「相続税」を支払えないときの対処法として「相続放棄」はアリ? 放棄された遺産はどうなるの?

配信日: 2025.03.28

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「相続税」を支払えないときの対処法として「相続放棄」はアリ? 放棄された遺産はどうなるの?
相続が発生すると、故人の財産を受け継ぐことになります。しかし、遺産は現金や不動産だけでなく、借金や税金の支払い義務も含まれます。相続税は財産の価値に応じて課税されるため、多額の相続税が課せられるケースも少なくありません。
 
この記事では、相続放棄の仕組みやその後の遺産の行方、そして相続放棄以外の対処法について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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相続税が支払えない!そのときの対処法とは?

相続税は、相続開始を知った日(被相続人の死亡を知った日)から10ヶ月以内に申告・納付しなければなりません。支払えなければ延滞税が発生し、最悪の場合は財産の差押えが行われることもあります。相続税を支払えない場合に考えられる対処法は、以下の通りです。

●相続放棄(財産も負債も一切引き継がない)
●延納(分割で納税する)
●物納(不動産などで納税する)
●生命保険の活用(納税資金を確保する)

相続放棄は、相続税を支払う必要がなくなる一方、財産もすべて放棄することになるため、慎重に判断する必要があります。
 

相続放棄のメリット・デメリット

相続放棄とは、被相続人の財産や負債を一切引き継がない方法のことです。家庭裁判所に申し立てを行い、手続きを完了すれば、相続人としての権利と義務をすべて放棄できます。相続放棄には、どのようなメリット・デメリットがあるのか紹介します。
 

相続放棄のメリット

●借金も含めて一切の負担を受け継がない
●相続税の支払い義務がなくなる
●他の相続人が代わりに相続できる(財産を維持できる可能性)

なお、借金を相続放棄し、現金のみ相続する、というように一部の財産だけを引き継ぐことはできません。相続できる遺産の範囲内で借金を引き継ぎたい場合には、相続放棄ではなく、限定承認を選ぶとよいでしょう。
 

相続放棄のデメリット

●プラスの財産が受け取れない(不動産や預貯金も放棄)
●手続きが厳格で期限がある(原則、相続開始から3ヶ月以内)
●次順位の相続人に負担が移る可能性がある

相続放棄は、プラスの財産よりも借金が多い場合に有効です。そのため、単に相続税が払えないからといって安易に選ぶのはおすすめしません。
 

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相続放棄後の遺産はどうなるのか?

相続放棄をすると、その相続人は最初から「相続人ではなかった」ものとみなされ、次の順位の相続人が遺産を引き継ぐことになります。配偶者は常に法定相続人となり、子どもや親、兄弟などは表1に示すような優先順位があります。
 
表1

相続順位 相続人の続柄
第1順位 直系卑属(子ども・孫など)
第2順位 直系尊属(父母・祖父母など)
第3順位 兄弟姉妹(甥・姪)

国税庁「相続人の範囲と法定相続分」を基に筆者作成
 
先順位の人が1人でもいれば、後順位の人は相続人になりません。子どもが相続放棄すると、次は親が相続人となります。それも相続放棄されると、相続権は兄弟姉妹に移ります。このように、相続放棄は他の家族に影響を与えるため、事前に親族間で話し合うことが重要です。
 
最終的に誰も相続しない場合、その財産は国庫に帰属することになります。ただし、相続財産清算人の選任が必要になる場合があるため、注意が必要です。相続財産清算人に財産を引き渡すまでは、財産の保存義務が残ることがある点に留意しましょう。
 

相続放棄以外の相続税対策

相続税が払えない場合、相続放棄以外にも対処法があります。
 

延納(分割で納税する)

延納とは、相続税を最大20年まで分割して納める方法のことです。以下の条件を満たせば利用できます。

●相続税額が10万円を超えている
●一括で納税することが困難である
●担保を提供できる場合(一定額以上の延納時)

 

物納(不動産で納税する)

現金がない場合、不動産や有価証券を使って物納することも可能です。ただし、国が認める財産でなければなりません。
 

生命保険の活用

相続税を支払うための現金を、生命保険で確保する方法があります。被相続人が生前に生命保険に加入し、受取人を相続人に指定しておけば、相続発生時に保険金を受け取り、相続税の支払いに充てることが可能です。
 

相続放棄は最後の手段

相続税が支払えないからといって、すぐに相続放棄を選ぶのは危険です。相続放棄をすると、プラスの財産もすべて手放すことになり、他の相続人に負担をかける可能性もあります。相続税の支払いが難しい場合は、まず延納や物納などの方法を検討し、それでも困難であれば、相続放棄を選択するのが良いでしょう。
 
また、事前に生命保険や生前贈与を活用して相続税の負担を減らしておくことも重要です。相続は複雑な問題が絡むため、税理士や司法書士といった専門家に相談することをおすすめします。
 

出典

国税庁 No.4205 相続税の申告と納税
国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分
国税庁 No.4211 相続税の延納
国税庁 No.4214 相続税の物納
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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