母が長年貯めていた現金「200万円」。子どもに渡したいと言うのですが、口座を通さずに受け取れば税金の心配はありませんか?
今回は、200万円の受け取りで、手渡しなら本当に税金はかからないのか、見落としがちなポイントを解説します。
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目次
手渡しでも税務署には分かってしまう? 200万円の贈与に税金がかかる理由
「親がコツコツ貯めてくれた現金だから、こっそり手渡しで受け取れば税務署には分からないだろう」と考える方もいるかもしれません。しかし、銀行口座を通さない現金の手渡しであっても、個人から財産をもらったことになるため原則として贈与税の対象です。申告漏れがあれば、税務調査などで把握される可能性があります。
税務署は税務調査の権限を持っており、相続税や贈与税の調査では預金の動きや関係者の口座などを確認することがあります。
例えば、親が亡くなった際の相続税調査では、過去数年から10年程度の銀行口座の入出金履歴が確認される場合があります。大きな金額が引き出されているにもかかわらず、その使い道が不明であれば、「子どもや孫への贈与」を含めた資金移動を確認されるかもしれません。
また、受け取った子どもや孫がその200万円を元手に住宅ローンの頭金に充てたり、車を購入したりした場合、資金の原資について税務署から確認を受けることがあります。
「タンス預金」として保管していても、将来的に大きな支出に使う際には、その「お金の出どころ」の説明を求められる可能性があります。一時的な回避を考えるよりも、現在の税制を正しく理解し、適切に申告・納税することが、結果として、将来的な追徴課税(無申告加算税や延滞税)などの追加負担を避けることにつながります。
年間110万円を超えたら要注意! 200万円を受け取った場合にかかる贈与税額と計算式
贈与税には、その年の1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額から差し引くことができる「110万円の基礎控除」があります。今回のケースのように200万円を一度に受け取った場合、この控除額を超えるため、原則として贈与税の申告と納税が必要です。
具体的に200万円を受け取った場合の税額を計算してみましょう。贈与税の計算では、まず受取総額から基礎控除額を引きます。
・200万円-110万円=90万円
この「90万円」に対して、贈与の区分に応じた税率をかけます。国税庁によると、親から子どもや孫への贈与は、受贈者の年齢に応じて、一般税率もしくは特例税率が適用されます。仮に今回は、母親(祖母)から未成年の子ども(孫)への贈与とすると、一般税率が適用され、基礎控除後の価格が200万円以下の場合は税率10%です。
・90万円×10%=9万円
つまり、200万円をそのまま受け取ると、9万円の贈与税が発生することになります。もし申告をせずに後から指摘を受けた場合、本来の9万円に加えてペナルティーが発生し、最終的な負担額が増えてしまう可能性があります。
税負担をゼロにする方法はある?
「暦年贈与」の基礎控除をうまく活用すれば、200万円を非課税で受け取れる可能性があります。基礎控除は毎年110万円まで認められているため、例えば今年100万円、来年100万円のように2年に分けて受け取れば、各年の受取額が110万円以下となり、贈与税はかかりません。
ただし、最初から「200万円を100万円ずつ分けて贈与する」という契約をした(定期贈与)とみなされると課税対象になる恐れがあるため、毎年贈与契約書を作成するなどの対策が推奨されます。
親の思いを正しく受け取るために、200万円の贈与はルールに則った手続きを
親が長年貯めてくれた200万円というお金には、単なる金額以上の重みがあるはずです。その大切な資金を「口座を通さないから大丈夫」といった安易な考えで受け取ってしまうと、後々税務署からの調査によって、親子共に精神的・経済的な負担を強いられることになりかねません。
現金を手渡しした場合には記録が残らないと考える方もいるかもしれませんが、資金の流れはさまざまな情報から把握される可能性があります。特に、将来の相続税調査などの場面では、過去の資金移動についても確認されることがあるため、適切な形で管理しておくことが重要です。
もし判断に迷う場合は、事前に税務署や税理士などの専門家に相談し、納得のいく形で手続きを進めることが、家族全員の安心につながります。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
