もう数年、実家が売れない状態です。固定資産税もかかるし大変なのですが、なにか対策はありませんか?

配信日: 2025.01.04

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もう数年、実家が売れない状態です。固定資産税もかかるし大変なのですが、なにか対策はありませんか?
相続等をきっかけに、実家を引き継ぐケースは少なくありません。しかしながら、住む予定のない住宅の場合、引き継いだ人にとってはお荷物になってしまうことが考えられます。実際に売却を試みていても、なかなか売れずに固定資産税ばかりを払ってしまうことになり、マイナスの財産になってしまいます。そのような場合、どのようにすればよいのでしょうか?
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

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販売価格や販売方法を再度考えてみる

引き継いだ財産が、マイナス財産になってしまうという話はよく耳にします。引き継いだものがマイナス財産にならないよう、早く売却したいと考えている人は少なくありません。
 
とはいえ、不動産は高額な買い物となるため、すぐに買い手がつくとはかぎりません。そのような場合は、どのように対処すればよいのでしょうか?
 

■販売価格の見直しをする

不動産が売れない原因としては、立地の良しあしや物件の設備等が購入者の希望にあっていないということが考えられます。そのような場合に取り組むべきことは、販売価格を見直すことです。
 
売れない理由は複数の要因が絡み合っていることが多いのですが、単純に周囲に比べて高ければ売れません。売りたい価格と売れる価格は違うということを認識し、販売価格が適正であるのか、見直ししてみましょう。
 

■販売方法を変更する

販売方法は、不動産会社によって違います。広く多くの人に知ってもらうために、自社のホームページで掲載してもらう以外にも現地の販売会を行ってもらう、チラシを作成しポスティングしてもらうなどがあります。
 
こういった場合、どのような営業活動をしたのか、週に1回もしくは2週間に1回、不動産会社から実施報告があります。このようにしてほしいという要望があるなら、担当者に相談してみましょう。
 
また、販売している不動産会社そのものを変更することも考えてみてもいいでしょう。地元の不動産会社のほうが融通は利く、市場を把握しているといったケースが多いのですが、遠方であってもノウハウを持っている不動産会社の場合であれば、成約に結びつくことは少なくありません。
 
その他にも、売れやすいように内装を直す、水回りを最新の設備に変えるなどの方法もあります。
 

物件を買い取ってもらう

不動産会社のなかには、買い取りも可としている不動産会社もあります。できるだけ早く手放したいなら、買取業者に依頼するのも選択肢の一つでしょう。
 
しかしながら、買取業者に買い取ってもらう場合は、仲介を依頼する際の販売価格よりも低い金額で買い取りが行われることが一般的です。
 
買い取りを依頼するときには、いくらならOKなのかという最低買取価格を提示し、相談するとよいでしょう。複数の不動産を保有している場合で、売却を依頼しているときなどは、無謀な金額でなければ、希望の買取価格で買い取ってもらえる可能性も高くなります。
 

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賃貸に出すことを検討してみよう

売れずに固定資産税ばかりかかってしまうというなら、賃貸に出すことを検討してもよいでしょう。
 
賃貸も販売するときと同様に、設備が古い場合には家賃が近隣の相場よりも低くなる可能性が高くなります。特に、駅から遠い場合などは、価格競争力が落ちてしまいます。距離に負けないプラスアルファのメリットを付け加えることを検討してみましょう。
 
リフォームはしたくない、余計なお金は出したくない場合には、知り合いのなかで現状のまま借りてくれる人はいないかを探すのも手です。ただし、知り合いとはいえ正規の賃貸契約を結び余計なトラブルが起こらないようにすることが必要です。
 
その他、(一社)移住・住みかえ支援機構を通じて、賃貸に出すことも検討してもよいでしょう。
 
移住・住みかえ支援機構のマイホーム借上げ制度の場合、1人目の入居者が決定した以降は、空室が発生しても規定の賃料を受け取ることが可能です。受け取りできる期間は、住宅が賃貸可能な状態であるかぎり続きます。細かい条件が設定されていますが、条件をクリアできているかぎり、借り上げは継続するため、安定した賃貸収入が見込めるといえます。
 
ここで掲げているのは参考例です。どのようにしたいのかをじっくり検討し、それに合わせて方法を考えてみましょう。
 

出典

一般社団法人移住・住みかえ支援機構 住まない家を活用する
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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