更新日: 2024.11.17 贈与

息子に結婚資金として「200万円」ほど援助したいです。100万円以上だと「税金」がかかると聞きましたが、どうにか節税できないのでしょうか?

息子に結婚資金として「200万円」ほど援助したいです。100万円以上だと「税金」がかかると聞きましたが、どうにか節税できないのでしょうか?
子どもが結婚するにあたって、結婚資金として活用してほしいとお金を渡す親もいるでしょう。
 
今までずっと子どものために貯めていた200万円を渡したいと思っているけれど、100万円以上を渡す場合だと税金がかかってしまうのではないだろうか、節税できる方法はないかと考える人もいるかもしれません。
 
本記事では贈与税について、及び結婚資金として渡す場合に活用できる節税制度について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

結婚にかかる費用とは?

そもそも結婚式を挙げる際にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。ゼクシィ 結婚トレンド調査2024によると、結婚する際にかかる平均費用は図表1のとおりです。
 
図表1

支出項目 平均支出額
結納式の費用 84万8000円
両家の顔合わせの費用 10万2000円
婚約指輪 43万2000円
結婚指輪(2人分) 31万6000円
挙式・披露宴・
ウェディングパーティー総額
374万8000円
新婚旅行 64万6000円
新婚旅行土産 6万9000円

株式会社リクルート ゼクシィ 結婚トレンド調査2024 首都圏を基に筆者作成
 
結納・婚約から新婚旅行までにかかる費用の平均支出額は合計492万1000円と算出されています。最近は「結納は行わず両家そろっての食事会にする」「親族だけで挙式する」といったスタイルを選ぶカップルも増えているため、必ずしも約500万円もの金額がかかるわけではありません。
 
しかし結婚に関することは一生に一度のことなので、妥協せずに2人の理想とする「結婚」となるように、ある程度の貯蓄は必要だといえるでしょう。
 
また、このような高額な支出を見ると、息子が結婚する際には少しでも援助してあげたいと思う親心も理解できるのではないでしょうか。
 

贈与税がかかるケースについて

贈与税は個人からの贈与で財産を得たときにかかる税金です。贈与税の課税方法は「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類から選びますが、ここでは「暦年課税」について解説します。
 
国税庁によると「暦年課税とは、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に対して課税される方式」です。
 
つまり1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下なら、暦年課税による贈与税はかからないということになりますが、今回のケースの場合のように200万円を一括贈与する場合は贈与税が発生することになり、贈与罪の対象となる可能性が高いといえます。
 

【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断

結婚資金を渡す場合に活用できる節税制度とは?

200万円の贈与には贈与税がかかることが分かりましたが、節税することはできないのかと思われる人もいるでしょう。税金がかからない方法として「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」の活用を検討してみるのがおすすめです。
 
この制度は「父母や祖父母などが18歳以上50歳未満の人に対して結婚・子育て資金に充てるための贈与を行う場合に、要件を満たせば1000万円まで送る資金を非課税とする」という制度です。仕様用途としては以下のものが認められています。


●挙式費用、衣装代等の婚礼費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
●家賃、敷金等の新居費用・転居費用(一定の期間内に支払われるもの)

以上のように使用用途が限られている点と、結婚に際して非課税となる贈与は限度額300万円となっている点に注意が必要です。
 

結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度を利用する際の流れ

結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度を利用する際の流れは、以下の通りです。


●金融機関等に非課税申告書を提出し、銀行で口座を開設
●贈与されたお金を上記口座に預け入れる
●口座から払出しおよび子育てに関する資金を支払ったら、その領収証等を金融機関に提出

※支払った日から1年以内または、領収証に記載された支払い年月の属する翌年3月15日までのどちらかに提出が必要で、各金融機関でどちらにするか選択する
●支払った分の資金が同口座から戻ってくる

資金口座を開設する金融機関との契約が必要であることや、支払い後にその事実を証明する書類領収書を提出しなければならないなど、手続きが手間ではありますが、300万円まで全額非課税になるので、税制で優遇されているこの制度を有効活用してみましょう。
 

結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の活用を検討しよう

今回は贈与税がかかるケースについて、税金がかからないようにするために活用できる税制優遇節税制度について解説しました。
 
親や祖父母から結婚に関わる贈与を受けた場合は「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」を活用することで、本ケースでは贈与として渡す200万円全額を有効に利用することができます。
 
銀行との契約や領収証を取得して申請しなければいけないという手間が必要にはなりますが、結婚資金として渡す300万円が非課税で全額使える方法になりますので、ぜひ利用を検討してみましょう。
 

出典

株式会社リクルート ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏版
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集