息子が生活苦のため、住宅ローン「1500万円」の肩代わりを検討中。非課税制度を利用すれば「贈与税」はかかりませんよね?

配信日: 2025.04.02

この記事は約 3 分で読めます。
息子が生活苦のため、住宅ローン「1500万円」の肩代わりを検討中。非課税制度を利用すれば「贈与税」はかかりませんよね?
最近の物価高や経済状況の影響で、住宅ローンの返済に苦労している人も多いかもしれません。親として、息子の負担を少しでも軽くしたいと考え、住宅ローンの一部を肩代わりしようと検討することもあるでしょう。しかし、その際に気になるのが「贈与税」ではないでしょうか。
 
贈与税には非課税の特例もいくつかありますが、「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」が適用されれば、税金の負担なしで支援できるのではないかと考える人もいるかもしれません。
 
本記事では、住宅ローンの肩代わりが贈与税の対象になるかどうか、さらに非課税で支援できる方法について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

贈与税とは

贈与税とは、個人から財産をもらった際にかかる税金です。年間110万円を超える贈与を受けた場合、その超過分に対して課税されます(暦年課税)。
 
贈与税の税率は贈与される金額が大きくなるにつれて高くなります。特に住宅関係は高額になりがちですので、多くの贈与税が発生する場合もあるでしょう。
 

「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」とは? 住宅ローンの肩代わりも対象?

「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」とは、親や祖父母などの直系尊属から住宅取得資金を援助してもらう際に、一定額までは贈与税が非課税になる制度です。2025年現在、質の高い住宅については1000万円、一般住宅については500万円までの贈与が非課税枠となっています。
 
ただし、この制度が適用されるのは「住宅の購入資金」や「増改築の費用」に限定されており、住宅ローンの返済や肩代わりには適用されません。そのため、親が子どもの住宅ローンを直接返済する場合、この非課税措置の対象にはならず、贈与税がかかる可能性があります。
 
なお、1500万円の住宅ローンを肩代わりし、その分が全て贈与税の対象となる場合、贈与税の金額は366万円です。
 

【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断

住宅ローンを肩代わりしても贈与税が課されない場合

住宅ローンの肩代わりをする場合でも、「相続時精算課税制度」を活用したり、「親子間での金銭消費者貸借契約」を結ぶことで贈与税が特定の金額まで課税されなくなる方法もあります。
 
「相続時精算課税制度」を利用すると、60歳以上の親または祖父母から子(18歳以上)への贈与について2500万円までであれば、非課税で受け取ることが可能です。つまり、住宅ローンの肩代わりにこの制度を適用すれば、1500万円の贈与も非課税となり、贈与を受けた時点では贈与税を払う必要がなくなります。
 
贈与でなく親子間で「金銭消費者貸借契約」を結ぶ方法もあります。つまり、親が子どもに「お金を貸す」形にすれば、贈与ではなく「借入金」として扱われ、贈与税の対象にならないということです。
 
「相続時精算課税制度」や「親子間での金銭消費者貸借契約」は、どちらも条件や所定の方法がありますので、利用する場合にはそれらをしっかりと確認しておきましょう。
 

まとめ

住宅ローンの返済支援を親が行う場合、「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」は適用されず、そのままでは贈与税の対象となります。贈与税は贈与される金額が高いほど税率も上がりますので、1500万円を肩代わりした場合には数百万円の贈与税が発生するかもしれません。
 
「相続時精算課税制度」や「親子間での金銭消費者貸借契約」などを活用し、税負担を最小限に抑える工夫を検討しましょう。
 

出典

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国土交通省 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

【PR】
夫の家事への不安に関するアンケート FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集