孫が大学に合格したので「お祝い」として100万円贈りたいのですが、注意点はありますか?

配信日: 2025.03.19

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孫が大学に合格したので「お祝い」として100万円贈りたいのですが、注意点はありますか?
孫が大学に合格したとき、「お祝いとしてお金を贈りたい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、財産をあげた(贈与した)ときは、もらった人に税金が課される可能性があります。
 
本記事では「財産をもらったときにかかる税金は何か?」「『お祝い』として100万円贈るときの注意点は何か?」について解説します。大学合格以外にも「お祝い」として財産を贈与したいという機会があるかと思われます。今後の参考に、ぜひ最後までお読みください。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

財産をもらったときにかかる税金は何か?

個人から財産をもらった(贈与された)ときは贈与税の課税対象となり、贈与を受けた方には贈与税の支払い義務が生じます。贈与税の課税方法には「暦年課税」と「相続時精算課税」があり、贈与を受けた方は贈与をした方ごとに「暦年課税」にするか「相続時精算課税」にするかを選択することができます。
 
暦年課税とは、「1年間に贈与を受けた財産の合計額を基に贈与税額を計算する」課税方法です。ここでいう1年間とは1月1日から12月31日までの期間のことです。暦年課税の計算上、110万円の基礎控除があることから、「110万円までは贈与税がかからない」といわれています。
 
相続時精算課税とは、「贈与者からの2500万円までの贈与財産は非課税、非課税枠を超える場合の贈与税は一律20%で計算し、贈与者が亡くなったときに贈与分と相続分を合算して相続税で精算する」課税方法です。
 
この課税方法は「相続税で精算する」必要があるため、贈与をする方・贈与を受ける方に制限(条件)があります。また、一度この課税方法を選択すると同じ贈与者からの贈与については暦年課税を選択することができなくなるため、注意が必要です。
 

「お祝い」として100万円贈るときの注意点は何か?

贈与税の課税対象は贈与された財産であり、贈与税を支払う義務が生じるのは贈与を受けた方です。贈与をした方には、何の義務も生じません。したがって、注意点は贈与を受けた方にあります。
 
例えば、その年に贈与を受けたのがお祝い金100万円だけであれば、贈与税は課税されません。しかし、その年にお祝い金以外の財産の贈与を受けていたり、別の方からもお祝い金を受け取っていたりして、その合計額が110万円を超えかつ暦年課税を選択した場合は贈与税が課税されます。
 
また、注意点ではないのですが、誰から贈与を受けたかによって贈与税の税率が変わることは、知っておいたほうがよいかもしれません。その年の1月1日において18歳以上の方が直系尊属(両親・祖父母)から贈与を受けた場合、贈与税の税率の特例を受けられます。
 
お孫さんにお祝い金をあげたものの贈与税が課税されてしまった場合、特例を利用することで贈与税を抑えられるかもしれません。税率の違いは図表1をご参照ください。なお、特例を適用したときの税率は【特例贈与財産用】に記載された税率です。
 
図表1

図表1

※出典:国税庁 「財産をもらったとき」
 

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まとめ

本記事では「財産をもらったときにかかる税金は何か?」「『お祝い』として100万円贈るときの注意点は何か?」について解説しました。結論としては以下のとおりです。
 

・財産をもらったときにかかる税金は贈与税である
・『お祝い』として100万円贈るときは、「贈与を受けた方の、その年に受けた贈与財産(暦年課税)の合計額が110万円を超えていないか」に注意する

 
一般に、「年間110万円までであれば贈与税は課税されない」といわれています。これは間違いではないのですが、「110万円」というのは「贈与を受けた合計額」であり、「1人が贈与をした額」ではありません。
 
例えば200万円の贈与を受けた場合、この200万円について、1人から200万円もらったのか、2人から200万円(1人100万円ずつ)もらったのかで、基本的に違いはないということです。
 
贈与について、よく分かっていなかった方もいらっしゃるかもしれません。本記事が今後の参考になれば幸いです。
 

出典

国税庁 財産をもらったとき
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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