親の相続について話していたら、夫に「兄弟仲がよくても、お金が絡むと別」と言われました。わが家はもめるほど財産がないと思うのですが、それでも準備は必要でしょうか?
しかし、相続では預貯金や不動産、介護の負担、親の希望など、事前に確認しておきたい点がいくつもあります。そこで本記事では、財産が多くない家庭でも相続準備が必要なのか、どのような点を確認しておくべきかについて解説します。
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財産が少なくても相続でもめることはある
相続でもめる原因は、「多額の財産をどう分けるか」だけとはかぎりません。預貯金が少なくても、実家や土地が相続財産に含まれていると、分け方をめぐって意見が対立するケースもあります。
例えば、兄弟の一人が実家に住み続けたいと考えている一方で、別の兄弟が売却して現金で分けたいと望む場合、双方の希望をどう調整するかが問題となるでしょう。
また、現金は分けやすい一方で、不動産は簡単に半分ずつにできません。そのため、誰かが家を相続し、他の兄弟に代わりのお金を支払う方法が選ばれるケースがあります。しかし、そのお金を用意できなければ、話し合いが止まってしまうかもしれません。
相続税がかからない家庭でも、相続財産を誰がどのように受け取るかを決めるため、遺産分割の話し合いは必要です。相続税には基礎控除があり、財産額が一定の範囲内であれば相続税はかかりません。ただし、税金がかからなくても、預貯金の解約や不動産の名義変更などの手続きが必要になる場合があります。
兄弟仲がよくても相続で意見が分かれやすい理由
兄弟仲がよくても、相続ではそれぞれの立場が異なります。親と同居していた人、遠方に住んでいた人、介護を担った人、生活費や住宅資金の援助を受けた人では、相続に対する受け止め方に差が出るものです。
例えば、長年親の通院や買い物を手伝ってきた人は、「自分の負担を少しは考えてほしい」と思うかもしれません。一方で、離れて暮らしていた兄弟は、「法律どおり平等に分けたい」と考えることもあるでしょう。どちらの考えにも理由があるため、事前に話し合っていないと、不公平感を抱く原因になります。
さらに、親の財産を一部の家族しか把握していない場合も注意が必要です。「本当にこれだけなのか」「誰かが先に受け取っていたのではないか」と疑いが生まれると、冷静な話し合いが難しくなるかもしれません。相続では財産の額そのものよりも、情報が共有されていないことが問題になる場合もあります。
親が元気なうちに確認しておきたい準備
相続準備でまず大切なのは、親の財産を大まかに把握することです。預貯金や不動産、保険、借入金、クレジットカード、証券口座などを一覧にしておくと、相続後の手続きが進めやすくなります。また、借金も相続の対象に含まれるため、資産だけでなく負債も確認しておきましょう。
次に、実家をどうするかを話しておくことも重要です。誰かが住み続けるのか、売却するのか、空き家として残すのかによって、必要な手続きや費用が変わってきます。
なお、不動産を相続した場合は相続登記も必要となり、2024年4月1日からは義務化されています。相続を知った日から3年以内に申請しなければならないため、後回しにしないことが大切です。
また、財産や実家の扱いとあわせて、親の希望を確認しておきましょう。遺言書があれば、親の意思を家族に伝える手段になります。ただし、遺言書の内容が特定の子どもに大きく偏ると、相続人の間で不満や争いの原因になることがあります。そのため、遺言書を作る場合は、必要に応じて専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。
相続の話を切り出すときは、伝え方にも配慮が必要です。話し合いでは、いきなり「財産はいくらあるのか」と聞くと、親が身構えてしまうかもしれません。そのため、最初から財産の金額を確認するのではなく、「将来の手続きで家族が困らないように整理しておきたい」と伝えると、相続の話を切り出しやすくなるでしょう。
相続準備は家族関係を守るために早めに始めよう
財産が少ない家庭でも、相続でもめる可能性はあります。特に、実家の扱い、介護の負担、生前の援助、財産情報の共有不足は兄弟間の不満につながりやすい点です。
相続準備は、親の財産を奪い合うためのものではありません。親の希望を確認し、家族が落ち着いて手続きを進めるための備えです。親が元気なうちに、財産の一覧、実家の方針、必要書類の保管場所などを確認しておけば、相続後の負担を減らせます。
「うちは大丈夫」と思える家庭ほど、早めに話し合うことで安心につながります。兄弟仲を保つためにも、相続の準備は少しずつ始めておくとよいでしょう。
出典
国税庁 No.4102 相続税がかかる場合
法務省 不動産を相続したらかならず相続登記! 令和6年4月1日から義務化されました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
