iDeCoに「月2万3000円」拠出していた父が59歳で他界…10年積み立てた「276万円」は“無駄”になりますか? 遺族年金のように、家族が受け取ることはできないでしょうか?

配信日: 2026.03.14
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iDeCoに「月2万3000円」拠出していた父が59歳で他界…10年積み立てた「276万円」は“無駄”になりますか? 遺族年金のように、家族が受け取ることはできないでしょうか?
老後資金を準備するためにiDeCoを利用している人もいるでしょう。しかし、iDeCo加入者が資産を受け取る前に死亡してしまうケースも考えられます。iDeCoでは、加入者が亡くなった場合、遺族が死亡一時金として積み立てた資産を受け取ることが可能です。
 
本記事では、死亡一時金の受給方法や受取順位、税金の扱いについて解説します。
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「iDeCo」の加入者が死亡した場合は遺族が“死亡一時金”を受給できる

iDeCo公式サイトによると、iDeCoの加入者や運用指図者が死亡した場合、積み立てた資産は死亡一時金として遺族が受け取れます。iDeCoに遺族年金という年金形式の給付はないため、原則として一時金での支給です。死亡時点での資産残高(掛金累計額ではなく、運用益や損失を反映した時価評価額)が支給対象となります。
 
例えば、掲題の父親が毎月2万3000円を10年間にわたって拠出していた場合、2万3000円×12ヶ月×10年間=276万円が積み立てられます。拠出した資金は死亡一時金として遺族に支給されるため、死亡によって元金がそのまま失われることはありません。ただし、iDeCoは投資運用型の制度であるため、運用益や損失によって死亡一時金の金額は変動します。
 
つまり、拠出した元金がそのまま受け取れるわけではなく、運用状況に応じて増減する点に注意が必要です。また、死亡一時金を受給するには遺族からの請求手続きが必要となります。
 

「iDeCo」の“死亡一時金”を受け取れる順位は通常の相続順位とは異なる

確定拠出年金法第41条には、死亡一時金を受け取れる遺族の範囲および順位が定められています。iDeCoの死亡一時金は、通常の相続の順位とは異なる点に注意が必要です。通常の相続であれば、民法で定められた相続の順位により、配偶者は常に相続人として扱われ、第1順位が子、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹となります。
 
一方、iDeCoの死亡一時金における受取順位は、以下の通りです。
 

1. 指定受取人(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の中から指定)
2. 配偶者(事実婚を含む)
3. 子
4. 父母
5. 孫
6. 祖父母
7. 兄弟姉妹

 
配偶者がいない場合、死亡一時金はまず、亡くなった人の収入によって生活を支えられていた人が受け取ることができます。その後、自立していた親族などが受け取る順番になります。つまり、亡くなった人の収入で生計を維持していた人が優先される仕組みです。
 

“死亡一時金”にかかる税金は請求の時期によって異なる

国税庁によると、死亡一時金は、みなし相続財産として相続税の課税対象です。相続人が受け取る場合、死亡後3年以内に請求した場合は相続税の対象で500万円×法定相続人の数までが非課税限度額となります。
 
一方、死亡後3年を経過してから請求した場合は、一時所得として所得税・住民税の課税対象となります。一時所得となった場合は「(収入金額-必要経費-特別控除50万円)×1/2」が課税対象です。
 
死亡日から5年を経過しても請求がない場合、死亡一時金は相続財産として扱われます。それでも請求がない場合は、法務局に供託されます。請求時期によって税目や計算方法が異なるため、実務上は3年以内の請求が一般的です。
 

まとめ

iDeCoの加入者が死亡した場合、遺族はiDeCoに積み立てられた運用資産残高を死亡一時金として受け取ることが可能です。死亡一時金は相続財産とは別枠で支給され、民法上の法定相続順位とは異なる扱いとなります。また、みなし相続財産として相続税の課税対象となる点には注意が必要です。
 

出典

国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト 給付について
e-Gov法令検索 確定拠出年金法
国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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