「相続対策に」と生前“3000万円”の「賃貸アパート」を買った亡き父、管理が面倒なので「不動産だけ」相続放棄したい…。別に残してくれた“300万円”は相続したいのですが、何かいい方法はありますか?

配信日: 2026.01.31
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「相続対策に」と生前“3000万円”の「賃貸アパート」を買った亡き父、管理が面倒なので「不動産だけ」相続放棄したい…。別に残してくれた“300万円”は相続したいのですが、何かいい方法はありますか?
相続税対策として、生前に賃貸アパートを購入するケースは珍しくありません。
 
しかし、相続が発生すると、残された家族がその不動産を管理・運営しなければならず、想像以上に負担が大きいと感じることもあるでしょう。本記事では、不動産の相続や相続放棄・限定承認を解説します。
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「賃貸アパート」は相続税対策に活用できる

賃貸物件を相続するメリットとして、相続税対策に活用できる点が挙げられます。具体的には、小規模宅地等の減額の特例です。賃貸アパートといった貸付事業用宅地等に該当する土地はこの特例により、200平方メートルまでを評価額の50パーセントに減額できます。
 
ただし、2018年4月1日以降に賃貸経営を始めた物件の土地で、経営開始から3年以内に相続が発生した場合、原則として特例の対象とはなりません。
 
また、貸家建付地の評価も挙げられます。貸家建付地とは、貸家として貸し付けている住宅の敷地に供されている宅地です。賃貸アパートが建っている土地は、貸家建付地として評価額を下げられます。
 
なお、貸家建付地の評価額は「自用地評価×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」で算出できます。
 
掲題にある3000万円の賃貸アパートでも、小規模宅地等の減額の特例や貸家建付地の評価を併用できるかもしれません。この場合、実際の評価は路線価や面積によって変動するものの、相続税を圧縮できる可能性があります。
 

「賃貸アパート経営」は「建てて終わり」ではない点に注意が必要

賃貸アパートは税制上のメリットがあるものの、相続の手続き中や相続後にトラブルが発生する恐れもあります。
 
例えば、遺言書がない場合、賃貸アパートは遺産分割協議が終了するまで相続人の共同管理となるため注意が必要です。代表者を立てない場合、誰が家賃を受け取るのかでトラブルになる恐れもあります。
 
また、相続税の申告時にも注意しましょう。相続税には基礎控除があり、相続財産が基礎控除以下であれば相続税の申告が不要です。基礎控除額は「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で算出できます。
 
例えば法定相続人が1人の場合、基礎控除額は3600万円です。以降1人増えるごとに、600万円が加算されます。
 
掲題のケースで、ほかに大きな相続財産がなく、相続財産の評価額合計が基礎控除以下であれば、相続税申告は不要となる可能性があります。しかし、賃貸経営の継続が難しい場合は手放すことも選択肢として検討するとよいでしょう。
 

管理が面倒でも「一部の財産を相続放棄」することは原則として不可能

相続の方法は以下の3種類に分かれます。
 

・単純承認

相続人が亡くなった方のプラス・マイナスの財産全てを相続することです。
 

・相続放棄

相続人が亡くなった方の財産を一切相続しないことです。
 

・限定承認

相続人が相続によって取得した財産の範囲内で、亡くなった方の負債を受け継ぐことです。
 
相続放棄・限定承認については、家庭裁判所への申述が必要です。亡くなった方に負債がない場合、原則として財産を全て受け継ぐか全て放棄するかを選択します。掲題の300万円のみを相続することは、基本的にできないと考えた方がよいでしょう。
 

まとめ

賃貸アパートは税制措置や控除を受けられることから、条件を満たせば相続税対策に有効です。しかし、アパートの経営には専門的な知識が必要で、管理に時間や手間もかかります。相続を放棄する場合、基本的にほかの相続財産もまとめて放棄することになる点には注意しましょう。
 

出典

国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

国税庁 No.4614 貸家建付地の評価
国税庁 No.4152 相続税の計算
裁判所 相続の放棄の申述
政府広報オンライン 知っておきたい相続の基本。大切な財産をスムーズに引き継ぐには?【基礎編】
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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