共働き夫婦ですが、毎月「私の給料」から夫名義の住宅ローン口座へ「10万円」入れています。この場合も贈与税がかかるのでしょうか?

配信日: 2026.05.30
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共働き夫婦ですが、毎月「私の給料」から夫名義の住宅ローン口座へ「10万円」入れています。この場合も贈与税がかかるのでしょうか?
「夫婦間のお金のやり取りなのに、贈与税なんて関係あるの?」と思う方もいるでしょう。特に共働き世帯では、住宅ローンや生活費を協力して支払うのはごく自然なことです。しかし、毎月の振込先や名義によっては、税務上「贈与」と判断されるケースもあります。
 
この記事では、夫婦間のお金の移動と贈与税の関係を整理しながら、住宅ローン返済で起こりやすい隠れた贈与の落とし穴について分かりやすく紹介します。
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夫婦間の毎月10万円の移動は「生活費」か「ローンの肩代わり」か

まず、夫婦間でお金を渡す際、それが生活費であれば原則として贈与税はかかりません。しかし、今回のケースのように夫名義の住宅ローン口座へ毎月10万円を入れている場合、税務署からは夫の借金を妻が肩代わりしているとみなされる可能性が高くなります。
 
国税庁によると、「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」については非課税ですが、預貯金や不動産の購入資金に充てるための資金移動は原則として贈与税の対象です。
 
毎月10万円、年間で120万円を夫のローン返済に充てている場合、贈与税の基礎控除額である年間110万円を超えてしまいます。仮に10万円が純粋に食費や光熱費などの生活費であれば問題ありませんが、夫名義のローンの引き落とし口座に直接入金し、それがローンの返済原資となっているのであれば、注意が必要です。
 

夫婦で住宅ローンを組む際の注意点

住宅ローンを組む際、多くの夫婦が共有名義やペアローンを選択するでしょう。しかし、ここで重要になるのが出資割合と登記上の持分の不一致です。
 
住宅ローンの返済割合と所有権の持分が合っていない場合に、贈与税が発生するケースがあります。例えば、夫と妻で5対5の割合で持分を登記しているのに、実際のローンの返済を夫が8割、妻が2割といった具合に偏って負担していると、夫から妻へ持分という資産を贈与したとみなされるのです。
 
住宅が夫の単独名義であれば、妻が支払う10万円は夫の資産形成を助けていることになります。逆に、共有名義であっても、妻が自分の本来の負担区分を超えて10万円を支払っている場合、その超過分が贈与と判定される可能性があります。
 

年間110万円の基礎控除と婚姻期間20年以上の特例を活用する

贈与税には基礎控除があり、1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与の合計が110万円以下であれば税金がかかりません。この110万円という枠を意識することは非常に重要です。今回の毎月10万円(年間120万円)という金額は、この基礎控除をわずかに10万円超えてしまっています。
 
また、長年連れ添った夫婦であれば、いわゆる「おしどり贈与」と呼ばれる配偶者控除の特例も検討の余地があります。この特例は、婚姻期間が20年以上の夫婦が居住用不動産やその取得資金を贈与する場合、基礎控除とは別に2000万円までが非課税になる配偶者控除です。
 
ただし、これは一定の要件を満たす必要があるため、若年層の共働き夫婦が毎月の返済を助け合う場面では、やはり毎年の110万円の枠をどう守るかが現実的な焦点となるでしょう。
 

トラブルを避けるために夫婦で守るべきルール

共働き夫婦の間で、良かれと思って行っているローンの協力が、将来的に税務署から指摘を受ける原因になっては元も子もありません。今回のようなケースで贈与税を回避するためには、まず10万円の内訳を明確にすることが大切です。
 
もしその10万円が食費や日用品、家賃相当分などの生活費としての分担であれば、夫のローン口座ではなく、生活費決済用の別口座で管理するか、生活実態を証明できるようにしておくのが賢明です。
 
夫婦間での資金のやり取りは日常的に行われることも多く、「家族間だから問題ない」と考えられがちです。しかし、金額や渡し方によっては、税務上は贈与として扱われる可能性もあるため、注意が必要になるケースがあります。夫婦間であっても、ルールに基づいた適切な管理を心がけましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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