大学の卒業祝いに、親が「中古のランクル」をプレゼント! でも事故ですぐ「廃車」になった場合、贈与税は支払い不要? 贈与は“なかったこと”にならないの?
配信日: 2025.03.30

本記事では、大学卒業のお祝いに、親から子へ車をプレゼントしたケースを取り上げます。中古車であっても数百万円の車をプレゼントする行為に対しては「贈与税」が心配になるところですが、すぐに廃車になってしまった場合、贈与税の取り扱いはどうなるのでしょうか。解説します。

執筆者:佐々木咲(ささき さき)
2級FP技能士
そもそも「贈与税」ってどんな税金?
贈与税とは、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金で、財産を受け取った人に課されます。つまり、本記事のケースでは、中古のランドクルーザー(トヨタ)を受け取った子どもに対して課されるということです。
ちなみに、贈与税に年齢制限はありません。子どもが未成年であろうと、0歳であろうと、「個人から贈与により財産を取得したとき」には贈与税がかかります。
しかし、個人から贈与により財産を取得する、平たく言えば「プレゼントしてもらう」という機会は、人生においてたくさんあるでしょう。特に親子間であればなおさらです。その都度、贈与税の申告をしている人はいないのではないでしょうか。
なぜなら、贈与税には「贈与税のかからない財産」と「年間110万円の基礎控除」が設けられているからです。
贈与税のかからない財産とは、その財産の性質や贈与の目的などから見て、贈与税の対象外になっている財産のことで、その中の一つに「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」があります。大学の卒業祝いはこれに該当するでしょう。
ただし、「社会通念上相当と認められるもの」という記載に注意しなければなりません。つまり、「常識的に考えてお祝いで渡すものとして妥当と思われる品、金額」という意味です。300万円の中古のランクルは、常識的な範囲を超えた金額と見なされると考えられ、贈与税のかからない財産として認められる可能性は低いでしょう。
ただ、贈与には「年間110万円の基礎控除」が認められており、これはすべての贈与に対して適用されるので、300万円のランクルの贈与であっても問題なく差し引くことができます。
300万円の中古のランクルにかかる贈与税は19万円
300万円の中古のランクルには贈与税はいくらかかるのか、計算してみましょう。300万円から基礎控除110万円を差し引いた190万円が贈与税の対象となります。なお、基礎控除後の課税価格が「200万円以下」の場合の税率は「10%」です。
(300万円-110万円)×10%=19万円
本記事のケースでは、子どもは19万円の贈与税を納める必要があります。
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廃車と贈与税は無関係
ただ、本記事のケースでは受け取ったランクルを早々に廃車にしてしまったとのことです。「贈与を受けたけれど、すぐに失ってしまった」ということで、「贈与はなかったことになる」と思ってしまうかもしれませんが、それは誤りなので注意しましょう。
この考え方が通るのであれば、贈与で受け取った現金300万円ですぐに何か買い物をして使い切った場合でも贈与税はかからないことになってしまいますよね。
「個人から贈与により財産を取得した」という贈与税の要件は、ランクルを受け取った時点で満たしているので、その後に廃車になろうとも贈与税の納税義務は課されます。
贈与税がかからないためには
せっかく大学卒業のお祝いにプレゼントされたランクルに贈与税がかかってしまっては、残念な気持ちになってしまう気持ちも理解できます。贈与税がかからない方法としては、ランクルを親名義で購入するという方法があります。
親の車を子どもが借りて使う形にするということです。これであれば、親は自分のお金で自分の車を買っただけであり、子どもに贈与税は課されません。
まとめ
贈与されたランクルを廃車にしてしまったとしても、贈与があったという事実は変わらないので、贈与税がかからなくなるということはありません。
しかし、親名義でランクルを購入すれば、そもそもの「贈与」が起こらなかったことになるので、贈与税の負担が心配な人は検討してみるとよいでしょう。
出典
国税庁 No.4402贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405贈与税がかからない場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士