両親が亡くなり、戻る予定はないけれど「実家」を相続することに! 固定資産税がかかるので「更地」にして売りたいけど、解体にはいくらかかる? 費用相場を解説
配信日: 2025.03.31

そのため、親が亡くなったあと、「空き家」となる実家をどうしたらいいのかと困る人も増えているのではないでしょうか。
住む予定がなく処分したいと考えた場合、どういった方法があるのか、家を解体するとしたらその費用はどれくらいかかるのでしょうか。本記事では、空き家の相続や解体費用について解説します。

執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
日本に空き家はどのくらいある?
総務省の調査によると、2023年時点で、日本国内の空き家の総数は900万戸、住宅総数に占める割合は13.8%で過去最高となっています。空き家の数は増加傾向にあり、2018年と2023年を比較すると5年で50万戸以上も増えています。
空き家であっても、手入れされていればあまり問題はないのですが、「放置空き家」といって、建物の劣化が進んでしまっているものも多くあります。このような状態になると、景観の悪化や悪臭・害虫の発生、倒壊の可能性があり、周辺地域に住む住民にとって生活を脅かす危険な存在ともなりかねないため、社会問題のひとつとなっています。
空き家を相続した場合は「特例」が受けられることも
通常、自身の所有する家や土地のような不動産を売って利益が出た場合は、譲渡所得に対して所得税の支払いが必要です。ただし、今回のように相続で取得した不動産の売却の場合、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3000万円を控除できるという特例が適用されます。
被相続人が住んでいた家(ただし昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準のもの)が対象で、相続してから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却し、その売却価格が1億円以下であることが要件です。
また、家屋を取り壊して土地を売却する場合も、取り壊した日以降もその土地を所有していれば、同様に特例を受けることができます。
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空き家でも固定資産税はかかる
土地を所有していると、その土地の価値に対して固定資産税がかかります。人が住まない「空き家」も例外ではありません。実は固定資産税は何もない更地よりも、家の建っている土地のほうが税金は安くなるという仕組みになっています。
これを「住宅用地の特例」といい、具体的には、200平方メートル以下の部分は6分の1、200平方メートル超の部分は3分の1に減額され、都市計画税も軽減されます。
しかし、空き家はその状態によっては、この軽減措置が適用されなくなる場合があります。それは「特定空き家」に指定された場合です。「特定空き家」とは、倒壊の危険があったり、景観を著しく損ねたりする空き家のことで、市区町村から指定されます。
「特定空き家」に指定されてしまうと、軽減措置がなくなり、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があり、注意が必要です。
空き家の解体費用ってどのくらい?
空き家の解体には、仮設工事費・解体工事費・廃棄物処理費・付帯工事費・重機改装費等の費用が必要となります。国土交通省によると、木造住宅の解体にかかる工事費用は、1坪あたりの費用で3万5000円となっており、50坪の費用では175万円程度が相場とのことです。
ただし、空き家のある土地の環境や住宅の状態によっては、さらに費用が上がることもあるでしょう。
空き家の対処は早めに
親から相続した家を「空き家」として放置すると、その状況によっては「特定空き家」に指定されて、高額な固定資産税がかかる可能性があります。また、相続した土地は、相続から3年以内に売却しなければ所得税の特例を受けることができません。
思い出の詰まった実家を手放すことにさみしさを感じる人もいるかもしれませんが、今後住む予定がなければ、早めに売却を進めたほうが、経済的な負担が少なく済むでしょう。
出典
総務省 令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果
国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
国土交通省 固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置
国土交通省 我が国の住生活をめぐる状況等について(前回までの補足)第47回分科会資料5更新
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級