更新日: 2024.11.10 相続税
遺産格差の実態…親の遺産が「数百万円」なのは少数派でしょうか?
また、ネットニュースなどで一部の事例に触れる機会はあっても、日常生活で話題に上る機会は限られるため、一般的な金額を把握しにくいものです。
そこで今回は、相続財産の平均額や分布などについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
相続財産の平均は約2600万円、中央値は1000万~2000万円
株式会社鎌倉新書が運営する情報サイト「いい相続」が行った、「【第2回】相続手続きに関する実態調査(2024年)」によると、相続財産の全国平均額は2585万8000円、中央値は1000万〜2000万円です。ただし、1都3県に限定した平均額は2996万6000円、中央値は2000万~3000万円であり、地域差があることが分かります。
なお、上記調査の対象は、「いい相続」経由で専門家と無料面談を行った人などです。相続財産がない人は、相続の相談をする機会も限られると考えられるため、平均額が実態よりも高くなっている可能性がある点にご注意ください。
相続財産1000万円未満は全体の42%
同調査によると、相続財産の分布は次の通りです。
・1000万円未満:42%
・1000万~2000万円未満:14.6%
・2000万~3000万円未満:12.7%
・3000万~4000万円未満:10.8%
・4000万~5000万円未満:7.2%
・5000万円以上:12.8%
「1000万円未満」が最多ではあるものの、50%を下回っています。したがって、「1000万円未満」「1000万円以上」で分類した場合には、「1000万円以上」の方が多数派といえるでしょう。
この傾向は1都3県に限定した分布でも同様です。ただし、「1000万円未満」は28.4%と、全国の数値を約14%下回ります。
【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断
相続財産で最も多い形態は「土地・建物」
中身はさまざまな相続財産ですが、形態の割合は表1の通りです。前述の調査によると、全国では「土地・建物」が最多の84.4%を占めており、2位の「現金・預貯金」とは約18%の差があることが分かります。
一方、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は「現金・預貯金」が1位、「土地・建物」が2位と、全国と逆の順位です。また、1位と2位の割合の差も1.4%となっており、地域差があることが読みとれます。
表1
順位 | 全国 | 1都3県 |
---|---|---|
1 | 土地・建物 84.4% |
現金・預貯金 79.1% |
2 | 現金・預貯金 66.7% |
土地・建物 77.7% |
3 | 生命保険 25.7% |
生命保険 25% |
4 | 有価証券・投資信託などの金融商品 19.2% |
有価証券・投資信託などの金融商品 23% |
5 | 山林・農地 15.3% |
山林・農地 12.2% |
※株式会社鎌倉新書「【第2回】相続手続きに関する実態調査(2024年)─相続手続きに関わる方の7割が相続登記の義務化について認知─」を基に筆者作成
相続財産は1000万円以上が多数派
相続財産の全国平均は2585万8000円、中央値は1000万~2000万円ですが、地域差があると考えられます。また、1000万円単位での金額分布では、「1000万円未満」の42%が最多です。ただし、「1000万円未満」と「1000万円以上」で分類した場合には、「1000万円以上」が多数派となります。
なお、相続財産とは「亡くなった人から受け継いだもののうち、金銭で評価できるもの」であり、現金や預金以外も含まれます。形態の割合は、全国では「土地・建物」が最多ですが、1都3県では「現金・預貯金」がトップになるなど、地域によって傾向が異なるようです。
出典
株式会社鎌倉新書 いい相続 【第2回】相続手続きに関する実態調査(2024年)-相続手続きに関わる方の7割が相続登記の義務化について認知-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー