「孫の教育資金に」と父からもらった「400万円」。正直教育費は足りているので貯金に回したいのですが、問題ないですよね?

配信日: 2026.04.26
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「孫の教育資金に」と父からもらった「400万円」。正直教育費は足りているので貯金に回したいのですが、問題ないですよね?
親から善意で「孫のために使って」と教育資金をもらった経験のある人もいるかもしれません。しかし、場合によっては教育費がすでに足りているケースもあります。受け取ったお金をそのまま貯金に回すと課税対象になる可能性があるため、注意が必要です。
 
今回は、教育費名目で受け取ったお金が非課税になる条件や、贈与税が課税された場合の計算方法などについてご紹介します。
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教育費名目なら非課税になる?

たとえ教育費としてもらっていても、そのお金を実際に教育のために使わなかった場合、非課税にはなりません。教育費の支援が贈与税非課税となるには、次の条件をすべて満たしている必要があるためです。
 

・扶養義務者から受け取っている
・必要になるたびに直接その費用に充てるため渡されている
・文房具代や教材費などの教育費に使われている

 
民法第877条では「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められており、これらの関係にある者は扶養義務者に該当します。今回のように祖父母から孫、あるいは親子間で渡す場合、祖父母や親は直系血族となり、扶養義務者に該当するため条件に当てはまります。
 
しかし、教育費を貯金に回すと、「必要になるたびに直接その費用に充てるため渡されている」や「文房具代や教材費などの教育費に使われている」といった条件を満たさない点に注意しましょう。この場合、通常の贈与扱いとなるため、金額によっては贈与税の申告・納税が必要です。
 

贈与税の計算方法

贈与税は、基本的に1年間で受け取った贈与の合計額から基礎控除110万円を差し引いた金額を基に計算します。計算手順は次の通りです。
 

(1)1年間で受け取ったすべての贈与を合計する
(2)基礎控除額110万円を差し引く
(3)(2)の金額に対応する税率をかける

 
なお、すべての贈与は、贈与された人数に関係なく合算しましょう。例えば、父親から400万円、祖父から200万円を同じ年にもらうと、その年の贈与合計額は600万円です。合算せずに申告・納税をすると、過少申告扱いになる可能性もあるため注意しましょう。
 
また、贈与税は場合によっては金額が同じでも税率が変わるケースがあります。基礎控除を差し引いたあとの金額が一定額を超えると、2種類の税率から適用する必要があるためです。贈与を受けた相手が直系尊属かつ受贈者が18歳以上の場合は特例税率、それ以外は一般税率で計算します。
 
特例税率の方が税率が少し低くなるため、祖父母や親から贈与を受けており、その金額が一定金額以上の場合は、税金負担が一般税率よりも少し軽くなります。
 

すでに教育費が足りているときはどうすればよい?

贈与税の負担をできるだけ避けるためには、不要な贈与は断る方がよいでしょう。現時点で不要でも、将来的に必要になる可能性があるなら、子どもがある程度成長してから受け取ることも検討の余地があります。
 
先述したように、親からの教育費の支援金は必要なタイミングで必要な金額を受け取り、教育費として使用した場合に限り、非課税となるためです。例えば、高校までの資金はあるものの大学入学後は少し不安というときは、大学進学が決まるころに親に相談するとよいでしょう。
 
生活費も、必要な金額かつ必要なタイミングであれば非課税になるとされています。生活費には治療費や子育てに関する費用も含まれるため、教育費の代わりに生活費の一部を支援してもらうのも選択肢のひとつでしょう。
 

貯金に回すと通常の贈与扱いになる可能性があるためほかの形の支援を依頼する方がよいと考えられる

教育費の名目でお金を受け取っていても、受け取った本人が貯金などそれ以外の目的に使用した場合、通常の贈与として扱われてしまう可能性があります。通常の贈与では、基礎控除を超えた金額に対して課税されるため、今回のように400万円を貯金に回した場合は課税対象となるでしょう。
 
課税対象になるのを防ぐためには、贈与をしてくれる人と話し合って、必要になるタイミングまで支援を待ってもらう方法も有効です。また、教育費の支援にこだわらないのであれば、治療費や子育て費用など、生活費の支援金として受け取ることも検討しましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
デジタル庁 e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第四編 親族 第七章 扶養 第八百七十七条(扶養義務者)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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