更新日: 2024.11.10 相続税

遺産格差の実態…親の遺産が「数百万円」なのは少数派でしょうか?

遺産格差の実態…親の遺産が「数百万円」なのは少数派でしょうか?
親からの最後の贈り物でもある遺産について、金額の問題ではないと分かっていても、周りと比べてしまうこともあるでしょう。自分が受け取った金額の数倍の遺産を受け取ったという話を耳にすれば、「自分の相続額は極端に少なかったのでは?」と感じるかもしれません。
 
また、ネットニュースなどで一部の事例に触れる機会はあっても、日常生活で話題に上る機会は限られるため、一般的な金額を把握しにくいものです。
 
そこで今回は、相続財産の平均額や分布などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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相続財産の平均は約2600万円、中央値は1000万~2000万円

株式会社鎌倉新書が運営する情報サイト「いい相続」が行った、「【第2回】相続手続きに関する実態調査(2024年)」によると、相続財産の全国平均額は2585万8000円、中央値は1000万〜2000万円です。ただし、1都3県に限定した平均額は2996万6000円、中央値は2000万~3000万円であり、地域差があることが分かります。
 
なお、上記調査の対象は、「いい相続」経由で専門家と無料面談を行った人などです。相続財産がない人は、相続の相談をする機会も限られると考えられるため、平均額が実態よりも高くなっている可能性がある点にご注意ください。
 

相続財産1000万円未満は全体の42%

同調査によると、相続財産の分布は次の通りです。
 

・1000万円未満:42%
・1000万~2000万円未満:14.6%
・2000万~3000万円未満:12.7%
・3000万~4000万円未満:10.8%
・4000万~5000万円未満:7.2%
・5000万円以上:12.8%

 
「1000万円未満」が最多ではあるものの、50%を下回っています。したがって、「1000万円未満」「1000万円以上」で分類した場合には、「1000万円以上」の方が多数派といえるでしょう。
 
この傾向は1都3県に限定した分布でも同様です。ただし、「1000万円未満」は28.4%と、全国の数値を約14%下回ります。
 

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相続財産で最も多い形態は「土地・建物」

中身はさまざまな相続財産ですが、形態の割合は表1の通りです。前述の調査によると、全国では「土地・建物」が最多の84.4%を占めており、2位の「現金・預貯金」とは約18%の差があることが分かります。
 
一方、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は「現金・預貯金」が1位、「土地・建物」が2位と、全国と逆の順位です。また、1位と2位の割合の差も1.4%となっており、地域差があることが読みとれます。
 
表1

順位 全国 1都3県
1 土地・建物
84.4%
現金・預貯金
79.1%
2 現金・預貯金
66.7%
土地・建物
77.7%
3 生命保険
25.7%
生命保険
25%
4 有価証券・投資信託などの金融商品
19.2%
有価証券・投資信託などの金融商品
23%
5 山林・農地
15.3%
山林・農地
12.2%

※株式会社鎌倉新書「【第2回】相続手続きに関する実態調査(2024年)─相続手続きに関わる方の7割が相続登記の義務化について認知─」を基に筆者作成
 

相続財産は1000万円以上が多数派

相続財産の全国平均は2585万8000円、中央値は1000万~2000万円ですが、地域差があると考えられます。また、1000万円単位での金額分布では、「1000万円未満」の42%が最多です。ただし、「1000万円未満」と「1000万円以上」で分類した場合には、「1000万円以上」が多数派となります。
 
なお、相続財産とは「亡くなった人から受け継いだもののうち、金銭で評価できるもの」であり、現金や預金以外も含まれます。形態の割合は、全国では「土地・建物」が最多ですが、1都3県では「現金・預貯金」がトップになるなど、地域によって傾向が異なるようです。
 

出典

株式会社鎌倉新書 いい相続 【第2回】相続手続きに関する実態調査(2024年)-相続手続きに関わる方の7割が相続登記の義務化について認知-
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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