兄弟で「両親の家」を「共同相続」しました。もし評価額が「2000万円」だったら「固定資産税」はどちらかが負担するのでしょうか?
そこで今回は、共同相続したときの固定資産税や実際の計算例、共同相続した相手が税金を支払わないときの対処法などについてご紹介します。
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住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
共同相続したときの固定資産税はどう負担すればよい?
共同相続とは、亡くなった人が持っていた家や土地を複数人で相続して保有することです。
共同相続となった場合、家の固定資産税は共同相続人である兄弟で連帯して負担することになります。地方税法第10条の2項では「共有物、共同使用物、共同事業、共同事業により生じた物件又は共同行為に対する地方団体の徴収金は、納税者が連帯して納付する義務を負う。」と定められているためです。
法で示されている連帯納付義務とは、共有している全員に納付義務があることを指しています。
なお、民法第253条では「各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。」と定められているので、おのおのの家の持ち分に従って税金の負担額を決めるとよいでしょう。
固定資産税の計算方法と例
総務省によると固定資産税額は以下の手順で計算します。
1・評価額を基に課税標準額が決められる
2・課税標準額に税率をかける
なお、固定資産税の標準税率は1.4%です。仮に2000万円の評価額の家を相続したとしましょう。この際、評価額と課税標準額は同額で、特例の適用がないとします。
計算をすると「2000万円×1.4%」となり、固定資産税は28万円です。もし兄弟で負担を折半するのであれば、14万円ずつになります。都市計画税に関しては、自治体により税率が異なる場合があるため、今回は省略します。
共同相続の相手が税金を支払わないときの対処法
遺産を共同相続した際、起こりうるトラブルの1つが「支払うべき税金をほかの相続人が支払わない」ことです。取り決めに反して支払われないまま自身が代表者でいると、本来は全員で分け合う税金を全負担することとなり、場合によっては生活に影響が出る可能性もあるでしょう。
こうしたときは、「求償権」の活用を検討しましょう。求償権とは、立て替えた債務の返還を求める権利です。必要に応じて弁護士を通して請求すると、共同相続相手も支払ってくれるかもしれません。ただ、弁護士費用が多額で請求額を上回ることもあるので注意が必要です。
まとめ
遺産の家を兄弟で共同相続した場合、固定資産税も兄弟で連帯納付することになります。今回の例で持ち分が半分ずつだったとすると、1人当たり14万円の固定資産税を負担するでしょう。なお、共同相続をするには、代表者を決める必要があります。
また共同相続の相手が税金を支払ってくれないときは、求償権を行使し、立て替えた税金の支払いを相手に請求できます。
兄弟で相続する場合は、よく話し合ったうえで、自分たちに適した相続方法を選択するとよいでしょう。
出典
e-Gov法令検索 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)
e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)
総務省 固定資産税
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修 : 高橋庸夫
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