子どもの結婚資金として「600万円」を口座へ送金。半年後に非課税制度の申請忘れに気づいたのですが、今からでも間に合いますか?

配信日: 2025.04.13

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子どもの結婚資金として「600万円」を口座へ送金。半年後に非課税制度の申請忘れに気づいたのですが、今からでも間に合いますか?
まとまったお金を一度に渡すと贈与税の課税対象になりますが、制度を活用することで非課税になるケースがあります。しかし、非課税制度を利用するための申告書を提出し忘れると、利用できなくなる可能性があるので注意が必要です。
 
また、非課税制度は期限付きなので、期限を超えての申請もできないようです。今回は、結婚資金の非課税制度の利用条件や、制度を使わずに贈与するときのポイントなどについてご紹介します。
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結婚資金の非課税制度の利用条件とは

結婚資金の非課税制度は、条件を満たしたうえで、両親や祖父母から子どももしくは孫に結婚のためのお金を送った場合、一定金額まで非課税になる制度です。非課税制度では最大で1000万円、うち結婚資金は300万円までが非課税の対象になります。
 
ただし、制度が適用されるのは金融機関へ「結婚・子育て資金非課税申告書」を提出した場合です。
 
国税庁によると、「この非課税制度の適用を受けるためには、結婚・子育て資金口座の開設等を行った上で、結婚・子育て資金非課税申告書をその口座の開設等を行った金融機関等の営業所等に、信託や預入などをする日(通常は結婚・子育て資金口座の開設等の日となります。)までに提出等をしなければなりません」と示されています。
 
制度の申請忘れにあとから気づいても、非課税にはならないと考えられます。
 

もし600万円が課税されるといくらになる?

今回は、申告書を提出する前に600万円を送金したとして、課される税額を計算します。条件は以下の通りです。


・母親から子どもへの贈与
・子どもは成人している
・同じ年にほかの人からの贈与はない

贈与税は基礎控除額として、1年で受け取った総額から110万円を差し引いてから計算します。
 
今回のケースだと、「600万円-110万円」で490万円が課税対象です。成人した方が親からお金を受け取る場合、特例税率が適用されます。特例税率では490万円のときの税率は20%、控除額が30万円なので「490万円×20%-30万円」となり、贈与税額は68万円です。
 

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今後贈与をするときのポイント

贈与税には「非課税項目」がいくつかあるので、今後子どもへ贈与する際に検討するといいでしょう。
 
例えば、教育費や生活費を必要なタイミングで、必要な金額だけ渡すと非課税項目の対象になります。ほかにも、結婚祝いや出産祝い、お年玉なども高すぎなければ非課税になるでしょう。
 
非課税項目とはっきりさせるために、教育費や生活費として渡したときは教育もしくは生活に必要な物を購入したときのレシートや領収書を取っておいてもらうことがおすすめです。
 
もし、税務署から指摘が入っても、非課税項目の範囲内であることを説明しやすくなります。また、年間贈与額が110万円以内であれば、基礎控除額内なので目的にかかわらず非課税です。
 

申請を忘れた分は非課税制度の対象にならない

非課税制度は、一定金額まで課税されずに子どもや孫へ送金できますが、適用条件の一つは申告書を提出していることです。もし、申告書を提出せず、制度の申請ができていない状態で口座へ多額のお金を送ると、子どもには贈与税が課されるでしょう。
 
600万円を非課税制度を使わずに子どもへ渡すと、68万円の贈与税が発生します。贈与税の納税者は受け取った側なので、子どもが気付かなければあとで税務署から指摘される可能性があります。
 
もし、制度を利用し忘れたままで子どもにお金を渡したときは、子どもに税金申告を忘れないように伝えておきましょう。また、贈与税の非課税項目はいくつかあります。生活費や教育費として支援したり、お祝い金として渡したりするといいでしょう。
 

出典

国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(2ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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