夫の年収を何度も聞いてくる義両親。相続などで必要らしいのですが、教えなければいけませんか?

配信日: 2026.03.08
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夫の年収を何度も聞いてくる義両親。相続などで必要らしいのですが、教えなければいけませんか?
相続や生前贈与などを行うために「子どもの年収を知っておきたい」と考えている親もいるでしょう。
 
しかし、聞かれた方としてはどこまでお金の情報を伝えてよいものか、迷うこともあるかもしれません。
 
本記事では、親に年収を伝えることが法律上の義務なのかを解説するとともに、親にお金の情報を伝えるべきケースと伝えなくてよいケースをご紹介します。
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親に年収を伝えることは義務?

親に年収を伝えることを義務づけている法律はありません。民法第877条では親子間の扶養義務については定められていますが、収入の開示については記載されていないため、伝えるかどうかは自分たちで判断してよいでしょう。
 
ただし、将来の相続や生前贈与のことなどを考えて年収を知りたがっている可能性もあるため、お互いが納得できるようによく話し合うことをおすすめします。
 

親に年収を伝えるべきケース

親が高齢で相続対策を考えている場合は、年収など自分たちのお金の情報を伝えておいたほうがよいケースもあるでしょう。
 
親が亡くなり、子どもが財産を相続する際には、親の財産の合計が「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で算出できる「基礎控除額」を超える場合、相続税の課税対象になります。
 
相続人となる子どもの経済状況によっては、生前贈与を選択して贈与税がかからないようにし、子どもの負担を減らすことも検討できるでしょう。例えば、年間110万円の基礎控除額を差し引いた額に課税される「暦年課税」や、特別控除額として最大2500万円まで非課税になる「相続時精算課税制度」を利用する方法があります。
 
また、住宅購入時に親から援助を受ける場合は、直系尊属からの住宅取得等資金の贈与に関する非課税制度の適用可否を確認する必要があります。
 
受贈者の要件には「贈与を受けた年分の合計所得金額が2000万円以下であること」があるため、所得の確認が必要になることはありますが、確認に必要な範囲を超えて年収の詳細まで伝える必要はありません。
 
こうした制度があるうえで、親に共有すべきなのは「2000万円以下の要件を満たすかどうか」という点であり、家計の内訳まで開示するかどうかは各家庭の判断でよいでしょう。
 

親に年収を伝えなくてよいケース

相続する財産の合計が「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」を下回る場合、相続税はかかりません。
 
相続税がかかる程度の遺産がある場合は、前項のとおり子どもの年収を参考に生前贈与の活用を検討する余地もありますが、そもそも相続税がかからない水準の遺産であれば基本的に相続人に税負担は生じないため、家計の詳細など経済状況を共有する必要はないでしょう。
 
また、生前贈与を受けない場合や、非課税枠内で贈与を受ける場合、住宅購入費の援助を受けない場合なども、親から年収を教えるように言われても、伝えなくてよいと考えられます。
 
年収を伝えないことで遺産分割協議が難航するようであれば検討が必要かもしれませんが、話し合いが円滑に進んでいる場合は伝えなくてよいでしょう。
 

親に年収を伝える義務はないが、相続対策などで伝えたほうがよい場合もある

親に年収を伝えることは法律上の義務ではないため、伝えるかどうかは自分たちで決めてよいでしょう。
 
ただし、親が相続対策のために生前贈与を考えている場合や住宅取得等資金の贈与における非課税制度の利用を検討している場合など、要件確認のために所得に関する情報が必要になることがあります。
 
この場合も、共有は制度判定に必要な範囲にとどめ、年収額や家計の詳細まで開示する必要はありません。
 
相続や贈与が非課税になる場合や住宅援助を受けない場合などは、年収を伝えなくてもよいでしょう。
 

出典

デジタル庁e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四編 親族 第七章 扶養(扶養義務者)第八百七十七条
国税庁 相続税のあらまし
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 財産をもらったとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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