち一定の要件を満たすもの
 
・教育資金のうち一定の要件を満たすもの
 
・結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすもの

このうち年間110万円までの贈与は、単発の贈与であれば贈与税はかかりません。ただし毎年100万円ずつ数年間にわたって贈与を受けることを当事者間で約束している場合には、「定期贈与」とみなされてしまいます。
 
この場合は、贈与があった期間分贈与を受けたとしてその総額に贈与税がかかります。例えば年間100万円の贈与を10年間おこなうという約束がある場合は、合計額である1000万円が贈与税の対象となるのです。
 

贈与税の持ち戻しに注意

「贈与」として受け取ったものでも「相続」の対象となることがあります。贈与がおこなわれたのち、財産を譲った当事者が亡くなった場合、その死亡よりも前の7年以内の贈与は相続税の対象となるのです。
 
これを「生前贈与加算(持ち戻し)」といいます。本来は贈与税の対象とならない財産であっても、7年以内に贈与者が亡くなると贈与された財産は、相続税の対象となるので注意が必要です。
 

脱税は許されないこと。きちんと申告しよう

贈与を受けたとき、6年間の申告忘れがある場合、あるいは7年間故意に申告をしなかった場合は贈与税の時効が成立し、それまでの贈与税の支払い義務は消滅します。ただし、財産隠しや財産の過少申告は「脱税」であり、許されないことです。
 
また、時効前にその事実が発覚した場合、重いペナルティが課せられることもあります。贈与を受けた場合、贈与税の対象となる財産は漏れなく税務署に申告するようにしましょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4429 贈与税の申告と納税
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
 
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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