【墓じまい】「先祖に申し訳ない」と反対する兄だけど、“最後の墓参り”は何年も前! 本当にお墓を残す必要はある?「墓じまいの費用」と手続きのリアル

配信日: 2025.08.24
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【墓じまい】「先祖に申し訳ない」と反対する兄だけど、“最後の墓参り”は何年も前! 本当にお墓を残す必要はある?「墓じまいの費用」と手続きのリアル
お盆やお彼岸になると、お墓参りに行く人も多いでしょう。 久しぶりに墓参りをしてみると、雑草が伸び、墓石が少し傾いていた……そんな光景に驚くこともあるかもしれません。
 
お墓は一度建てたら終わりではなく、掃除や草むしりなどの管理、管理料・法要などの維持費が継続的にかかります。そこで、近年検討する人が増えているのが墓じまいです。
 
墓じまいを選ぶ人が増えている背景には、
・子どもや親族が遠方に住んでおり、お墓参りや管理が難しい
・高齢になり、草むしりや掃除が負担
・後継ぎがいない、または子どもやその後の世代に負担をかけたくない

といった事情があります。
 
本記事では、墓じまいをスムーズに進めるための手続きの流れ、費用相場、そして親族との話し方のポイントを解説します。
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「墓じまい」とは?

「墓じまい」とは、現在のお墓を更(さら)地に戻し、使用権を返還することです。墓じまいして取り出された遺骨は、別のお墓にお引っ越し(改葬)するのが一般的です。そのため、墓じまいと改葬は基本的にセットで行われます。
 

墓じまいの手続きの流れ

一般的な墓じまいの手順は、以下の通りです。
 
(1)親族で話し合いをする
最初のハードルになることが多いです。現状の負担や将来の見通しを親族と共有しましょう。
 
(2)墓地管理者へ墓じまいの意思を連絡する
墓地の管理者に墓じまいの意思を伝え、必要な手続きや書類、スケジュールを確認します。
 
(3)新しい納骨先を決める
永代供養墓や納骨堂など、遺骨を納める先を選びます。この時点で、受入証明書を発行してもらう必要があります。
 
(4)墓石の撤去をする石材店を決める
墓地によっては石材店が指定されている場合もあります。事前に確認しましょう。
 
(5)改葬許可申請をする
現在の墓地がある市区町村役場で申請します。新しい納骨先の受入証明書が必要です。
 
(6)遺骨の取り出し・閉眼供養を行う
閉眼供養は、僧侶に依頼して魂の宿っている仏具から魂を抜き取る儀式です。必須ではありませんが、していないと業者が撤去に応じない場合があります。
 
(7)墓石を撤去する
石材店が作業を行い、更地に戻します。
 
(8)改葬先に遺骨を納める
改葬先で納骨し、必要に応じて開眼供養を行います。
 

墓じまいにかかる費用

話し合う際には、費用についてもしっかりと把握したうえで行うことが望ましいです。墓じまいにかかる主な費用の目安は、図表1の通りです。
 
図表1

費用内容 金額の目安
お墓の撤去にかかる費用 ・墓石の撤去費用
・ご遺骨の取り出し費用
・ご遺骨の運送費用
・閉眼供養のお布施
・離檀料 
30万円~50万円
行政手続きにかかる費用 ・埋蔵証明書の発行
・受入証明書の発行
・改葬許可申請書
数百円〜1000円
新しい納骨先にかかる費用 ・永代使用料
・埋葬費用
・お布施代(開眼供養など)
5万円~150万円

筆者作成
 
総額35万円程から200万円程かかるケースまでさまざまです。現在建てられているお墓と改葬先によって費用が異なってくるため、今のお墓をどうしたいのか、という自身の考えを持ってあらかじめ調べておく必要があります。
 

親族との墓じまいの話し方

では、いざ墓じまいをするために親族と話す場合に、どのようなことに気を付けながら話し合えばいいのでしょうか。
 
以下のような項目を交え、事実ベースで現状と将来の課題を共有することが望ましいです。
 

・維持費・交通費:年間いくら負担しているのか具体的に示す
・管理の現実:高齢化や体力的負担、遠方からの移動の難しさ
・墓参りの実態:「最後に墓参りしたのは○年前」という事実を冷静に提示
・後継ぎ候補の有無:お墓を管理する後継ぎの不在が墓じまいを検討する大きな理由
・新しい納骨先のメリット:管理不要、アクセス良好、永代にわたる供養が可能

 
あわせて、「供養の形が変わるだけで、供養をやめるわけではない」と説明することで、心理的ハードルを下げられます。
 

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墓じまいは「先祖を守るため」の選択肢

墓じまいは、親族と意見をすり合わせる必要があります。実際に墓じまいを行う段階でも検討すべきことはいくつかありますが、最終的には「先祖の魂を守るために、どのような手段が適切か」を考えるべきでしょう。
 
お墓を残すことだけが先祖を思うことではない、という視点を持って改めて親族と話をしてみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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